岡山出張【11】(2023/09/17)
鹿久居島:
さて、旅を続けよう。愛生園への訪問が結果的に今回の旅のメインイベントとなり重たいテーマが長く続いてしまったが、以降はみなライトな所ばかりなのでここからは気軽な気持ちで読み進めていただきたい。
今日の散策のテーマが岡山の島めぐりであることは前述したとおりであるが、岡山県内には車で渡れる島があと2つある。今日中にそれらに上陸しておきたい。その2つの島は鹿久居島(かくいじま)と頭島である。場所は岡山県の最東端に位置する日生(ひなせ)という地区にある。
日生の海岸の向かいにある鹿久居島と、その先にある頭島の間がそれぞれ架橋されており順番に渡っていくことができる。
と言うことでまずは鹿久居島から。鹿久居島は長島の北東数キロの所に浮かぶ島だが、たどり着くためには一旦虫明まで戻ってそこから岡山ブルーラインで備前ICまで進み、そこから日生の集落まで進んでようやくたどり着く。
その橋だが備前♡日生大橋という。♡の所は好きに読んでください、だそうだ。ふざけてるな。名前はふざけているが橋そのものはとても立派な斜張橋である。
これを渡り切ると鹿久居島上陸。島旅104番目の島である。鹿久居島は岡山県に属する島の中で最大の面積を誇る島なのだが、なぜか殆ど居住者がいない。島の西側のくびれた部分にわずかに果樹園を営む人が暮らしているだけで集落らしい集落もない何とも寂しい島だ。
島の中央部分には公園やキャンプ場があるのでもっぱら果樹園を訪問する人か、アウトドアを楽しむ人相手の島と言うことなのだろう。
その島の名のとおり鹿が多くいるそうだが、自分が訪問した際にはお目にかかることはできなかった。お目にかかったら廃車注意なので遭わなくて良かったのだが。
周りには他にもより多くの人が暮らす島がいくつもあるのに、なぜわざわざこんな辺鄙な島に橋を架けたのかと言えば、やはり頭島を地続きにするためだったのであろう。頭島は日生諸島の中でも最大の人口を誇る離島でここが地続きになることはメリットがある。
頭島:
備前♡日生大橋から続く快適な一本道を進んでいくとそのまま頭島へ渡る頭島大橋に繋がっている。頭島は上述のとおり日生諸島の中で一番多くの人口がいる島である。自分の105番目に上陸した島となった。
この島の中央部にある山のてっぺんにたぬき山展望台と言うのがあるそうなので行ってみることに。
橋を渡ってすぐに細い路地へと左折する。その細い路地は細いまま集落を抜けて山へと取り付く。その道の急なことと言ったらこの道で本当に合っているのか不安になるほどだった。
だが、坂道を登っていくとやがて視界の先に展望台らしき建物が見えてきた。その辺りだけ少し道幅が広くなっていたのでそこに車を停めて展望台へ登る。
展望台からは日生諸島の島々が見えた。左から鶴島、大多府島。鶴島の背後に見える島は西島だろうか。背後に見える雲を頂く大きな島は小豆島である。そして右端の藪の背景にちょこっとだけ見えている島影がさっき訪ね歩いた長島となる。
鶴島はかつて弾圧されたキリシタンが流された島であるそうだ。
北側に目をやると小高い山が見える。陸続きに見えるがこれは隣の鹿久居島の山である。
展望台の上には先客がいた。その人も1人旅のようだが景色を全く見ずにスマホの画面を凝視している。何もここでそれをやらなくてもと思わなくもないが、彼には彼なりの事情があるのだろう。
展望台からの景色を堪能したあと今度は島を一周する道路に入り込んでみることにした。
島は集落と言える場所が南部に1か所あるが、それ以外にも民家が散在しており上空から見ると島のほぼ全域に渡って家が点在していることが分かる。
なので運転していて心細くなるような細い道が島中に毛細血管のように張り巡らされている。
目印がないので本当に合っているのか不安になりながら進んでいくとやがて港に出た。小離島のそれとしては割と規模の大きい漁港だ。
漁港の建物には何やら物々しい設備が取り付けられていた。水揚げされたなにがしかをシステマチックに取り込むための設備に見えるが何に使う物だろうか。
漁港から海岸に沿った道を進んでいくとほどなく島を一周となる。小さな島なので1周しても10分程度だ。
鹿久井島へ戻る橋の手前にマぁー子というお好み焼きの店があり、そこのカキオコが絶品と言うグーグルのレビューを見たので今日の夕食をそこで食べようと思っていたのだが、店の前を通りかかった時に暖簾が出ておらず、休みかなと思ったら丁度店じまいをして帰宅しようとしている店員の姿が見えた。一歩間に合わなかったか。
まぁ、カキは今シーズンじゃないからあまり期待してもしょうがないか。と言うことで頭島の散策はこれで終了。再び頭島大橋を渡って鹿久居島へ。
鹿久居島 その2:
鹿久居島は先ほど走行したメインの道の他に島を南北に繋ぐ道がもうひとつあるようなので、帰り道はそちらを通ってみることにした。
南農園を案内する看板の所で左折。案の定道は細い。そしてやはり人が暮らしている気配がなかった。人口が僅か9人と言うのだからこんなものかもしれないがそれにしても寂しい島だ。
途中、海沿いに出たところで例のふざけた名前の橋が一望できる場所があった。