岩手の地震の爪跡を訪ねて - 5(2011/05/02)
— 廃墟スーパー —
5月2日。
従弟も今日は出勤日だというので、適当にぶらぶらするつもりです。
細かいスケジュールは何も決めていなかったので、9時ごろに起床。
1Fに降りておばさんに作ってもらった朝食を食べていると、
「そこの冷蔵庫も傾いているんだぞ。」
と、後ろを指したので振り向くと、冷蔵庫と背後に見える柱が明らかにVの字になっている様子が分かりました。
台所側は少し盛り土をしているのですが、地震で地盤が下がってしまいその分傾いてしまったようです。
「近所のスーパーも土台が浮いてるし。」
※文字だけ見ると男言葉みたいですが、方言です。
食事を済ませて散歩がてらそのスーパーを見に行ってみることに。
その近所のスーパーは今はすでに撤退してしまっている店で、被害が出ているものの、誰も手を付けていない状態になっているとのこと。
まずその土台が浮いているという場所へ。
確かに数センチ土台が浮き上がってしまっています。
近くで見ると浮き上がっている様子が良く分かります。
下の盛り土のコンクリにヒビが入っていて、ここも盛り土が下がってしまって、その分浮いてしまっているようです。
そして、今度はスーパーの正面へ。
ガラスが数枚割れてしまって、辺りには未だに細かな破片が散乱しています。
ガラスが割れた窓枠は一応板で塞ぐ位の処置はされていますが、ガラス越しに中を覗くと。。。
ほぼ全ての天井板が落下して、下に散乱していました。
今は普通に営業している店も、地震当時はこんな状態だったのかもしれません。
それから更に近所をぶらぶら散歩ながら家に戻り、おばさんに夕方まで出かけてくると伝えて、車を出しました。
— 馬面電車 —
まずは花巻電鉄の保存電車の写真を撮りに行くところからスタートです。
とりあえず高速に乗るほどでもないかな、と国道4号を北上して行くことに。
前沢まで来たとき、道沿いにホームセンターを見つけたので立ち寄ってみました。
唐突にホームセンターに寄った理由は、おばさんの家で使える震災対策のグッズが何かないかな、と思ったからです。
懐中電灯が見つからなくて困ったと話していたので、懐中電灯がよさそうだと思って売り場に行ってみると、近くの棚にヘッドライトが売られていました。
懐中電灯よりもヘッドライトの方が両手が使えて便利なので2つ買って帰ることに。
ついでに出発前に取り付けたワンセグの配線も少し直したりしていたら結構時間が経ってしまったので、ここからは高速に乗って花巻まで一気に向かうことにしました。
東北道の一関から北の区間は速度規制が無かったのですが、規制区間と同じくらいあちこちに段差があって運転はやや慎重になります。
写真だと分かりづらいですが、前の車の右側の中央分離帯のラインがずれているのが分かると思います。
追い討ちをかけるように、朝から吹き荒れている強風が車をあおりまくって、それはそれで運転しづらさに拍車をかけてきます。
花巻で高速を降りると、花巻電鉄の保存車両が置かれているという公園へは5分くらいで到着します。
この花巻電鉄、 既に廃止されて久しいのですが、他ではあまり見られないユニークな電車が走っていたことで、知る人ぞ知る路線だったそうです。
それが、これ。
そのユニークさとは、極端な幅の狭さ。
前面は車体を更に絞り込んでいるのに、わざわざ窓を3枚に分けているので細面感がより一層強調されています。
その見た目から「馬面電車」と呼ばれていたそうです。
以前からネットなどで情報を見ていて、いつかは見てみたいと思っていたのですが、
車両自体はフェンスに囲まれた状態で保存されていて、中に入れなかったので、写真を撮っておしまい。