信州ドライブ【7】(2010/09/19)
そば打ち体験:
待っているとほどなく声がかかった。指導してくださる地元のご婦人に案内されて指示された場所に着席。それから簡単な説明を聞いていよいよそば打ち体験開始。

今回は自分は撮影係。カミさんに製作を担当してもらう。まずはあらかじめ用意されたそば粉を木鉢に開けて、お湯を加えながら素早く混ぜ合わせる。この時できるだけ大玉ができないようにこまめに混ぜておくのが良いそうだ。
続いてつなぎになる小麦粉を混ぜる。同じように加水しながらかき混ぜる。そば粉と小麦の比率はここの施設の場合7:3とのこと。蕎麦屋に行くと十割そばとか二八そばなんていうものがある。そば粉の比率が多いと有難みが増すような気がするが、味わいやのど越しの面ではそば粉の比率ばかり多くすればいいってものでもないらしい。

かき混ぜ終わったら素手でこねる。中の空気が抜けるように細かく力を加えていくのが良いそうだ。このこねる作業は15分ほど続ける。根気のいる作業だ。どのくらいやれば適当な状態になっているのかがイマイチ分かりづらかったのだが、ほどなく講師の方からやめの合図があった。
次はこねた生地を延ばす作業だ。

1m四方もある大きなまな板(麺板というそうだ)にこねた固まりを乗せて、打ち粉(更科粉)を打ったあと手のひらを使って伸ばしていく。
急に節ばった手になったが、これはカミさんの手ではない(見れば分かる?)。自分らについてくれたご婦人が最初にデモンストレーションをしてくれた時の写真である。
伸ばす時のコツは中央部分に小山を残しておくことだそうだ。

数回デモンストレーションを見せてもらった後でカミさんに選手交代。ここから麺棒を使っての伸ばし作業となる。そば打ちといえばこのシーンだ。
少しずつ生地を回しながらムラのないように引き伸ばしていく。伸ばす時は麺棒の左右に均等に力を加えながら転がす。棒を往復させてはならないそうだ。戻しの時は力を抜いて引き寄せる。その大きさが40cm程度になったところで再びご婦人にバトンタッチ。

中央部分の小山を平たく伸ばしたあとで、麺棒を小気味良く転がして生地を大きく伸ばす。手慣れた手つきで気持ちの良いくらいにスルスルと生地が大きくなっていく。
生地は四方八方にムラなく伸ばしていく必要があるのだが、麺棒を縦にしたり斜めにしたりするのはNG。ではどうするのかというと生地の方を回転させる。といっても薄く延ばされた生地を手で回転させるのは大変なので、上の写真のように麺棒に生地を巻き付けた後、麺棒の向きを90度変えて右端(左端)の方に縦向きに置いて生地を広げる。こうすることで生地を90度回転させることができる。
と、そこまで教えてもらったところで再び選手交代。カミさんが見よう見まねで同じ作業を繰り返す。最終的に生地の厚みが1mm程度になるまでこの作業を繰り返すそうだ。この作業の時、力を入れすぎると容易に生地に穴が開いてしまう。特に中央部分は薄くなりやすいので穴が開きやすいという。最初の方で生地を手で引き伸ばす時に中央部に小山を作ったのはこの穴あきを防ぐためだそうだ。
ちなみに素人がやると力のかけ方のバランスが悪くなって生地の伸び方にムラができてしまう。真円に近いほど良いのだがなかなかそう上手くはいかない。大きさがムラになってしまった時は角度を変えながら真円に近くなるように調整するとのこと。

そうして頑張った結果がこちら。真円というよりは栃木県みたいな形になってしまった。だが、生地は既に限界まで薄くなってしまっていて、これ以上バランスを取ろうと無理をすると生地が千切れてしまいそうだったのでこれで打ち止め。

そしていよいよ佳境。麺きりである。
伸ばした生地に更科粉をまぶして四つ折りにしたあと、更に半分に折ったものをまな板に載せる。生地の上に乗せられた板は麺を押さえる役割の他、切る幅を調整するための役割もあるそうだ。
切る幅は1mm程度がベスト。1mmというと麺切り包丁の厚みと同じくらいだそうだ。どうやって1mmを計るかというと、まず真上から包丁の重みを借りて真っすぐ包丁を下ろしてそばを切断する。そのまま包丁をこれから切ろうとしている生地の方に15度くらい傾ける。するとその傾きの分麺板が後退して次に切る生地が露出する。それがだいたい1mmだそうだ。これを繰り返して均等な幅に切り分けていく。
これが典型的な言うは易く行うは難し案件で、そうそう綺麗にできるものではない。上級者になればこの作業がストンストンと小気味良く繰り返せるようになるそうだが、いかんせん素人なので慎重にやっても幅がバラバラになってしまう。

そうしてできあがったのがこちら。包丁を傾けすぎると写真のように麺の幅が広くなってしまう。後半に行くに従いその動かし方のコツをつかんできたのでだんだん均等に切断できるようになった。そういうコツの習得の速さはさすがカミさんである。
このあとできあがった麺を茹でて食す。
自ら打ったそばの味:
頑張って打ったそばは、併設された調理場で調理して、できあがりを店先のテラスで食べることができる。早速調理場の方へと持って行くと厨房にいたおばちゃんにそばを回収された。前回体験した時は自分らで茹でたような気がするのだが・・・。もしかしたら店内が混雑していたので慣れない手つきでまごつかれることを嫌がったのかもしれない。せっかく自分らで茹でようと思っていたのに残念・・・。
そば打ちで手が粉だらけなので、できあがりを待つ間に手洗いなどを済ませておく。ほどなく声がかかったのでできあがりを受け取ってテラスの席を陣取った。

こちらがカミさんが精魂込めて打ったそば。食べ方はざるしかないようで調理方法を聞かれることはなかった。ざるそば好きなのでいいんだけど。
そば打ち体験では4人前の分量を打った。これは人数の多少に関わらず同じなので、仕上がりもきっちり4人前が出てくる。我々は2名なので、1人2人前ずつ片付けなければならない計算だ。
前回来た時はその量の多さに後半少し食べ飽きてしまったので、今回はオプションで天ぷらを付けることにした。早速一口目を頂く・・・が、茹で加減が甘くて芯が残っている・・・。ちょっと切り方が雑過ぎたのだろうか。よくいえば歯ごたえがしっかりしているわけだが、ずっと食べていると顎が疲れてくる。
天ざるにすれば味変ができて飽きずに食べられるのではないかと思ったのだが、4人前のそばには太刀打ちできなかった。結局、後半は腹が膨れてしまい最後は無になって胃袋に落とし込む羽目になった。でも自分らで打って作ったものなのでそれでも美味かった。
ちなみに料金は体験料とそばの代金で1セット3,000円だ。4人までなら何人でも一律(それ以上になると2卓になるのかな)なので、4人で体験すれば1人750円。1人前だと若干物足りないかもしれないが、750円で美味いざるそばを食べられると思えばむしろ割安なのではないだろうか。