奥秩父名所めぐり - 9(2012/03/18)
— 最後の最後で。。。 —
橋立鍾乳洞は秩父札所28番の橋立堂の敷地内にあり、お遍路さんが胎内めぐりをするための場所として開かれた洞窟だそうです。
滝沢ダムを出てから40分ほどで橋立鍾乳洞への入り口に到着。
そこから細い道を進んでいく途中、自転車で行軍をしている若者を抜かしました。
「こんな所まで、自転車で登ってくるなんて立派だなぁ。」
原付も学生の頃はチャリダーの端くれとして、長距離走るのは割と自信があったので、地図を眺めてはまだ見ぬ秩父の山奥はどうなっているのか、一度見に行ってみたいと思いを馳せたものです。
当時は身の回りに本格的なチャリダーもいなかったので、何しろ情報が少なくて、ろくに計画も立てられず、いっそ特攻隊長ばりに出かけてしまおうか、位に考えていました。
まぁ、なんだかんだで結局行かなかったのですが、今思えばママチャリでこんな所まで登ってくるなんて無謀としか言いようがなく、やらないでおいてよかったと心底思っています。
鍾乳洞の脇にある駐車場に車を置いて、受付のところまで歩いてくると、さっき原付たちが抜かした若者たちが先に到着していてどうも近道してきたようなのですが、なんだか様子が変です。
「え?マジっすか?まだ3分しか過ぎてねーじゃん!!」
何事かと思いながら、少し先を歩いていたカミさんに追いついて話を聞くと、ここの受付時間が16時40分までで、今の時間が16時43分だというのに、受付の人に拒まれたらしいのです。
え?16時40分。。。
ここに来る途中、道が良く分からなくて一ヶ所遠回りをしてしまったのですが、それがなければギリギリで間に合ったのかと思うと、膝の力が抜ける思いでした。。。
うちらも、というか主に原付も「そりゃないよ」と思いましたが、自転車で大層苦労してやってきた彼らのショックはいかばかりかと思うと、何ともやるせない気持ちになりました。
何と言おうが展望が開ける雰囲気もなく、やむなくお堂でお参りだけを済ませて、とぼとぼと橋立堂を後に。
昨日、雨の予報が出ていたにも拘らず、般若山に登れるラッキーがあったせいか、その分今日はやることなすこと裏目に出てしてばかりです。。。
— OFR48? —
そんな訳で何とも後味の悪い旅の幕切れで、非常に歯がゆい思いをするハメになりましたが、せめて最後に美味しい晩御飯と温泉に入浴でもして気持ちを慰めようか、と提案したら、Yちゃんは残念ながら時間切れとのこと。
帰りの車中でYちゃんにこの辺でおすすめの温泉を聞いてみたら、この辺ではないけど、ときがわ町(旧玉川村)にある 「玉川温泉」が温泉ソムリエにも選ばれるくらい良いお湯らしい、と教えてくれました。
玉川村といえば、原付の出身地である坂戸市の二つとなりの町で何度か足を運んだことのある場所ですが、温泉があったかどうかは記憶がありません。
でも地元に温泉が沸いているなら面白そうなので、Yちゃんを送り届けてから一路玉川温泉へ。
日は完全に暮れてしまいましたが、19時少し前に目的に到着。
ここの名前は「湯郷玉川」 というのですが、驚いたのはその料金体系。
通常の時間帯は入浴料が800円なのですが、19時を過ぎると600円に値下げされるのです。
19時過ぎといえば普通にお風呂に入る時間、それこそ一番混み合いそうな時間なのに珍しい料金設定です。
車で風呂道具の準備をしたりして少し時間つぶししてから行って見ました。
建物の中は少し古臭い、妙にごちゃごちゃとした空間で、入浴客や風呂から上がって食堂でビールを飲んでいる人なんかで結構混み合っていました。
カミさんと集合場所を決めようと思いながら建物をウロウロして、2階に広間を見つけたので、ここで待ち合わせよう、とカミさんに伝えて、何気なく広間の隅に設けられたステージを見ると、
「OFR48」
と書かれたピンク色ののぼりが立っていました。
それを見て、少し前にテレビに出ていたのを思い出しました。
なんだか分からない人は上のリンクをご参照ください。
彼女らはどうやらここに常駐している訳ではなく、あちこち回っているようです。
そんな訳で軽く驚かされましたが、とりあえずカミさんと別れて風呂場へ向かいました。
お湯は色々なページに書かれているとおり、この辺りでは一般的なアルカリ泉。
湯船に入ると、早速体がヌルヌルとした感触になります。
入浴していると、隣にいたおじいさんが、別のおじいさんに向かって、
「ここは毎時30分になると新しい温泉を足すから。」
と話しているのが聞こえました。
自宅に戻ってからネットで調べたところ、お湯の湧出量が少ないため、毎時30分に温泉を追加して、それまでは循環でやっているらしいです。
まもなく30分になりそうだったので、そのまま待っていると、お湯の吐き出し口の周りに何人かの人が集まって、体にお湯をかけ始めました。
その輪の中に混ざる度胸が無かったので、原付は少し離れたところで静かに入って、それから少しして上がりました。
ちなみにYちゃんが言っていた温泉ソムリエの話、これも調べてみたら確かに名前は挙がっていましたがその順位は100位以下。。。
もしかしたら秋田の方の玉川温泉と勘違いしたのかな?
それでも、体も十分温まったし、保湿効果が高いのかいつも風呂上りに塗っている保湿クリームも要らないくらいで、さほど期待していなかっただけに結構満足できました。
それから2階の広間に上がると、おじさんたちがマイク片手にステージで熱唱中でした。
カミさんはまだ居なかったので、広間の隅のほうに陣取り足を投げ出して、おじさんの熱唱をに耳を傾けつつリラックスしていると、暫くしてカミさんも上がって来ました。
ちなみに、カミさんもあるおばさんが温泉が足されると話をしているのを聞いて、様子を見ていたら、お湯が出始めた途端に、まるでバーゲンセール群がるそれの如くぞろぞろ集まって、先を争ってお湯を頭にかけたり顔を洗ったりしているのを見たそうです。
原付と違って、カミさんはその輪にしっかり加わったそうですがw
— 3割うまい —
さて、晩御飯、ですが、埼玉で餃子といえば?と耳を向ければ、多分10人中8人は「まんしゅ~!」 と答えるであろう地元の名店「ぎょうざの満洲」へ行こうと思います。
原付の地元である坂戸に本社工場を構える満洲ですが、玉川温泉からは鳩山を抜けるとすぐ。
数年前に開発された入西(にっさい)地区の工業団地の中に工場があって、併設された店舗で食事が出来ます。
しかし、この辺の地名は区画整理で「にっさい花みず木」という何ともコメントのしづらい地名に変わったのですが、上にも書いたとおり、入西と書いて「にっさい」 と読むのはちょっと難読なのでひらがなになったのは分かります。
でも、「みず」は漢字で書いても「水」、なぜそこだけひらがなにする必要があったのか、そのセンスが理解出来ません。。。
ま、中学校時代の同級生が暮らす街なので、余りけなすのはやめておきますがw
それはさておき、ここの餃子は割とオーソドックスな餃子で、かの有名な王将の餃子よりも個人的には好みの味です。
いつもは「W餃子定食」を頼むのですが、今回はカミさんがそれを頼むと言うので、原付は「やみつき丼」 を頼んでみました。
餃子を店の名前に冠すだけあって、全てのメニューが餃子セットに出来るのですが、餃子だけをおかずに食べる餃子定食は、余り聞かないタイプの定食な気がします。
暫くして料理が運ばれてきました。
これがやみつき丼のセット。
やみつき丼は、とろみの付いたうま煮に少しマーボーのようなピリッとした辛味が特徴的な、名前の通り食の進む味でした。
で、こっちがW餃子定食。
餃子一枚が6個なので、Wで12個、満足いくまで餃子を楽しめます。
いつもは一枚の大皿で12個乗っているのですが、今日は諸事情で二つに分かれたとのこと。
餃子を酢だけを付けて食べる、という食べ方を数年前に知り合いから教えてもらって以来、原付はこの食べ方にハマっています。
肉の脂っこさを打ち消してさっぱりと食べられるのでオススメです。
ところで、この店のキャッチフレーズは「3割うまい」というものですが、これまた聞けば聞くほど、理解に苦しむフレーズですw
「3割"増しで"うまい」なら分かります。
あるいはかなり控えめに「3割"ほど"うまい」というのも、卑屈な感じですが、まぁ分かります。
そもそも3割というと30%なるので、ニュアンスとしてはマイナスの意味を持っていると思うのですが、次につづく「うまい」 という単語がお互いのニュアンスを打ち消してしまっています。
しかし、ノドに小骨が刺さったような何ともすっきりとしない言い回しが却って頭に残り、案外キャッチフレーズとしては成功しているかも知れません。。。
それはともかく、閉店時間30分前に店に入ったせいか、先客は一人去り二人去り、で、最終的に店内には原付夫婦だけとなってしました。
これ、なんだか居残り給食みたいで焦りますね。。。
それから程なく完食して、店を出ました。
まぁ、最後に風呂も食事も満足できたので、ヨシとしますかw
(おわり)