伊豆初日の出&初釣り【3】(2010/12/31)

客の少ないうなぎ屋の思い出:


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参拝を済ませたあと、更に遊歩道を進んでいくとちょっとした展望台があった。その展望台から裏浜名を一望することができた。

写真の中央付近に、白い雲が地面付近まで降りているのが見えると思う。あれは恐らく午前中に我々を震え上がらせた雪雲である。南国のスコールを降らせる積乱雲のような雪雲というのは初めて見た。で、あの辺の山によって雪雲が遮られているから、こちら側まで流れてこないのだということも分かる。こちら側の天気は心配いらなさそうだと分かり一安心。

 

この風景を見ていたら、2002年に職場の後輩とドライブした時のできごとを思い出した。前の現場を退場することになり、当時よくつるんで遊んでいた後輩を誘ってあてどないドライブに出かけたのだが、夜通し走って流れ流れた末、昼少し前にこの辺に到達した。丁度その辺りで腹が減ってしまったので、何か食べようと後輩に投げかけたところ、やっぱり浜松といえばウナギでしょうと意見が上がった。それでうなぎ屋を探しながら進んだのだが、いかんせん裏浜名の最奥部なので、あたりに店らしき店がない。

そうしたなか、まるで我々を誘うかのように「うなぎ」の看板を掲げる店に出くわした。その店は何とも鄙びた雰囲気で、閑散としているのに暖簾は出ている。ということはやっているのか。

助手席の後輩は、まだ20代前半であるにもかかわらず妙にオッサン臭い奴で、こういう場所こそが名店なんすよなんて、知ったような口をきいている。ほんとかよと思いつつも、一理あるっちゃある気もするので、そこまで言うなら入ってみるかと暖簾をくぐってみた。

が、客は誰もいなかった。本当に大丈夫なのかなと思いながらうな重を2つ注文すると、注文を承った主人が奥の厨房で鰻を焼き始めた。それができあがるまでの間、完徹でぼんやりしてる頭で、内容があるようなないような会話をダラダラとしていた。

 

すると突然、その家の子どもであるらしい、小学生くらいの子が入口の扉を開けて店内に入ってきた。そのまま我々を一瞥しつつ奥に入って、ただいま!と元気よく言ったあと、続けざまに、

「おとうさん!久しぶりのお客さんだよ!!」

そりゃもう屈託なく言い切った。店に入ってくるなり、そういう軽口を叩く常連はよく見かける。だが彼は小学生だ。屈託がなさ過ぎる。屈託がなさ過ぎて、全日警のCMに出ていた金田正一ばりに、よっしゃ、よかったなぁ!と、相槌を打ってあげたくなった。やっぱりネガティブな情報は、明るく朗々と言い切ってしまうのが一番である。深刻な事態を報告する時のテクニックのひとつだ。

そのお父さんであるらしい、ウナギを焼いている主人は、子供をたしなめるでもなくスルーして、子供の方もそれ以上何を言うでもなくそのまま奥の部屋の方へ消えていった。その一部始終を見て、入店前に豪語していた後輩はしきりに苦笑いをしていた。が、良いじゃないか。我々がその久々に調理されたであろううな重を、とくと味わって見せようではないか。

それはさておき、彼の言う「久しぶり」とはどの程度なのだろうか。まさか月単位なんてこと、ないよね・・・。

それからもう少ししてうな重が運ばれてきた。店主はさっきのイベントは全くなかったような顔をして、テーブルにお重を置いて下がっていった。久しぶりのお客様に向けて出されたうな重とやらは果たしてどんなものだろうか。食べてみたらそりゃもうびっくりするくらい美味しかった。なぜここにお客さんがほとんど来ないのか、と思うほど贅沢な味わいだった。もしかして彼の発言はウィットに富んだジョークだったのだろうか?

 

なんかこうして振り返ってみると、そんな話あるか?という気がする。あれは狐か狸に化かされていたんじゃないかという気がしなくもない。あるいは宮沢賢治の山猫軒。人里離れた場所にぽつんとうなぎ屋があるのもなんだか妙だし、なんなら自分らは徹夜明けで半分朦朧としていたわけだ。実は鰻だと思って食べたものは葉っぱか何かだったのかもしれないw

その店は偶然見つけた店だったので、場所ははっきりと記憶にない。もしかしたら上の写真のどこかに映り込んでいるかもしれないが。

 

忘れ物:


わけの分からない思い出話で脱線をしたので話を戻す。

そのまま遊歩道を進んでいくと、目の前の景色が開けてその一角に大きな観音像が見えてきた。

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こちらがその大観音。顔立ちが妙にバタ臭い。

この先の階段を降りると愛宕神社に戻って一周したことになる。なんか想像していた以上に面白い場所だった。

そしてほどなく車に戻って散策終了。車に乗り込んだ瞬間、時間を忘れて散策していることに気づいた。そういえば今、停めてから何分経ったっけと時計を見ると28分が経過していた。駐車場の無料時間が終わるまであと2分しかない。個人的には急いでもしょうがないので、だったらもうあと30分くらい近場を散策し直しても良いんじゃないかなと思ったのだが、カミさんはとにかく急いで車を出そうとせかしてくる。

落ち着く間もなく車を出庫して、どうにか無料期間中に出庫することができたが、走らせて少しして、舘山寺みそも舘山寺温泉も全力でスルーしてしまったことに気づく。まぁ、今更なのでいいか。ちなみに気になったので帰宅後に舘山寺みそについて調べてみたら、やはりこれはこれで存在しているらしい。といっても名物といえるようなものではなく、あくまで地元の方が普段使いする味噌だそうだ。

 

遠州鉄道 西鹿島駅:


お次は遠州鉄道西鹿島駅へ行ってみることにした。2007年の訪問の際にこの駅に車庫があることが確認できているが、その時はお目当ての車両が入庫しておらず撮影できなかったので再訪してみようと思った次第。

移動中、妙に腹が減ったなぁと思ったのだが、よく考えてみたら朝からロクに食べてない。そりゃ腹も減るわけだ。浜松といえば前述のうなぎも名産品だが、ここ最近、ご家庭での餃子の消費量が多い町としても脚光を浴びている。せっかくだから食べに行こうよとカミさんを誘ったら、行ってみようと乗り気になってくれたのだが、肝心の店の情報を何もチェックしていない。

そんなこともあろうかと、今回はノートPCと通信カードを持参している。カミさんにお願いして、移動している間に浜松餃子の名店を探してもらうことに。

 

それから20分ほどで西鹿島駅に到着したのだが、カミさんはまだめぼしいお店を見つけ出せていないようだった。自分が鉄道写真を撮影している間はカミさんは待ちぼうけになるので、そのまま車に待機して調査を継続してもらうことにした。

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というわけでカミさんを車に残して単身駅構内にお邪魔してみると、留置線にお目当ての30系が停車していた。30系は左の車両である。ちなみに右が20系で、遠州鉄道の車両はこれか近年増備が進んでいる1000系以降かのどちらか多数を占めている。そうした中で丁度その過渡期に生まれたのが30系だったのだが、あまり増備が進まず、遠州鉄道のややレアな系列となっているのだ。

Posted by gen_charly