— 雨の木造再建城 —
7時前位に窓を叩く雨音で目が覚めました。
昨日はあんなに良い天気だったのに、今日になってここまで崩れるとは思いませんでした。。。
今日がカミさんの楽しみにしていた郡上八幡観光だと言うのに、この雨模様でカミさんの表情もどんよりと曇っています。
雨の様子を見ながら朝食を済ませて、郡上八幡の市街に向かいました。
郡上八幡といえば豊富な湧き水が街の中に張り巡らされた水路を流れている様子や、夏場に橋からダイブする子供たちの姿が連想されますが、具体的な場所とのリンクが出来ておらず、現地で調べようとノーアイディアで来てしまいました。
ここまで来る途中、時折城の天守閣が見え隠れしていて、郡上八幡にも城があるんだな、と思い、まず先に城を見てみようと思いました。
ナビの案内に従って郡上市役所まで来たのですが、改めて地図を確認するとここから城までは思ったよりも離れているようで、この雨の中を歩いていくのは億劫だな、と思っていたら近くにあった地図の看板に城山の麓にも駐車場があるとのことなので、まずはそこまで行ってみることにしました。
道の細い市街を抜け、川の反対側へ渡って少しと、城への入り口が見えてきました。
入り口に差し掛かると、ここにも徳山ダムの時のように交通整理の人がいて、右折しろ、と合図を出してきました。
城へ行くのにまたバスに乗らされるのかと思ったのですが、「城に行きたいのですが?」と聞くと、「こちらからどうぞ」との返答。
指示に従って右折し、駐車場はどこかな~、と鼻歌交じりで進んでいくと、道はいきなりすれ違いもままならないほどの狭くて急な登り道に豹変しました。
ここで対向車が降りてきたら地獄だな、と不安を感じていると、次の瞬間切り返すのも一苦労なヘアピンカーブにでくわしました。。。
一度で曲がれず一旦切り返してどうにかやり過ごすと、すぐにまたヘアピンカーブ。
うっかりすると崖下に転落しかねない勢いです。
なんだこの道。。。
だから一方通行を徹底するために係員を置いているのか。
狭くて急なヘアピンを何度かやり過ごして一気に高度を稼ぐと、ようやく平坦な場所に到着。
すぐに駐車場があったので、車を入れました。
駐車場は10台ちょっとぐらいしかなく、麓の交通整理はその辺のコントロールも一緒にやっているのかも知れません。
それはさておき、車を置いて階段を登っていくと、程なく城門があり、そこをくぐると天守閣への入口となっているのですが、天守閣への入場は有料のようです。
見るほどでもないと思ったらここで折り返すつもりだったのですが、どうも雰囲気的にここで折り返すのは憚られる感じだったので、思い切っててっぺんまで登ってみることにしました。
入場料は300円。郡上八幡博覧館にも入れる共通券だと600円と書かれています。
郡上八幡博覧館は良く分からないのですが、まぁ博物館とか見てもつまらない気がしたので、城の入場券だけを購入。
天守閣は比較的小ぢんまりとした、静かな山城といった佇まいで、建物の内部は4層構造になっていて、城の歴史やかつての農具、街の歴史などが展示されていました。
もともとここに建っていた城は明治維新後に取り壊されたそうで、現在建っているものは再建、といってもかつてここにあった城ではなく、なんと無関係な大垣城を参考にして再建された城なんだそうです。
珍しいのは木造で組み上げられていることで、床も木の板になっているせいで、歩くと古い木造校舎みたいにギシギシと音を立ててノスタルジーをかき立てます。
再建されたというとありがたみが薄く感じられますが、この城が再建されたのは昭和8年とのことで、既に80年選手。
充分に歴史的建造物といって差し支えないような気がします。
ただし、「日本最古の木造再建城」 というキャッチフレーズは、 ちょっとストライクゾーンが狭すぎる気が。。。w
ところどころの展示用のガラスケースの中に雛人形が飾られているのですが、なにやらただならぬ様子、というか何処にも 「♪ふーたりならんですましがおー」というかの歌に歌われた要素が見当たらない躍動感あふれるアグレッシブなお雛様が展示されていて、思わず目を奪われてしまいました。
なんと観客を前にフライングVを抱えてライブをしているモヒカン頭の雛人形です。
ブログ的にネタになるかな、と思って写真を撮っておいたのですが、これがこの後のドタバタの伏線になるとは。。。
それはさておき、昔ながらのかなり急な勾配の階段を最上段まで登り切ると、そこから見える四方の景色は、片方からは郡上八幡の町並みが、もう片方からは延々と続く山々が見渡せます。
雨雲が立ち込めているので、遠くの方の景色は一切見えませんが、それでも水墨画のように煙った風景はなかなか趣があっていいものでした。
10分くらい山頂からの眺めを楽しんでから城を降りて、今度は市街地を散策するべく、街の中心部にある駐車場へ移動することに。