— 織田ノボッタ —
なんだか今ひとつ締りの悪い郡上八幡観光が終わり、ぼちぼち旅の終盤戦ですが、今から帰りのコースに入っても途中で渋滞に巻き込まれるのが関の山なので、今回は覚悟を決めて夜中着を目標に帰宅することにしています。
ということで最後にもう一箇所、日本を代表する温泉地の一つで、名前がアレなことで有名な下呂温泉に行って一風呂浴びて今回の旅を締めくくりたいと思います。
郡上八幡から下呂温泉は位置的にはちょうど真東になるのですが、直線的に向かう道は無く、国道256号というシステム屋的に実にキリの良い番号の国道で一旦飛騨金山方面へ出てから北上する形になります。
その256号、今回は時間の関係で一気に通り抜けたのですが、沿線には「大滝鍾乳洞」、 「美山鍾乳洞」、 「郡上鍾乳洞」 と比較的規模の大きな鍾乳洞が3箇所も存在しています。
洞窟好きの原付としては出来れば行ってみたいところでしたが、余り事前情報を仕入れていなかったのと、3つとも見て回ったら時間が足りなくなりそうだったのとで、今回はパス。
また来る事があったら是非とも立ち寄りたいものです。
郡上八幡の散策で疲れたのかカミさんは助手席で熟睡中。。。
原付も軽い眠気を感じつつ車を走らせていくと、旧和良町の辺りで川の両岸に鯉のぼりを渡してある場所を見つけました。
眠気覚ましを兼ねて車から降りて少し撮影してみました。
ちょっとした路肩の休憩所のような施設ですが、「梨の木公園」という名前が付いていました。
うーん、背景が曇りだとイマイチパッとしない感じですが、軽く体が動かせたので眠気もスッキリ。
それから30分ほどで飛騨金山に到着して、そこからは国道41号を北上、更に30分ほどで下呂市街に入りました。
目的地は、下呂温泉に3箇所ある共同浴場のうちの一つ、「白鷺の湯」。
理由は300円という料金の安さと、無料の駐車場有りというアクセスのよさが決め手だったのですが、いざナビの案内で目的地に到着すると、どうも想像していたのと様子が違います。
和風の古びた建物があってその敷地に小ぢんまりと駐車場があるようなイメージでいたのですが、ナビが指示した場所に建っていたのはこざっぱりとした洋館風の建物。
しかも周囲に建物が建っていて駐車場も見当たりません。。。
違う建物を見ているのかな?と再度地図を確認しても、やっぱりここで合っている様子。
無料駐車場のくだりはガイドブックの記載ミスっぽい気がしたのですが、それ以前にどれが白鷺の湯かもはっきりしないので、これは歩いて探し回る必要がありそうだと、近隣の有料駐車場に車を突っ込んだら、
「白鷺の湯ご利用の方、一時間無料です。」
と書かれていました。
そういうことか!と合点がいき、一安心。
白鷺の湯は上にも書きましたが、ご覧のとおりやや浮かれた感じの洋館風の建築になっています。
建物の前には「ヴィーナスの足湯」と名づけられた無料の足湯が設けられているのですが、足湯の中心にその名の通りヴィーナスの像が建てられていて、この辺に浮かれた感じを感じてしまったのかもしれません。
言うまでも無く、下呂温泉は日本三名泉の一つに数えられる非常に有名な温泉です。
三名泉と謳ったのは江戸時代の林羅山という人だそうですが、ちなみに他の二つは有馬温泉と草津温泉とのこと。
確かに他の二つも負けず劣らず超有名な温泉ですね。
建物は浮かれているのですが、建物の入口脇に「日本三名泉発祥之地」と書かれた碑が建てられていて、その言葉の意味するところは良く分からないのですが、やはり、この温泉が元湯のようです。
ということで早速中に入ろ番台のおばさんに二人分の入浴券を渡すと、「お風呂は2Fになりますので、階段を上がってください。」 といわれたので、言いなりに2Fへ。
2Fにはちょっとした休憩所と浴室への入り口があって、カミさんと集合時間の打ち合わせをしてそれぞれの浴室へ。
男湯の暖簾をくぐると、近頃では珍しい、駅に有るようなコインロッカーが置かれた脱衣所があります。
その奥には普通のロッカーもあるのですが、コインロッカーも無料との事。
で、服を脱いで、タオルを片手に浴室の入り口が・・・あれ!?
脱衣所から見えるところにある筈の風呂場が無くなんとなく違和感を感じて一瞬戸惑いましたが、自分の背後、コインロッカーの向かいに引き戸があり、「浴室入口」の表示がありました。
が、その引き戸の先にも風呂はなく更に戸惑うのですが、実はここの浴室は引き戸の先に続く階段を降りた場所にあります。
つまり、受付と浴室は1Fにあるのに脱衣所が2Fにあるという構造なので、脱衣のために一旦2Fに上がらなければならない不思議な構造なのです。
階段を降りて浴室に入ると、洗い場と湯船が一つのシンプルな構成。
先客は一人のみでのんびり出来そうです。
折角なので、一旦戻って携帯で撮った写真が上の写真です。
奥に見える木の扉には「この扉は障害者が利用する扉です」と貼り紙がされており、階段の上り下りが難儀な人向けに1Fにも小規模な脱衣場を用意しているようです。
お湯は熱くもぬるくも無く、原付的にちょうど良い湯加減で、お湯からはかすかに硫黄臭が感じられました。
窓の外からは飛騨川の川原と山並みが見えて眺めは良く、料金を考えれば充分快適です。
入浴しているうちに雨も上がり、日が差し始めました。
戻ってきてから調べたのですが、ここのお湯は半循環式だそうで、元湯というポジションを考えるとちょっと意外な感じです。
まぁ、気持ちよく入浴できたので、その辺は余り気になりませんでしたが。
上がって休憩所で暫く休んでいるとカミさんも上がって来ました。
受付で駐車場の無料処理をやってもらって建物の外に出ると、少し前までぐずついていた天気がようやく回復し、晴れ間が広がっていたので、車に荷物を置いて少し散歩することにしました。
白鷺の湯の前の道を降りていくとやがて川にぶつかります。
川の両側に道が通り、右に曲がるとまもなく飛騨川にかかる「いで湯大橋」になります。
いで湯大橋を渡ってまずは下呂駅まで行って観光情報を入手する事にしました。
橋を渡って直進すると線路をくぐるガードがあって、その反対側に駅舎と改札口があります。
ガードの床には電飾がグラデーションするイルミネーションがタイルに埋め込まれていて、キラキラと青白い光を放っていました。
下呂駅の駅舎は上でも述べたように温泉街に背を向けるように山側を向いた方にあります。
何でわざわざこちら側に改札を作ったのか不思議です。
列車のダイヤを見てみると、次の列車まで少し間があるようだったので、写真は撮らず記念に入場券を購入するだけにしました。
駅前の観光案内所で、係の女性にこの辺でお散歩するのにおすすめの場所がないか聞いてみました。
すると、パンフレットを広げて、
「やはり、基本的には温泉街を散歩していただく形になるのですが、この辺りに温泉博物館があって、あとは足湯とかがあちこちにあるのでそれに入るとか。。。」
係の人は原付が列車から降りてきた人だと勘違いしたようです。
ま、もっとも温泉から来たことを伝えていないこっちが悪いのですが。。。
ということで、その辺を伝えると、
「それでしたら、少し山を登ったところに『下呂温泉合掌村』があります。ここは入場しなくても通りから見えますので、写真を撮られる方が多いですね。それから、そのまま真っ直ぐ行くと『ふるさと歴史記念館』という遺跡とかがある場所が有って、そこから 『縄文橋』っていう歩行者専用の橋がかかっているのですが、これがこの辺で一番高い橋なので街全体が眺められて楽しいですよ。」
というアドバイスを貰いました。
その縄文橋にカミさんが興味を示して行ってみたいというので、本日最後の観光として行ってみることにしました。