奥秩父名所めぐり - 5(2012/03/18)
— この空模様のごとく暗雲垂れこめ。。。 —
原付がまだ寝息を立てている間に二人は朝風呂を楽しんだとのこと。
それから程なく朝食の時間になり、1階の大広間にしつらえられた食堂に入ると、程なくして女将さんが料理を運んできました。
食事は朝食としてありがたいシンプルなメニューで、ご飯が進みました。
食事が済んで、カミさんたちが出発の準備をしている間、この宿の売りの一つの庭園を散策することに。
庭園は飛び石が敷き詰められて散策ができるようになっています。
が、冬場だったせいか、少し手入れが行き届いていない感じがありました。
部屋に戻ると時間は8時半の少し前。
カミさんたちは、手作り豆腐の「水むら」に行きたいと話していますが、WEBページに出ていた出来上がりの時間まで少し間があったので、先に両神にある「丸神の滝」を見に行くことにしました。
女将に声をかけ、チェックアウトの旨を伝えて、お会計を済ませて出発。
今日もあまり雲行きが優れませんが、雨はまだ降っていません。
丸神の滝は当初行く予定が無かったので、場所をちゃんと調べていなかったのですが、まぁ道に迷うことも無かろうと勘で進んでいくことに。
昨日味噌おでんを食べたJAの少し先の分岐を右折して進んでいくと、当初片側一車線あった道がだんだん1.5車線になり、やがて完全にすれ違いも困難な一車線になってしまいました。
奥へ奥へと進んでいくのですが、目的地の看板も無くなんだか不安が募ります。
それでも進んでいくと時折集落があったりして、こんな山奥で生活するのも大変そうだなぁと思いを馳せながら進んでいったのですが、このまま行くと道は突き当たりになってしまうので、たまたま庭先で作業をしていたおじいさんに聞いてみることにしました。
「すみませーん、丸神の滝に行きたいのですが。」
「まるかみのたき?うーん、なんだっけぇな。。。ああ、そりゃこの道じゃないよ。こっからみると山一つ向こうにもう一本道があっから、そこ行くとあるよ。」
う。。。まさかの道間違い。。。
「こっちは薄(すすき)っつうんだけんども、滝は小森のほうだから、こっからだと一度戻って、さっき曲がって来たところあんべ?そこを曲がんないでまっすぐ行って次の交差点で曲がっていくとあっから。」
おじいさんはネイティブな秩父弁でニコニコしながら詳しい道を教えてくれました。
お礼を言って少し先でUターンして来た道を戻ることにしたのですが、時計を見ると豆腐がぼちぼち出来上がる時間になりつつあったので、結局滝は行かずにそのまま豆腐屋に向かうことになりました。
小鹿野の国道に戻り、今度は途中で左に曲がってまっすぐ行くと、目的地周辺。
水むらは、「おがの化石館」や「ようばけ」と呼ばれる崖など見所が集まった場所の近くなので、化石館の駐車場に車を置かせてもらって歩いて行ってみる事にしたのですが。。。
駐車場から歩いて行くと水むらはすぐにみつかりました。
が、なんと定休日。。。
看板を見て落胆する二人。
一行に気づいたのか、主人が中から出てきて、
「折角来てもらったのにすみませんね。日曜は休みなんですよ。。。」
と申し訳なさそうに言っているのを聞いて、そういえば出発前にネットで調べた時も日曜休みって書いてあったなぁと思い出しました。
ここで売られているのが、手作りの豆乳、おから、寄せ豆腐、木綿豆腐なのですが、中でも豆乳はとても濃厚で豆乳というよりはプリンと言ったほうがしっくり来るほどの物なのだということで、女性陣は大いに期待していただけに、かなりがっかりした様子です。
もっとも、原付は豆乳が苦手なのでやや胸をなでおろしたのですがw
仕方なくお礼を言って、店を後に。
水むらから少し歩くと「ようばけ」の看板があり、河原へ降りる道が続いていました。
そこを降りると河原の対岸に大きな崖が地層もそのままにそびえていました。
武蔵野地方の古い方言では崖のことを「はけ」と呼びます。
ようばけ、という名前は、夕日に綺麗に映えることから「(夕)陽のあたる崖」という意味なんだそうです。
法性寺の辺りもそうでしたが、この辺りもかつて浅い海の底にあった場所とされていて、泥や砂が積もった地層になっているのですが、土地の隆起と海岸線の後退で辺りが陸地となった後に、川の流れで削られて今の姿になっているそうです。
こうしてみると、豆腐にありつけず肩を落とす二人と比較してこの崖の高さが比較できると思います。
上述の通り、この辺りはかつて海辺であったことから、サメなどの化石などが多数出る場所として知られているのですが、特に1300万年前ごろまで生息していたと言われる「パレオパラドキシア」 という化学物質のような名前の哺乳類の化石が出土したことで有名です。
その化石を展示しているのが、先ほど車を置いてきた「おがの化石館」です。
折角なのでそこも覗いていこうと思ってようばけを後に、化石館へ向かったところ、こっちはこっちでなんと内装工事中。。。
なんだかツイていない。。。
ちなみに上の写真にあるカバを一回り小さくしたような出っ歯のファニーフェイスがパレオパラドキシアのイメージだそうです。
さらにちなみに、秩父鉄道を走るSLの名前は「パレオエクスプレス」 というのですが、その名前もこの生き物の名前が由来となっています。
「パレオエクスプレス」という名前はなんだか力強そうなイメージがありますが、実際はこんなひょうきんな生き物が由来だと知っている人はどのくらい居るんでしょうね。
ま、その辺も何につけても今ひとつ垢抜けない埼玉県らしくて好ましいのですがw
— 小鹿野銘菓 —
それはさておき、昨日「小鹿野こいし」というお菓子を買いそびれていたことを思い出し、一旦町内に引き返して「八宮松雪堂」へ。
このお菓子もアド街やおじゃマップで紹介されたものだそうです。
そんな訳で、無事小鹿野こいしをGetしましたが、これは家に帰ってから食べる事に。
ちなみに原付の家ではバラを4枚購入したのですが、一枚はそのまま食べる用で、もう一枚はトースターなどで軽く暖めるとまた格別の美味しさというので、暖めて食べる用です。
このお菓子は山芋を練りこんだ生地でマーガリンを挟んだ物なのですが、山芋のふんわりとした食感が生地にマッチしていて、中のマーガリンの程よい塩気がアクセントになって、評判になる理由が分かります。
暖めた方はマーガリンがわずかに溶け出す位で食べるのが美味いそうで、実際そのまま食べるよりもマーガリンの脂っぽさが気にならなくなって確かに美味かったです。
ちなみにほのかな甘さと塩気って、どこかで食べたことあるなぁ。。。と思ったらそれはホットケーキでした。
軽く歯ごたえのあるホットケーキといえばなんとなくイメージが伝わるでしょうか。
店に小鹿野の観光マップがあったので一枚貰って見てみたら、農産品直売所と書かれている場所があってカミさんの興味アンテナが立ちました。
それで地図に従って行って見ると、そこは農産物直売所という雰囲気を微塵も感じさせない、というかどう見てもそば屋にしか見えず、本当にここなのかと戸惑ったのですが、地図的には間違いない様子。。。
そのそば屋もまだ開店前のようで、そのまま立ち去ろうと思ったら、建物脇のトイレが開放されていたのでトイレ休憩を取っていたら、中からおばさんが出てきたので農産物直売所のことを聞いてみたところ、ここの直売所はもうやめてしまったとのこと。
街のほうに直売所があるらしいのですが、またそこまで逆戻りになるのも面倒だったし、カミさんの興味アンテナもすっかり萎んでしまったようなので、そちらは行かずに先へ進む事にしました。
ということでなんとなく消化不良感のある小鹿野散策でしたが、先に進みます。
小鹿野を離れて山の反対側、旧大滝村方面へ。