三河湾の島＆熊野・高野山　-　９（2011/08/14）

※熊野古道や本宮大社、十津川村周辺は、この旅行の後、９月に襲来した台風１２号によって甚大な被害が出てしまいました。
原付らが見てきた場所も浸水、土砂崩落などの被害に見舞われている場所があったようです。
今回の記事に記載したみどころは現在到達不能だったり営業出来ない状態になっているところもあるようですのでご注意ください。

—　古道に思いを馳せて　—

山道を炎天下の中歩くのはつらそうだったので、原付の旅行としてはかなり早い５時半に起床。
昨日のうちに買い込んでおいたパンをかじって朝食を済ませ、熊野古道巡り開始。

中辺路の熊野古道は、滝尻王子という神社から近露（ちかつゆ）王子、継桜（つぎざくら）王子を経由して熊野本宮大社へ至る道ですが、全部を歩き通すと１０時間以上かかるそうで、ガイドブックに出ていた、道の駅の前にある入り口から近露王子を経由して継桜王子の先で国道３１１号のバイパスに至るコースを歩いてみようと思います。

道向かいの看板が出ている場所から古道方面へ入ると、いきなりの登り道。
熊野古道は国道から見るとかなり上の方を通っていて、まずはそこまで登っていく事になります。

周囲は杉の木立に囲まれていて、日差しは柔らかく遮られているので、思ったよりは歩きやすそうです。
早朝だけに辺りに人気はほとんど無く、快適そのものです。

道が分岐しているところでは、古道ではないほうの分岐の見やすい位置に看板が出ているので迷うことなく進んでいけます。

雰囲気の良い山道の途中に「牛馬童子像」と書かれた案内が出ていたので見ていくことに。
道の途中にちょっとした塚のような小山が有って、ここに牛馬童子像があるらしいのですが。。。

なぜか原付たちは見つけることが出来ず。。。

というか、牛馬童子像がどんなものなのかを調べずに来てしまったので、もうちょっと奥まで見ていればちゃんと鎮座しているのに気づかなかったという、なんとも地味なミスをしでかしてしまったわけですが。。。

再び歩き始めると、程なく箸折（はしおり）峠を越えて道は下り坂になりました。

道は石畳に変わり、割と急な勾配で一気に高度を下げていきます。

集落の近くまで来ると、木立の隙間から麓の近露集落が見えてきました。

降りきると集落内の道に合流し、その少し先で日置（ひき）川という川を渡ってすぐに近露王子に到着。

「王子」とは、中辺路に点在する神社のことを指す名称だそうです。
現在は近野神社に合祀されたということで、ここはその跡地になります。

数段の階段を上がると、境内だったと思われる小さな広場があって、その隅の一画に大本教の出口王仁三郎（でぐち・おにざぶろう）が建立したという石碑があります。

昭和初期に大本教が宗教弾圧を受け、関連するものが徹底的に破壊されていく中、この碑については、当時の村長が機転を利かせて守ったものだそうで、現存する貴重な氏の筆跡ということです。

近露王子の隣には「箸折茶屋」があり、ガイドブックによると、ここの草もちがおすすめ、と出ていたのですが、到着が早すぎたせいかまだ開いておらず、トイレだけ拝借。

近露王子から程近いところに、戦前辺りで時間が止まっていそうなクラシカルな建物を見つけました。

集落を抜け、近野小学校に沿うように左に入ります。
そのまままっすぐ抜けていくと、少し先でまた未舗装の道へと矢印が出ていました。

木漏れ日がすがすがしく感じますが、太陽がだいぶ高くなってきたので少しでも日なたに出ると焼けるような日差しの洗礼を受け、途端に汗が吹き出てきます。。。

足に優しい土の道は残念ながら程なく終わってしまい、再び舗装された道に出てしまいます。

しかもその道がかなりの急勾配で。。。
あまり風情のない道が続き、すこしずつ気力が消耗していきます。。。

大汗をかきながらなんとか登りつめて少し行くと、比曽原（ひそはら）王子に到着。
ここも跡地なのですが、近露王子と比べてここは小さい石碑のみが残されています。

なので、道路上から挨拶だけ済ませて先に進んでいきます。

その少し先で道が二手に分かれますが、矢印は残念なことに登るほうの道を向いていました。。。