奥秩父名所めぐり - 1(2012/03/17)
カミさんとカミさんの元同僚(=原付の同僚でもあるわけですが)の子と、以前も一緒にお出かけしたYちゃんの三人が原付も含めた4人で久々にどこか行きたいと言う話で盛り上がったようで、お出かけの計画を立てる事になりました。
どこに出かけるかあれこれアイディアを出しているときに、アド街ック天国で「小鹿野(おがの)町」が紹介されていたのを見て、小鹿野を中心にして秩父や大滝辺りをドライブして回ることを思いつきました。
しかし、Yちゃんは埼玉に住んでいて、行き先が同じ埼玉県内では旅行気分にならないんじゃないかと思って聞いてみると、秩父は余り出かけたことが無いので大歓迎です、と返事が来て無事決定。
さらに、折角集まるのだからゆっくり話す時間も欲しいね、ということで、宿で一泊することにしました。
それで行き先も宿泊先も決まったのですが、出発の前日になって一人が急用で不参加となってしまい、結局うちら夫婦とYちゃんの3人で出かけることになりました。
しかも天気は土日共に曇りか雨という予報で、どうも幸先の悪い感じです。。。
— 久々の秩父へ —
ということで当日。
秩父方面へ向かうには、関越道の花園インターから荒川沿いに国道140号で向かう方法と、高麗(こま)川に沿って正丸(しょうまる)峠を抜ける国道299号で向かう方法があるのですが、関越道の高坂SAから花園インターの間は渋滞の名所なので、今回は299号で向かうことにしました。
そんな訳でYちゃんとの集合場所を坂戸駅に設定。
上述の通り、Yちゃんは二年前にも7年前の社員旅行の時には二人きりで観光して回ったりしていることから、割と気心が知れていると言うか、気軽に話せるので気楽です。
原付は坂戸市で育ち、Yちゃんも同じ東武東上線沿線在住なので、妙な地元意識があるせいかもしれません。。。w
前日の予報どおり天気は朝から雨模様。
自宅を出発するときからずっと降り続いて止む気配もなく、坂戸駅で集合した時点で一同のテンションはやや低目。
流石に山登りとかは無理そうな感じだけど、まぁ行けそうな所だけのんびりと回ってみるか、的な話をしながら車は正丸峠へ。
ところが正丸トンネルを過ぎて秩父盆地に入った辺りから雨が徐々に小降りになりました。
10時半頃に西武秩父駅に到着。
市役所の駐車場に車を置いて、まずは駅前の「西武秩父仲見世通り」へ。
仲見世通りは西武秩父の駅前から秩父鉄道の御花畑(おはなばたけ)駅へ向かう通路に沿って設けられたみやげ物店が並ぶ通りですが、通りというよりは西武秩父駅に併設された名店街と言った方がしっくりきます。
秩父の名産品や有名な土産物などの店が軒を連ねていて、ここで殆どの秩父土産が揃うようです。
土産物だけでなく、秩父が舞台となったアニメの聖地巡礼の人用に、 アニメ内に登場したシーンの実際のロケ地をポイントしたマップなどが展示されている店もありました。
ぶらぶらと買いたいものに目星を付けつつ、ひとまず買わずに御花畑駅方向へ。
秩父市内なら大概の場所から秩父のシンボルでもある特徴的なシルエットの「武甲(ぶこう)山」が見えます。
ピラミッドのようなシルエットが特徴的なこの山、もちろん自然の造形ではなく、ましてや世界最大最古のピラミッドな訳もありません。
山全体で石灰岩の採掘が行われていて、徐々に削られた果ての姿なのですが、まだ採掘が続いているので、今でも少しずつ形が変わっているそうです。
その姿は痛々しくも有りますが、秩父地区の繁栄の礎になっているせいか、地元の人は割と好意的に受け止めているような雰囲気です。
原付の故郷からも天気のいい日には武甲山を見ることができ、小学校の理科の先生が 「このまま掘り続けたらあと100年くらいで山がなくなっちゃうかもしれない。」と言っていたのを覚えています。
御花畑(ってずいぶんファンタスティックな名前だなぁ。。。)駅の裏手にちょっとしたお寺があったので立ち寄ってみることに。
山門に「慈眼(じげん)寺」 と書かれており、その名が示す通りこの寺は目にご利益があるそうです。
お参りを済ませて境内を散策すると、脇に宝物庫らしき建物があり、中を覗くと六角形をした構造物が収められていました。
「これ、回せるようになってるんじゃない?」
とカミさんが言い出して、Yちゃんと一緒に中に入ってぶら下がっている紐を引っ張って見ましたが、予想に反し、いくら気合を入れて引っ張ってもビクともしませんでした。
多分、マニ車的なものをイメージしたのだと思うのですが、 マニ車にしては大きすぎる気も。。。
ちなみに、帰ってから調べたところによると、建物の名前は「一切経蔵」といい、中の構造物は経庫と呼ばれるものだそうです。
我々は回すことが出来ませんでしたが、実はカミさんの予想通りこの経庫は回転するように作られていて、これを回す事によって経庫の中に納められたお経を読んだのと同じ功徳が積めるといわれているそうで、そういった意味ではまさにマニ車です。
— 秩父グルメ —
お参りを済ませたら11時半を過ぎていたので、少し早い昼食にすることにしました。
店はここへ来る途中、車中でYちゃんが提案してくれた「野さか」 という店です。
野さかは西武秩父駅のほうへ一旦戻り、140号線を大滝方向へ歩いていくと有ります。
駐車場には既に沢山の車が駐車していて混雑していそうな雰囲気でしたが、12時前に着いたせいか、まだ空席がありました。
この店は秩父名物の「豚みそ丼」を出す一連の店の本舗であるとのこと。
本舗を謳うだけあって、メニューは豚みそ丼のみという潔さ。
食券方式なので、自販機で食券を購入。
量は選べるようになっていて、ハーフから特盛までいくつかのボタンが並んでいるのですが、今日はこの後も食い道楽な旅になる予定なので、並にしておきました。
ちなみにカミさんはハーフを注文。
秩父の名物料理として知られる豚みそは、その名の通り豚肉を味噌漬けにしたもので、元々はイノシシの肉を保存する方法として秩父地方に古くから伝わる調理法なのだそうです。
肉は炭火で焼いているそうで、待ち時間は少し長め。
奥の厨房から食欲をそそるおいしそうな香りを漂わせてきていて、空腹を容赦なく刺激してきます。
暫くしてようやく自分達の分が運ばれてきました。
丼一杯に味噌漬けが並べられたその姿にいやがおうにも期待が高まります。
早速食べてみると炭の香ばしさを纏った脂が口の中に広がって期待を全く裏切らない味。
Yちゃんと目を見合って美味い美味いと喜びを分かち合っている横で、カミさんが微妙な顔をしています。
よく見るとカミさんが頼んだハーフには肉が二切れしか乗っておらず、丼のサイズを考えると仕方がないのかもしれませんが、量の差が値段と比例していないとがっかりしていました。
少し融通したりしつつ、何だかんだで3人ともあっという間に食べ終え、次の目的地へ出発。
その道すがら、一旦仲見世通りに戻ってさっき目をつけておいた小鹿野名物の「しゃくし菜」という漬物と「ちちぶ餅」 というお饅頭を入手。
秩父市役所の脇を通りがかった際に建物の周囲が柵で囲われているのが見えました。
そういえばさっき車を停めたときも、市役所の駐車場なのに妙に活気がないなぁ、とは思っていたのですが、その時はまぁ土曜日だしな、とあまり気に留めていませんでした。
改めて建物全体が柵で囲まれている様子を見て、東日本大震災で市役所の建物が被災して危険判定が出たために建物が使えなくなったという記事をどこかで見たのを思い出しました。