鎌倉・江の島散歩【2】(2023/11/27)

古い切通し:


銭洗弁財天はここからだと山の裏側に位置しているのだが、亀ヶ谷坂という切通しによって結ばれている。

20231127_081941

亀ヶ谷坂へ向かう県道を歩いていると、反対側の歩道を沢山の男子高生が列をなして歩いてきた。建長寺の脇に立つ鎌倉学園の生徒らしい。丁度通学の時間のようだ。それを横目で見ながら途中の路地を左折し、亀ヶ谷坂を目指す。

20231127_082147

その坂道にとりついた時に、ふとチビが立ち止まって背後を振り返った。何か気になるものでも見つけたのかなと思ったら、イケメンいるかな?なんて言いながら例の高校生たちを凝視していた。

いつの間にそんなマセたことを言うようになったか。改めて女子だなと思った。

チビはイケメンズ?の列を凝視したきり一向に動かない。生徒が全員通り過ぎるまで待つつもりかw
そこまで待つ余裕はないので適当なところで引きはがして先に進む。

20231127_082431

こちらが亀ヶ谷坂。道は舗装されているがこの道も鎌倉時代に開通したものとされている。県道により拡幅された巨福呂坂と違ってこちらは古き良き切通しの雰囲気を残している。

山を越えて反対側へ降りる。降り始めてほどなくチビが、くたびれたと言って路上にへたり込んだ。なぜか正座している。そんなところに正座して痛くないのか・・・というか道の真ん中は危ないからやめい、というかまだへばるには早すぎる。

とはいえ敵もさる者、こうなるとなかなか動かない。そこでおやつをちらつかせて、坂を降り切ったところにある薬王寺の参道入口まで移動させ、そこで小休止。おやつを食わせたら復活。子供なんてそんなもんだ。

20231127_084122

再出発すると程なく横須賀線のガードをくぐり、暫く住宅地を歩く。道沿いに案内看板が出ているので道に迷う心配は少ない。

仮粧坂~源氏山公園:


20231127_085122

さらに進んでいくと再び登りになる。この坂道は仮粧坂(けわいざか)と呼ばれ、これも古い切通しである。

20231127_085150

舗装路は途中で行きどまりになり、そこから先は山道になっていた。今朝方まで降っていた雨のせいで道がまだ濡れている。しっかりした靴なら普通に歩けると思うが、靴によっては容易に滑りそうな、ツルツルの土か岩肌がむき出しになった道である。

20231127_085626

それを登り切ると源氏山公園に出る。源氏山公園は山の尾根沿いに整備された公園だ。銭洗弁財天に行くためにはここを100メートルばかり進んで、再び枝分かれする道を左に進む。

20231127_090154

その先で再度道が二手に分かれていたので、ものは試しにチビにどちらへ進むのか正解か聞いてみた。チビは地図を見ながらひとしきり考えたあと、一旦レンガ貼りの坂道の方へ進もうとしたが、すぐに折り返して左の下り坂の方を指さした。

正解。ちょっとは地図を読む力が付いてきたようだ。

20231127_090545

坂をグイグイと下っていくと、

20231127_090653

突然道の脇の斜面にへばりつくように建つ鳥居が見えてくる。その背後には洞穴のようなトンネルがある。ここが銭洗弁財天だ。正しくは宇賀福神社という。

銭洗弁財天(宇賀福神社):


この神社はその名のとおり、この地に湧出する湧き水でお金を洗うことで、お金が何倍にもなって返ってくるという言い伝えがあるのだが、元々は湧水で神仏を供養していたそうだ。そこからなぜお金を洗うという話になったのかはよく分からなかった。

お金は人の欲望の化身である。ここを訪ねる人は大抵自分のお金が増えて幸せになるようにと願ってやってくる。神様に黙々と祈りを捧げるのならまだしも、お金を洗うことでご利益が得られるというあたりに、何となく露骨でゲスな香りが漂っている気がしなくもないが、果たして。

20231127_090832

トンネルを抜けるとその奥が山の斜面に囲まれた境内になっている。

20231127_091744

手前に社務所があり、その奥に奥宮と呼ばれる洞穴がある。銭洗い場はその洞穴の中にある。銭洗いをするためには社務所で300円を払ってお線香とろうそくを買う必要がある。

20231127_091723

そうして買った線香は目の前のお焚台に、ろうそくは脇のろうそく立てに、それぞれお供えすると、初めて銭を洗うための笊を使うことができる。

笊は誰でも手に取れる場所にあるが、300円を払わなかった場合にどうなるかは試していないから分からない。

20231127_091922

こんな感じで笊にお金を入れて、置かれたひしゃくで水をかけて清める。これは汚いお金を綺麗なお金に換えるマネーロンダリングと呼ばれる手法のひとつである(嘘)。

水路の底に小銭が沈んでいるのが見える。御利益がありそうな場所あるあるだが、ここはお金を増やしたい気持ちで訪れる場所である。いくら願掛けとはいっても、そこで散財したら意味がない気がする。まぁ、確率論の話になってしまうが。

20231127_092336

今回は小銭だけを洗うに留めておくつもりだった。洗ってビタビタになったお札を再び財布に戻したら財布がビタビタになってしまうからだが、隣にいた女性はジップロックにお札を沢山入れて、切羽詰まったような表情でお札を洗っていた。その必死さはちょっと近寄りがたいものがあったのだが、ジップロックを用意するとは手慣れている。

で、それを見たカミさんが、自分もチャレンジしてみると言ってお札を洗い始めた。あんた、ジップロック持ってきてないでしょうが。案の定、洗った後なかなか財布に戻せなくて、乾かすために人差し指と親指でお札をつまんでピラピラさせていた。なんか下品・・・。

ちなみに入口前の看板には、何倍にもなって返ってくると書かれているが、別の看板には洗ったお金を使うことでご利益がある、とも書かれていた。まぁ、使い道を吟味したうえで気前よくパーっと使ったら、それを上回るリターンがあったなんて話は割とよく聞く。なんといっても金は天下の回り物である。ケチケチ貯め込んでもあまりいいことはないのであろう。

ご利益があるかは何ともいえないが、とりあえずお金を洗うことができたので更に先へ進む。

Posted by gen_charly