北東北の旅【16】(2010/08/18)
秋田内陸縦貫鉄道:
2010/08/18
こちらが昨晩からお世話になった道の駅あに。この辺りは阿仁マタギと呼ばれる狩猟で生計を立てる人たちがいる。それゆえマタギの里と称されている。道の駅への入口に近隣出身の漫画家で釣りキチ三平の作者として知られる矢口高雄氏によるイラストが掲示され、マタギの里であることをアピールしていた。
あちこち訪ね歩いた東北の旅もいよいよ最終日。ちょっと自分の趣味に偏りがちだが。このままでは流石にカミさんから不満が出てしまうので最終日くらいは観光らしい観光もしなければ・・・、ということでまず最初に訪れたのが秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅。
おい、言ってるそばから趣味に走っているじゃねーか・・・大丈夫、この後ちゃんと観光もします。

ということで阿仁合駅。ひらがなで書くと遠目にあいあいと書かれているように空目してしまう。

この駅には秋田内陸縦貫鉄道の車庫が隣接しており、多数の車両が停まっているのが見える。駅員に声をかけて車庫内の見学希望の旨を伝えたら、今ホームに停車中の車両が出発した後なら良いということだったので出発まで暫し待機。

待っている間にホーム上から撮影したのがAN2000形。団体専用車として使われているそうだ。
それから5分ほどで列車が出発していった。そのタイミングでさっきの駅員から声をかけられ車庫内を案内していただけることになった。ふらりと来たのにありがたい。

こちらはAN8800形(右)とAN8900形(左)。AN8800形は一般車両で、開業当初からの車両である。AN8900形は下でも紹介するが、当線の急行列車もりよし号用として製造された車両だ。こちらの車両は8905という車番で、増結用などの用途に使われているそうだ。

で、こちらもAN8900形。こちらは2両セットで急行もりよしの運用に就いている。室内はラウンジソファーがあったりしてゆったりくつろぎながらの旅ができるようになっている。

車庫の一角にラッセル車が停まっていた。駅員によるとこの車両はオフシーズンには格納庫の奥に仕舞われているのだそうだ。今日たまたま引っ張り出されてきていたらしく、この季節に見られるのは珍しいと教えてくれた。
ざっと一周見せていただきお礼を言って見学を終えた。気さくな方が対応してくれてよかった。
こぐま亭:
さてようやく朝食である。駅の待合室で待合していたカミさんがパンフレットに目を通していたところ、この駅の構内にあるこぐま亭という店がおススメされているのを見つけたというのでそこで食べることにした。
店は軽食スタンド風の造りで先にカウンターで注文するシステムであるようだ。メニューを見るとこの辺りの名物としてまたたびがあるらしく、またたびを練り込んだラーメンなるものがあった。また、馬肉も有名らしく馬肉丼なんてものもある。
オーダーするものを決めてカウンター越しに中のおばちゃんに声をかけると、今はちょっと待って!と塩対応された。まだ何もしてませんが・・・。前の客が注文したおにぎりを握っているらしい。1人で切り盛りしているからちょっと待って欲しいという訴えであることは理解できるが、言い方。
しょうがないので手が空くまで少し待機。すると5分ほどで作り終えたらしく、カウンターから顔を出して、なに?と聞いてきた。いや、なにって。オーダー以外なかろうに。怪訝に思いながらも料理を注文。それを聞き届けたら返事もせずにキッチンへ戻っていった。なんかめっちゃ機嫌悪いんですが・・・。自分何か機嫌損ねるようなことやりましたかね?客に当たり散らすほど嫌なことがあったか、元々そういう性格か。いやそういう性格の人が客商売やったらだめだと思うのでそれはないか。こんな塩対応で接客する店に入るのが初めてだったので面食らった。カミさんと別の店行こうかという話も出たのだが、他の店を探すのが面倒だったのでそのまま待つことに。
それから暫くして料理ができあがった。

こちらはカミさんが注文した山菜そば。ん?山菜そばなんですかこれは。自分には月見天ぷらそばにしか見えないのだが。

そして、こちらがまたたびを練り込んだ麺で作ったという、またたびラーメン。自分は猫ではないのでまたたびを口にしたことがない。だからまたたびがどんな味なのかも知らないのだが、食べたら普通のラーメンだ。またたび風味は感じられない気がする。まだ修行が足りないようだ。こちらには山菜が乗っている・・・。

で、こちらが馬肉丼のミニ。これは普通に美味かった。そんなわけで残念ながらトータルで不満が残る朝食だったが一応完食。食事を終えて店を出ようとしたら、おばちゃんから食べ終わったんなら皿持ってきて!とまたたしなめられた。母ちゃんごめんよぉ、ゆるしとくれよぉ・・・。
最後に不満な気持ちをダメ押しで盛り上げてくれる素晴らしい対応だった。
八郎潟と大潟村:
そんなわけでエキサイティングなブレックファーストをエクスペリエンスした我々は阿仁合駅を後にした。
さて、ここからようやく観光らしいことを始める。もう旅は終盤戦なのだが・・・。
秋田といえば男鹿半島。男鹿半島といえばなまはげである。なまはげの他に寒風山という寒そうな名前の山からの眺望も素晴らしいそうだ。ということでまず寒風山に登って、それから時間があればなまはげを見に行ってみようと思う。
その道すがら、八郎潟という湖のほとりを通過する。湖といっても水域はほぼ全域干拓されているので、もはや湖の体をなしていない。その干拓された陸域に大潟村という自治体が存在している。村域が全て干拓地という新しい村である。八郎潟も昔日本地図で見て以来、ずっと気になっていた場所だ。せっかくなのでちょっと寄り道してみることに。
大潟村の干拓地は周囲をかつての湖水域である水路に囲まれている。橋を渡らないと立ち入ることができない場所なので、島といえば島なのだが、人口の地盤による陸地なので島カウントの増減はなし。
地図で男鹿半島を探していただき、その半島の付け根部分から北に視線を移動すると楕円形にかたどられた陸域が見えると思う。そこが八郎潟と大潟村なのだが、ご覧のとおりかなり広い水域を誇っている。干拓される前までは日本で第二の面積を誇る湖だったそうだ。これが戦後に干拓されて広大な農地となった。
大潟橋を渡って干拓地エリアに入る。干拓地の中は整然と区画された水田が広がっている。まずは島の北部に位置する居住エリアを訪ねてみることに。ナビで場所を指定し後は適当に進んでみた。時折ナビの案内するルートから外れて農道に迷い込んでみたりした。
上の写真はその農道のひとつに入り込んで撮影したものである。農道は砂利道で地平線の彼方まで田畑が広がっているのが分かる。この島では居住エリアと農業エリアが明確に区分されていて居住エリアの外側はおしなべてこんな風景だった。新しい開拓地の例に漏れずひとつひとつの区画がやたらと広い。ナビが次に曲がる先を指示してくるのだが、その曲がる場所までなかなか到達しない。
こうした大きい区画で区切られた圃場になっているため大規模農業がやりやすくなっている。そのためか村内で農業に従事する人の収入は軒並み高収入なんだとか。
農道ばかり走ってもしょうがないので、適当な舗装路で曲がってみる。こちらは防風林の間を一直線に抜ける道だった。北海道の大地に突然ワープしてしまったような錯覚を覚えた。