岩手の地震の爪跡を訪ねて - 7(2011/05/02)
— 再び祭畤大橋へ —
その後、昨日に引き続きもう一度祭畤大橋を見に行ってみようと思い、県道42号に出て進んでいくと、途中に「行者の滝」 の看板が見えました。
駐車場に植えられた桜が丁度満開になっていたので、少し観光してみようと立ち寄ると、駐車場からすぐ行者の滝を見渡せる展望台がありました。
雪解けで水量が増えた行者の滝は、なかなかの迫力。
東京に戻ってきてから調べて分かったのですが、この滝も地震によって大規模に崩れて、様子がだいぶ変わってしまったらしいです。
滝の流れが三迫川に合流する辺りでも天然ダムが形成されていて、木々が水中から顔を覗かせていました。
その後、車を走らせて、再び祭畤大橋にやってきました。
こちらも天気はややどんよりしていますが、雨は降ってきていないので、昨日よりはだいぶ散策しやすい環境ですが、相変わらず風が強く、コートを羽織って出ることに。
昨日は気が付かなかったのですが、手前の旧道をまたぐ橋の上からは道がぶっつりと途切れ、その向こうでズタズタになっている祭畤大橋が見渡せました。
地震前にはここからまっすぐ橋が伸びているのが見えたはずです。
ところで、今立っている橋は国道の脇にあるもので、現在は使われている気配がありません。
割と新しい橋なのになんでだろうと思っていたのですが、家に帰ってから調べてみると、この橋は元々鬼越沢に沿って進む林道へ入るために国道から分岐した上で、国道をオーバークロスするためにかけられた橋だったそうです。
祭畤大橋の付け替えをするにあたり、新しく山側に道を作り、その途中に林道への交差点を作ったので、この道が使われなくなってしまったようです。
祭畤大橋の展望台の駐車場がある場所も、この道の一部が使われています。
上の写真をよく見ると秋田県側の橋の手前まで、元の国道の上に木道が設置されていて、気になったのでそちらにも行って見ました。
橋を渡ってすぐのところに、左から合流してくる道があったので、そこを曲がると、すぐに進入禁止のコーンが置かれていました。
脇に車を停めて歩いていってみると、かつての仮設の橋へのアプローチ道路の切り通しのところで木道は途切れていて、立ち入り禁止の看板が出ていました。
アプローチ道路が埋め戻されるか、上を跨ぐ形で木道が整備されれば、秋田県側から見に行くことも出来そうです。
旧道と新道が合流するところに「ぶなの森まつるべ館」と看板が出ている建物が建っていましたが、休みなのか人気はなく、入り口の両側に立たされた案山子が静かに崩れた橋の方を見ていました。
——
散策しているうちにだんだん日が暮れてきたので、おばさん宅に戻ることにしました。
明日は、従弟と沿岸方面に行ければ行ってみるつもりです。
「行ければ」と書いたのは、入りづらい雰囲気かもしれないとか、復旧作業をする人の邪魔になるかもしれない、という心情的な不安ももちろんあるのですが、被災地で発生している犯罪や交通渋滞を防止するために、県が発行する通行許可証がない車は通れないという噂があると従弟が話していたからです。
通りかかった国道の道路情報を見ると、
と表示されていて、通行禁止とは書かれていなかったので、もしかしたら通れるのかもしれません。
まぁ、こればかりは行って見ないと分からないという感じです。
そんな具合で不確定な要素が多いので、どの地区に行くのかは全く決まっていませんが、多分ここから最寄となる南三陸か気仙沼か陸前高田か大船渡のどこかになると思います。
原付は土地勘があまり無いので、コースは従弟に任せているので、もしかしたら途中で引き返してくることになるかもしれません。
家に戻ると、おばさんが晩御飯の準備をしていました。
おじさんは親戚と近所に飲みに行っているらしいです。
食事を済ませてテレビを見ていると、突然「ガサガサッ!」という振動がきました。
「最近の余震はいきなりガタガタって来るから。」
震度で言えば1程度のなんと言うことのない揺れですが、直下型のような気持ちの悪い揺れです。。。
そして少し意外だったのが、テレビでちゃんと地震速報が表示されたことです。
東京にいると震度3以上の揺れが観測されないと速報が出ないのですが、こちらでは震度1の揺れでも速報が表示されます。
昔話に花を咲かせていると、おじさんたちが帰ってきました。
いい感じに酔っ払っていて、家で二次会を始めるようです。
原付は酒が飲めないのと、すでにテンションあげあげなおじさんたちに付いていけそうにもなかったので、そそくさと中座。
部屋に戻って、ネットで沿岸の道路情報などを収集。
ふと気が付くと、部屋の中の壁も一部でひび割れていたり、隙間が出来ていたりしていることに気が付きました。。。
写真を撮ってから再びネットのチェックをしているうちに時間は12時を回り、気が付いたら眠ってしまっていたようです。
寝ている間にも震度2か3位の余震が起こりましたが、一瞬目を覚ましてまたすぐに眠ってしまいました。