四万温泉・八ツ場ダム【2】(2017/07/24)
長野原まで出るとだいぶ開けてくる。まぁ、開けているといっても山の中には違わないが。
ここから先は戻りのコースとなるが、途中、道の駅八ツ場ふるさと館があったので再び立ち寄り。
ここは建設の是非に関して色々すったもんだがあった八ツ場ダムの近くなので、知っている人も多いと思うが、八ツ場と書いて「やんば」と読む。
昼食を取るために立ち寄ったのだが、道の駅の方は弁当もほぼ売り切れ。仕方なしに併設されているデイリーヤマザキで菓子パンなどを買って、店の脇のデッキでぱくついた。
パンをかじりながらふと駐車場を見た時、停まっているバスの脇でプラカードを持っている人が目についた。
プラカードには「八ツ場ダム現地見学会」と書かれている。
へえ、現地見れるんだ!と興味を持ってカードを掲げている人に話しかけてみると、一般の人でも道の駅の中にある事務局で申し込みをすれば参加できるという。
そりゃ行くでしょ。
もちろん、カミさんは乗り気だったが、父は体力的に難しそうだったので、車でお留守番となった。
ということで、申し込みを済ませてバスに乗り込む。
ほどなくバスが出発。乗っている人は30人くらい。ガイドの説明に耳を傾けながら八ツ場ダムの堤体建設現場に向けて進んでいく。
途中、作業用?のトンネルが道路脇の斜面にぽっかり穴をあけていた。
かなり大きいトンネルである。将来一般車両が通れるようになったりするのだろうか。
というか、トンネルを眺めながら違和感を感じていたのだが、よく見ると右側通行である。なぜわざわざ右側通行にしているのだろうか。トンネルの中を走行している車は普通の軽トラだったので、左ハンドルの車が通るというわけでもなさそうだ。
ガイドもこのトンネルには特に触れなかったので、理由は分からず終い。
そもそも工事用のトンネルなのか、何らかの道路の建設中なのかも不明。GPSログを残していないし、自分で運転して通りかかった訳でもないので、今となってはそこがどこだったかも分からない。
それから少し走って、道沿いのプレハブが建ち並ぶ場所で停車。
敷地の道向かいに見える住宅地は、ダムに沈む地域の住民が集団移転してきたところだそうだ。
それからガイドの誘導でプレハブ小屋の一つに入る。
入るとペッパーがお出迎え。こんなところにいるとは意外。
人のような人じゃないような得体の知れないものが動いているということで、チビは身構えてしまっている。
このプレハブは、「なるほどやんば資料館」という八ツ場ダムの建設に関する資料を展示している建物で、年表やジオラマなどが置かれていた。
しばし見入っている(カミさんとチビはペッパーと戯れている)と、集合の合図。再びバスに乗って向かった先はダム堤体の工事現場。
ダムの下の方で巨大な重機が右往左往して堤体建設の真っ最中。完成時にはこの展望台の高さになるそうだ。こうしてみるとすごい高さである。
対岸に吾妻線の旧線が見える。旧線の右下に渓谷状になった川の水面が見えるが、旧線の比高は結構ありそうに見える。30mくらいだろうか。
正面に見える「ワ」の字型の足場ですら、ここから見ると小さく見えるが、背後の建物や足場の上に停まっている車の大きさから比較すると、ちょっとしたビルくらいの高さがあるようだ。
それをはるか眼下に見ているわけなので、今いるこの場所は相当な高さということになる。配られた資料では、堤体が完成すると堤高は116mにも達するとのこと。完成の暁には今見えているすべての景色は水面下となり、ここは水面からほど近い位置になるわけだ。そんなことを想像しながら見るとなんだか途轍もないことをしているような気になる。
ここではヘルメット着用とのことで、バス内で渡されたヘルメットを着用しているが、もちろんチビも例外ではない。被り慣れていないので、しきりに外したがっている。外し方を知らないので、持ち上げて外そうとすると首のベルトが引っかかって外れない。
重いし暑いし、そりゃ外したいよね。。。
だからと言って外させる訳にもいかないので、カミさんが宥める。そのうち慣れたのか大人しく被っていられるようになった。
それから少し移動して、別の展望台から。
ここからだとほぼ真下を眺めるような感じで高度感が凄い。
自分とカミさんが壮大な景色に夢中でチビの相手をしないものだから、チビもだんだんと飽きてくる。
すかさず現地ガイドのお姉さんから、「小さいのに、ちゃんとヘルメット被って偉いねー」と褒められるとなんか得意げになっていた。
言葉分かるのかね?
ここまで見学したら再び道の駅まで戻って見学会終了。
途中、八ツ場大橋を渡る。さっき見てきた現場が一望できる。
右側の斜面が白く削れているところが今しがた見学してきた展望台だ。完成の暁には白い部分の上端の高さまで埋まるダムが完成し、この橋もさほどの高度感なく、すぐ下に水面が見えるようになるのだろう。
註:ダムは令和2年に完成している。今はなみなみと水がたたえられているのだろう。もう一度見に行ってみたいところだ。
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例によってほとんど八ツ場ダムの現地見学会の話に紙幅を割いてしまった。
記事中では触れていなかったが、父と旅行に出かけるのは数年ぶりであり、久々に取り留めのない色々な話をした。
この旅行以降、父の体調が思わしくなく入退院を繰り返すようになってしまった。そのせいで体力もぐっと落ちてしまっている。
もう、こんな家族旅行は望むべくもないかも知れないが、もう一度くらい行けたらいいなと思っている。
(おわり)