2014/01/01
皆様、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしゅうおたのもうしあげます。
2014年1日目は7時に目が覚めた。外を見ると空は朝焼けのような色合いを見せているが、いまだ太陽の姿は見えず。
初日の出を拝むために東に面してる(っぽい)伊保田港を選んだのになぁ、と思いつつ、港のトイレで朝の準備を済ませて戻り道に撮った伊保田港の様子はこんな感じ。
ちなみに後で地図で確認したら、伊保田港はどちらかというと北に面した港だった。東側には周防大島の細い半島が伸びているので、ここからだとその山越しになってしまう。そりゃ遅い訳だ。。。
夜の間、近くで車のラジエーターのファンの音がずっと聞こえていた。どこかでウチらのように車中泊している人がいるんだろうなぁ、と思っていたのだが、その音の主は港の岸壁で夜釣りを楽しんでいる親子の車だった。年越しで夜釣りなんて風流ですなぁ。
とりあえず、ここで初日の出を待っていてもまだ時間がかかりそうだったので、ひとまず車を出して昨日泊まる予定だった、道の駅「サザンセトとうわ」へ移動。その後朝食、という流れになった。
さて、我々が今いるこの周防大島は、正式には屋代島という名前だが、一般に周防大島(または単に大島)という呼び方がなじみがいいらしい。
島は山口県に属し、本土の柳井市との間に橋がかかっているので陸路での往来もできる。瀬戸内海では淡路島、小豆島に続いて3番目の大きさを誇る島で、丸い形をしている島の西側と細い尾根が延びる東側部分からなり、その形から「金魚島」とも称されている。
作詞家の星野哲郎さんや、民俗学者の宮本常一さんの出身地でもあり、また、明治時代にハワイへ移民して行った人が多数いることから移民の島としても有名である。
最近夫婦でよく見ているNHKの「のんびりゆったり路線バスの旅」という番組で10月ごろに周防大島を訪ねる回があり、それを見ながらあんなのどかな島行ってみたいなぁ、などと思っていたのが、まさか2ヵ月後に実現するとは。。。
もっとも今日は元日、観光客を相手にした店以外は多分みんな休みだろう。離島の雰囲気だけでも味わいたいところだが。
伊保田港を出て程なく、島の沖合いで爆沈したという戦艦陸奥の記念館が見えてきた辺りで背後に太陽の気配を感じる。まだこの時間だからやっていないとは思ったが、ちょっと立ち寄ってみることに。
案の定、記念館の扉は固く閉ざされていた。まぁ、元日だから今日この扉が開くことはなさそうだ。駐車場から今年の初日の出の姿をカメラに収めるのみで先に進む。
島の北岸に沿って延びる国道437号を走っていると、沖合いに真っ白な砂の島が見えた。
この島は「乙小島(おつこじま、または、おいとじま、とも)」といい、島全体が砂で出来ているらしい。
砂を採取する業者がここで操業しているそうだ(砂の採取って「採掘」と呼んでいいのだろうか?)。
なんだか珍妙な島である。
浮島と、それに連なる頭島。
瀬戸内の多島海の美を眺めながら、その島で暮らす人たちに思いを馳せる。
それぞれの島でそれぞれの家庭がどのような日常を過ごしているのか。そんなことを妄想する・・・などと書けば文学的だが、それってよそ様の暮らしをのぞき見してみたい、と言っているだけのような気もする。
そう思い至ったのは、近所を散歩していても、街中に立ち並ぶ家々を見ながら、そこに暮らす人たちがどのような日常を過ごしているんだろうかと思いを馳せている自分を思い出し、別に島じゃなくても同じじゃないか、と思ったからだ。
いや、別にそこの家庭のリアルを見たい訳じゃない。集落の小道を歩きながら、そこにどんな日常があるのかを想像するのが楽しいのだ。事前にその島の生い立ちを調べ、島の歴史にどんなバックグラウンドがあるのかを加味して、それならこういう暮らしをしているんだろうな、みたいな妄想がしたいだけなのだ。
偶然、そこで暮らす人と話すことができたら、それが想像通りなのか、全然違うのか答え合わせをするのもまた一興である。
閑話休題。サザンセトとうわに到着。
入口のあたりにパトカーが止まり妙に物々しいな、と思ったらなんと事故。
どうやら出会い頭でぶつかってしまったようで、片方の車は思いのほか大破していた。
元日早々災難ですな。。。
入口を塞ぐように事故車が止まっているので、道の駅に入れるか気になるところだが、特に進入規制されているようでもなかったので、脇をそそくさと抜けて道の駅に入る。が、事故の顛末を横目で見ながら朝食を取るのは気が引けたので、うまいこと視界を遮れるところがないか探したところ、建物の裏側に抜ける道が続いていたので入り込んでみると、海が見える堤防際に車を停めることができた。
という事で、ここで島々を借景にして朝食をとることにした。
ちょっと絵の切り取り方が雑で恐縮だが、こんな雰囲気である。意外といい感じでしょ?
朝食はやっぱり元日なのでお雑煮である。
食後に道の駅の店を冷やかすつもりだったが、全てのお店が閉まっていて何もできず。そうか元日ともなると道の駅ですら全部店閉めるのか。。。
長居してもしょうがないので、早々に出発する。
島の南側の風景も見てみたくなったので、山を越えて片添ケ浜という地区に向かった。
片添ケ浜に出る少し手前に温泉ホテルがあり、ちょっと立ち寄ってみたら、「ALOHA」の花飾りが。やはり、移民の島ということと何か関係しているのだろうか。
そこから続く海沿いの道は細く、集落を過ぎると急坂で山の中腹まで登ってあとは斜面を巻くように進んでいく。どこかでこういう道を走ったな、と思ったら、西伊豆の道に似ている気がする。
ドライバ的には走り甲斐のある道だが、同乗者は左右に振られてしんどそう。。。
暫く進むと、シーボルト上陸地記念碑という碑が建てられている場所が有った。
横目に見つつ素通りしたら、カミさんから「運動不足なんだから少し歩いて見学してこい」と言われ、少し進んだ所に車を停めてしぶしぶ歩いて見に来たw
解説によるとシーボルトが長崎から江戸へ向かう際に、この牛ヶ首という場所から周防大島に上陸し、動植物の観察をしたということが書かれていた。
それを見て、これといった感想もなかったので、写真だけ撮ってさらに進む。
もうひとしきり走ると、沖合いに見える島へ渡る橋がかかっているのが見えた。