北東北の旅 - 1(2010/08/14)
— 微妙に落ち着かない滑り出し。。。 —
ここ数年、夏休みといえば、どこかしらの島へ出かけていたのですが、今年は趣向を変えて東北方面へ出かけてきました。
というか、去年のお盆開けにご先祖様に連れて行かれるかのように亡くなったおばあちゃんの一周忌があって、今年の夏休みは岩手にある田舎に帰ることが決まっていたので、そのついでに思いのほか未開拓だった北東北を巡ることにしたというのが経緯です。
ところが、7月の終わり頃になって同じ田舎のおじいちゃんが危篤になったと連絡がありました。
幸い数日後、峠は越したということですが、暫く予断を許さない状況なので、一周忌は延期することになりました。
原付のほうは、会社の夏期休暇の日程が変更できず、次の一周忌の時に出れるか分からなかったので、そのまま岩手に向かい、お見舞いとお墓参りを済ませて、残った時間で観光することにしました。
岩手は母方の田舎なのですが、ちょっとした家の事情で、カミさんとの結婚を機にまた交流が復活するまで20年くらい行けなかった時期があったので、田舎とはいいつつも、小学校低学年くらいまでの記憶しかなく、またその頃は田舎から他の地域に足を伸ばしたりすることも少なかったので、比較的近いところにありながら、秋田青森は行ったことのない場所でした。
せっかく北東北をまわるのならと、原付的にかねてからの希望だった東北地方の鉄道写真も撮りたいと思ったので、まずは撮りたい鉄道の情報をチェックし、プロットしたところを基準に観光地めぐりをする方向で考えることにしました。
ということで、ガイドブックを買いに行ったのですが。。。
とりあえず東北3県の情報が載っているガイドを買ってきて、自宅で読んでみると、そのガイドブックはなんとなく掲載情報に偏りが。。。
青森の観光地としては割りと有名なはずの恐山や三内丸山遺跡については完全にスルー。
白神山地や十和田湖は載っていましたが、どちらも見始めると丸一日かかってしまうような場所なので、今回のスケジュールにはなじみません。。。
ということで、ネットなどで多少の情報を収集しつつ、後は行き当たりばったりで出かけることにしました。
#結局またこのパターンかい!w。。。
鹿児島にいるカミさんのおばあちゃんも今年に入ってから調子がよくない状況が続いていたのですが、間の悪いことに、岩手行きの日程が決まるか決まらないかの時に病状が悪化してきていると連絡がありました。
カミさんのご両親の話を聞く限りでは、今すぐどうこう、という感じではなさそうですが、万が一の時は鹿児島へ向かわなければなりません。
それが旅行中だと、車で自宅まで戻ってから向かったらいつ着くか分からないし、かといって車を現地に残して身一つで行く訳にも行かず。。。
結局そうなってしまった時は、カミさんだけ新幹線と飛行機で現地に先発で向かうことにして、原付は車を東京に戻してから、遅れて追いかけることになりました。
—–
という事で出発日。
金曜に会社を定時で上がり、自宅で2時間ほど仮眠を取ってから準備をして出発。
出発は0時近くなってしまいました。
昨年から高速が1000円で乗れるようになっていますが、昨年おばあちゃんが亡くなった時は、お盆明け直前だったので、反対車線がUターンラッシュの車で大変なことになっていました。
普段は渋滞しそうにないような場所が夜中2時3時になっても数十キロも渋滞したままだし、サービスエリアの入場待ちの車がサービスエリアの手前数キロから延々と並んでいたりと、目を覆いたくなるような地獄絵図が展開されていました。。。
今年は、1000円高速がお盆中の土日だけになるということで、今年は昨年以上の渋滞が発生するだろうとしきりにニュースになっていたので、多少でもマシになると思われる夜中を選んで出発したわけですが、もしあんな渋滞にハマったら下道を使うか諦めて帰るつもりでいました。
更に気休め程度でも空いている道を選ぼうと常磐道経由のコースにしたのが大正解。
東北道は栃木、福島と結構な渋滞になっていたようですが、常磐・磐越道はガラガラ。福島まで一気に抜けることが出来ました。
東北道に合流すると、福島から宮城県内くらいまでは、渋滞というほどではなかったのですが所々交通量が多い感じで、注意して様子を見ていると、どうやら全体的にサービスエリアの手前が混雑しているようです。
サービスエリアの手前では路肩に入場待ちの渋滞が発生していて、走行車線も若干詰まった感じになるのですが、そこを通過すると渋滞が解消ので、事故の見物渋滞の状況と近いのかもしれません。
仙台を過ぎれば多少空いてくるだろうと読んで、休憩せずにそのまま先に進むと、その読みどおり、志波姫のパーキング辺りはスムーズに入場できました。
ここで二時間ほど仮眠したあと、もうひとっ走りして早朝に一関のインターまでたどり着くことができました。
後でニュースなどで知ったのですが、事前の渋滞予想があまりにハードだったので、高速を敬遠した人が多かったせいか、全国的に予想されていたほどの渋滞にならなかったようです。
インターに到着する直前、不意にカミさんの携帯が鳴りました。
いやな予感がしつつ電話を取ると、案の定、鹿児島のおばあちゃんが危篤になっているそうで、お義父さんがこれから鹿児島へ向かうことになったそうです。
今のところまだ状況がはっきりしないので、ウチらはひとまずいつでも向かえる状態で待機するようにとのことでした。
— 神道の墓 —
という事で、そのままインターを降り、とりあえずインターから程近い場所にある親戚の家に到着。
荷物を運び入れると、朝食を食べていけ、という事で、渋滞が拍子抜けだった話などをしつつ朝ごはん。食べ終わるとすぐにお墓参りに出発。
山奥にあるおばあちゃんが眠るお墓にお参りしてきました。
そのあと、別の場所にある一族のお墓にも行くというので、連れて行ってもらうと、見た感じ普通のお墓なのですが、なんだかそこはかとない違和感が。。。
連れて行ってくれたおじさんによると、ここは神道の墓地なんだそうで、神道には戒名がないので、脇に建てられた墓碑には戒名ではなく本名が彫られていたり、各家の墓の入り口の部分には屋号が彫られていたり、仏教系と細かく違いが有るそうです。
ここのお墓は小さい頃に来ていたのかもしれませんが、全く記憶に無く、神道のお墓に眠る人が身近にいることに軽くカルチャーショックを受けたりしつつ、お墓参りは無事終了。
その後、じいちゃんばあちゃんの兄弟のお見舞いに。
軒並み高齢なので、みんなグループホームに入所していたり、病院にいたりするので、それぞれ順番に回りました。
が、原付的には昔も殆ど交流のなかった人で、名前は聞いたことがあるけど、どんな人だったか分からないような人ばかりです。。。
相手の方もやや耄碌が進んでいたりして、親戚のおばちゃんが原付の名前を教えてあげても思い出せたのか出せなかったのか微妙な感じで、双方「あなた誰?」状態になってしまったのが何とも言えない感じでした。。。
そんなこんなでお見舞いもつつがなく終わって、帰りがけに地元のうまい田舎豆腐があるからと立ち寄った豆腐屋がすごいことになっていました。
「看板がないからよく見ておかないと通り過ぎちゃうんだよねぇ。。。」 といって、集落の道を徐行しながら店を探して、「あ、ここだ」と言って車を停めると、どう見てもそこいらにある民家。。。
入り口を入ると、奥に受付窓口のような小窓が開いていて、そこから声をかけると奥からおばあさんが出てきました。
このおばあさんは気分に左右される事が多いらしく、以前、おばさんが買いに来たときは、「器くらい持って来なさいよ。」 と怒られたこともあるのだとか。。。
幸い今回は機嫌がよかったようで、いつも買っている田舎豆腐と油揚げのほかに珍しくおからまでサービスしてくれたそうです。
ちなみにこの店、看板が掲げられていなかっただけに、店の名前は分かりませんw
一関市大東町のどこかにあります。。。
続いて今度は、豆腐屋から割と近所にある、地元で饅頭といえばコレ、と言われているらしい「しもまんじゅう」 という饅頭屋に。
丁度出来上がったところで、出来立ての温かい饅頭が並んでいて、お土産に、と一箱買ってもらいました。
折角だからすぐに味見してみたかったので、箱入りとは別にバラも2つ買って車の中で食べてみると、東北らしい、甘さ強めの餡子が黒い生地に包まれていてなかなかのおいしさです。
今日の行程はこれでおしまい。
家に戻ると、弟一家が到着していました。
流石にほぼ徹夜明けで眠かったので、到着するなり4時間くらい仮眠。。。
目を覚ますと盛岡に住む別の親戚も到着していて、晩御飯にジャジャ麺を振舞ってくれました。
このジャジャ麺は食べ方に色々と薀蓄があるらしく、薬味を入れろとか、味噌は最後に混ぜろとか、食べ終わった後には残った味噌に生卵を落としてゆで汁で溶いて食べろとか、結構細かいことを言われましたが、言われたとおりにして食べるとこれがかなりの美味!
原付が今まで食べたことのある「ジャージャー麺」とは似て非なるもので、ジャージャー麺は甘い肉味噌ですが、ジャジャ麺はにんにくの利いたスパイシーな味噌で、想像していたものと全く違いました。
晩御飯を食べつつのんびりと昔話や子供談義に花を咲かせて適当な時間に就寝。
原付夫妻は明日従弟と釣りに行くことになっているのですが、弟は休みのスケジュールの関係で、明日から青森方面に観光に出るらしいです。