奥秩父名所めぐり - 6(2012/03/18)
— 美味しいんだけれども。。。 —
仲見世通りで買ったちちぶ餅、昨日宿で食後のデザートにするつもりでいたのですが、結局食べそびれたので、車中でパク付きながら走りました。
餅のキメがとても細かくて、大福のような食感です。
あんこがたっぷり入っていて、思いのほか満足できました。
小鹿野から南へ向かう県道を進むと、昨日今日で何度も通り過ぎた両神農協のある両神地区を抜け、旧荒川村の秩父鉄道三峰口駅の辺りに出ます。
時計を見ると11時過ぎを指していたので、大滝の観光地を巡る前に腹ごしらえを済ませることにしました。
Yちゃんが旅行前に調べてくれたそば屋「和味(なごみ)」。
一日49食限定というこだわりの主人が営む店だそうです。
49食と中途半端になっているのは、50食作って主人が必ず1食分味見をするからなのだそうですが、それで納得いかなかった時はお店を開けないのかな、とか、作り直さないとしたらそもそも味見する必要無いよな、とか、そういう禅問答の如き藪にらみはともかく、何せ評判の店なので、お昼時なんか行ったら売り切れ必至だろうと思って少し早めに入店することにしたわけです。
武州日野駅の脇の道を少し行くと店に到着。
店までの道は要所要所に看板が出ているので迷うことはありません。
駐車場は広めに取られているのですが、既に結構な台数が止まっていて、こりゃアウトか?と思いつつ暖簾をくぐると、
「そば処です 香水の強いお客様はお断り致します」
いきなり強気の張り紙に出迎えられ、思わぬカウンターパンチを浴びせられます。
ま、もっとも今日のウチらは全く心配ありません。
引き戸を開けると、いらっしゃい!と威勢のよい主人の声が聞こえてきました。
幸いまだ売り切れではなく、席も待つことなく通されました。
入り口をくぐる時に「関東寒ざらし 本日まで」という張り紙が目に付いて、二人にそれを教えるとカミさんが興味を持ったようです。
Yちゃんは天せいろそばを、カミさんはせいろそばを関東寒ざらしで、原付はおこわがついているという昼膳をそれぞれ注文。
10分ほどで運ばれてきました。
そばは珍しいかなり細打ちのもので、つゆをつけずに一口口に運ぶと口の中にそばの強い香りが広がりました。
しかし、おこわ、って炊き込みご飯みたいなものではなかったか?
カミさんの頼んだ件の関東寒ざらし、とは、そばの実を10日ほど沢の水にさらしたものだそうで、アクの抜けた甘みが特徴、とメニューの解説に書かれていました。
一口分けてもらうと、確かに一口食べてすぐ分かるほど風味も甘みも異なるまるで別物のそばのようでした。
ただ、カミさんとしてはむしろそばの風味を期待していたようで、若干期待はずれという感想でした。
言われてみれば普通のそばよりもややそっけない印象がないでもありません。
ま、好みの問題だと思いますが。。。
主人は色々な客に気さくに話しかけていて、好印象です。
見た目はそれほど量がないようにも見えますが、食べ終えてみると結構満足です。
お勘定を済ませて店を出ると、入れ違いに3人組の若い女性が入っていきましたが、すれ違った時の香水の香りの強さに思わず3人で目を見合ってしまいました。
「あの子たち入店拒否されるんじゃない?」
車に戻って車を出すまでの間少し様子を見ていましたが、出てくる気配は無かったので、どうやらセーフだった模様・・・ってどのレベルならNGなんだろう?
そばは折り紙つきで美味しかったのですが、ややあざとい印象というか商売っけというかそういったものが感じられたのが少し残念なところ。
原付的には素朴な雰囲気の方が好ましいと思うので。
まぁ、好みの問題ですが。
— やっと再会 —
さて、腹ごしらえも済んで、観光の続き。。。の前に原付的には秩父まで来たからにはぜひ立ち寄りたい場所がありました。
さっき素通りした三峰口駅です。
ここには秩父鉄道をかつて走っていた車両が保存展示されている鉄道公園があるのですが、二人は全く興味がないので車の中で待ってるとのこと。
そんなこんなで三峰口駅前に到着して思いがけず駐車場に困ってしまいました。。。
駅前には一時置き出来るスペースがなく、駅のすぐ脇の駐車場は一日500円と看板に書かれています。
ほんの一時停めるのにそれはちょっと高すぎます。
それで他に停めて置ける場所がないか探していると、駅前の土産物屋の店員が「こちらへどうぞ」と手招きしてきます。
それとて停めてしまえばお土産を買わない訳にはいかない、という意味で有料のようなものでなんとなく勿体無い気が。。。
どのみち二人は車中でお留守番しているのだからと、少し広くなっているところの路肩に車を停めて急ぎ足で見てくることに。
まずはホーム脇に止まっていた6000系。
これは前にも撮影したのでまぁよいのですが。
ホームに止まっているのが秩父鉄道の最新鋭、元東急8090系の7500系です。
ラインカラーが緑になって、もともとの赤い帯よりもこちらの方がさわやかな雰囲気です。
別の留置線に止まっていたのが、旧国鉄101系の生き残りの1000系。
以前の秩父鉄道カラーにリバイバルされていました。
確かに原付が小学生の頃、500系とか800系とかを期待して秩父鉄道に乗りにいくと、 やってくるのは大概これで、がっかりした思い出のつまった電車です。
もっともあの頃はまだ都内のいたるところで103系が走り回っていたので、似たような車両と言う意味で珍しくもなんともなかったという事情もあるのですが。。。
ところで、ここへ来た目的は言うまでもなく、秩父鉄道の自社オリジナル車両である100系の撮影ですが、ホーム越しに止まっているのは見えるのですが、どうやってそこまで行ってよいか分からなかったので、駅員に聞いてみると、さっきの駐車場を抜けて留置線をぐるっと回らなければならないと言われました。
お礼を言っててくてく駐車場を抜けていく最中にとうとう雨が本降りになり始めました。
車まで傘を取りに戻っていると時間がかかるので、フードをかぶって足早に歩いてようやく線路の反対側へ。
そこからまた延々線路沿いを歩いていくのですが、ちょうどその時ホームに7500系が入線してきました。
製造時期の違いか上の車両とヘッドライトの位置が微妙に違うのが分かります。
それはさておき、やっと100系のある場所までたどり着きました。
これが秩父鉄道100系です。
こちらの車両はクハニ20形と呼ばれる車両で荷物室がついています。
反対側はデハ100形です。
この車両は遠い昔に熊谷駅で撮った800系の背後に留置されているのが偶然映りこんでいる写真が原付が唯一持っているものなのですが、当時はとかく古い電車に興味が無かったので、今思えば、ちゃんと主役に構えて映しておけば良かったなぁ、とぼろぼろの姿で留置されている車両を前にしてしみじみ思うわけです。
しんみりとした気持ちに水を差すかのように雨は強さを増してカメラが濡れてしまうので、慌てて退散。
戻ってくる予定を少しオーバーしたので、二人は少し待ちくたびれたような顔をしていました。