ということで、集落の小路を湾口の方向へ歩いた突き当りにある鵜飼商店にやってきた。
ここのコロッケが注文してから揚げるので、とても美味いと評判だったので食後にもかかわらずやってきたのだ。
看板に書かれた電話番号の市内局番は一桁。全国でもだいぶ珍しくなったが、伊豆諸島は今でも市外局番が5桁なのだ。
伊豆諸島に住む人たちは近所や他の島に電話する時に数字を5桁だけ覚えれば良いので楽チン・・・って今はみんな携帯電話だから関係ないかw
小学校の頃、図書室にあった東京の島々という写真集のような本の巻末に各島の公共施設などの電話番号が掲載されていて、それには当時小笠原はまだ交換手呼び出しの電話だと書かれていて、それは一体どんな風に繋がるんだろうかと、用事も無いのにかけてみたいという衝動に駆られたことを思い出した。。。って、なんつう小学生だw
それはさておき、店内は食材や日用雑貨などが小ぢんまりと置かれ、昔ながらの集落の商店といった雰囲気。奥の一画に肉のショーケースが置かれ、注文するとその向こうの厨房から油のはぜる音が聞こえてきた。
揚げたてサクサクのコロッケ。お値段60円とリーズナブル。
そしてジューシーなメンチカツ、こちらは90円。店の前で手を油だらけにしながらほおばったら、噂通りのほくほくジューシーでこりゃたまらんw
そういえば、さっき集落の道を歩いていたときに「港鮨」という寿司屋を見かけ、ここも雰囲気があってよさそうな店だな、と思いつつ素通りしたのだが、家に戻ってから調べてみたら、べっこう寿司がお奨めされていたのはこの店だったことが判明。。。
そういえば、記事に鵜飼商店のすぐ近くと書いてあったっけ。。。
げんつきはしたしらべがだいじというきょうくんをえた
今度来ることがあったらぜひとも行ってみよう。
さて、ここまででようやく島を半周したところだが、時間は既に2時を回っている。この先にもまだあれこれ見たい所があるのに、このままでは見切れないうちに日が暮れてしまそうなので、ぼちぼち次に進むことにしよう。
鵜飼商店の裏の階段も段数の多くてゲンナリしてくる。。。
カミさんの腰の辺りを下からアシストするように持ち上げてあげたら、体かるーい!と大はしゃぎ。
それはいいのだが、ずっとやっていると自分がへばる訳で、途中で億劫になってアシストを止めたら、二倍重くなった!!と逆切れされた。。。
ひどくね・・・?
どうにか登りきったら、旧甚の丸邸の前で再びニャーに遭遇。
これがやたらと甘えん坊で、体を足に摺り寄せてくるので、コロッケの紙袋を差し出してみたら、思いのほか食いつきが良くて思わず見とれてしまった。
あ、時間無いんだった。。。
と言うことで、また適当にあしらって出発。
車に戻る道すがら雰囲気のある洒落た喫茶店がある。
来るときに見かけて気になっていた店だ。
名前は「島京梵天(とうきょうぼんてん)」といい、気楽に和めそうな雰囲気の店だが、お茶するにはちょっと時間が足りない、というかお茶をするならのんびりできる時にやりたい。
軒先でたい焼きを売っていたので、雰囲気だけでもと思って一つ持ち帰りで買ってみることに。カミさんを店に残して自分は先に車に戻っていたのだが、待てど暮らせどカミさんが戻って来ない。。。
暫くしてようやく戻ってくると、焼きたてを作ってくれるというので待っていたとのこと。
時間も無いので、走りながら食べることに。
はみ出した耳がやたら盛大に付いて真四角なフォルムになっていて、鯛焼きと言うよりは魚拓焼きとでも言った方が似つかわしい感じだ。w
しかも、隣の型に流れ込んだかけらまでおまけしてくれると言う大サービス。
衣には大島牛乳が使われていて、一口食べただけであの独特な大島牛乳の濃厚な風味が口内に広がった。
中の具はみかんを選んだそうで、餡に練りこまれたみかんの程よい酸味が餡の甘みを引き立てる爽やかな食感で、これはなかなか美味い!
昼食を食べてから間もないというのに、二連続の食べ歩きでちょっと食べすぎ感もあるものの、なかなか良いおやつであった。
一周道路に戻り島の西岸を北上し始めて程なく、海の向こうに近くの島の島影が見えた。体よくちょっとした展望台が有ったので車を停めて、撮影タイム。
利島。
今朝の船は無事着岸できたかな。。。
そして、無人島の鵜渡根島(うどねじま)と新島の姿も。
こうやって見ると思ったより近く感じる。
伊豆の島々は絶海の孤島に浮かんでいるような漠然としたイメージがあるのだが、実際には大島は伊豆半島の下田よりも北側にあるし、利島も北半分は伊豆半島より北に位置していて、大げさに言えば湾内に浮かぶ離れ小島のようだと言えなくも無い感じだ。
こうやって見てみると大島に来れたのだから利島や新島だって簡単に行けそうな気がする。
そこからもう一頻り進むと、島の有名な観光名所のひとつ、「千波地層切断面」に到着。
道路工事によって斜面を削ったところ、その切羽に見事な地層の重なりが現れたもので、大島の歴史を紐解く貴重な資料と言えるだろう。
この地層の重なりは大島の噴火の度に降り積もる火山灰などによって形作られており、その様子から、地元の人にはバームクーヘンと呼ばれているとか。
その重なりが波打って見えるのは、もともとの溶岩流によって出来た尾根に火山灰が降り積もったからだそうで、ウネウネとうねりながら600mに渡って続くさまは実に圧巻。
断面の少し手前に柵が張られていて、それより向こうには行けないので、残念ながら地層を直に手で触れることは出来なかった。
まぁ、確かに見るからに脆そうな地質なので、近寄ると危険と言うことなのかもしれない。
ここからもうひとしきり進むと島最大の集落である、元町地区に入る。