宮古島社員旅行【2】(2003/07/20)
伊良部島へ:
2003/07/20
2日目である。昨晩の食事会は自分にとってみんなに顔を覚えてもらうための会、と言う位置づけだったので気づかいで少し疲れたが、どうにかつつがなく終わらせることが出来た。
ホテルの同室の人は二次会に繰り出して午前様で帰って来た。夜中に部屋に戻ってきたこと自体は大して気にならなかったが、その後のイビキが凄くてあまり眠れなかった。。。
さて、冒頭でも書いたとおり、本日はゴルフコンペまたは終日自由行動とのことだ。
自分はゴルフ不参加だから自由行動。当初の計画どおり下地島のタッチアンドゴーを見に行こうと思っている。同行者もいないから単独行動だ。
ちなみに、昨日の写真が少なめだったのは自分がヘソを曲げていたから、というのもなくはないが、デジカメのメモリが少ないので、今日の観光で全力を出そうと思ってメモリを温存していたせいだ。
そんなわけで今日は写真多めでお送りする。。。というほど多くもないが、昨日よりは。
旅行前に手配しておいたレンタカーを借りて出発。
下地島へ行くためにはまず、伊良部島へ渡る必要がある。伊良部島は宮古島の沖合い6キロに位置し、カーフェリーが就航しているので、車ごと渡る。伊良部島と下地島はほぼ隣接しており、橋が架かっているのでそのまま車で渡ることができる。
ということで、伊良部島の佐良浜港へ渡るフェリーが出航する平良港のフェリーターミナルへ向かう。
借りた車にはカーナビが付いていなかったので、レンタカー屋でもらった島の観光マップが頼り。。。なのだが、そのマップがややデフォルメされて書かれていて、実際の道と合っていない、道のりで何か所か道迷いをしてしまった。
しかも、フェリーターミナルがあるはずの場所まで来ても、そこにあるのは市役所かホテルっぽい施設で港らしきものが見えない。
それで数度付近を行ったり来たりしてしまったが、どうにもそれっぽい場所が見つからず、意を決してその建物の駐車場に入ったら、中の道案内にフェリーターミナルの文字。
あ、ここで合ってたんだ。。。
だが、ターミナルだと分かったのは良いが、今度は車を船に載せるためのヤードへの道順が分からない。
結局、いったん駐車場に車を停めてターミナルの窓口で確認してようやくヤードにたどり着くことができた。
それからほどなくやってきたフェリーに車を載せて出港。
デッキに移動し遠ざかっていく宮古島を撮影。
写真右側に建つひときわ大きなビルがある場所に平良港があり、建物はまりんぴあ宮古という。
事前にそれを知っていれば迷うこともなかったと思うが、ガイドマップにはその辺が書かれていなかった。宮古島を訪れて伊良部島へ渡ろうという一見さんはあまりいない、ということだろうか。
そして反対方向を見ると、もう伊良部島の島影がだいぶ近いところまで迫っていた。フェリーは両島の間をおよそ15分で結んでいる。
現在(2023年)では2015年に開通した伊良部大橋によって地続きになっている。この橋は無料で渡ることができ、無料の橋としては日本最長を誇っているそうだ。
本当に橋が好きな島である。。。
サバ沖井戸:
船は佐良浜港に到着、積んでいた車を降ろし島の散策開始。伊良部島は島旅20番目の島となった。目的地は下地島だが、せっかく上陸したので、伊良部島の島内を一周ながら観光スポットを巡って下地島を目指すことに。
まず最初に向かったのは、港からほど近い場所にあるサバ沖井戸と呼ばれる井戸。いきなり井戸って観光地巡りとしてどうよ、という気がしなくもないが、行ってみたら意外にうんちくのある場所だった。
井戸の手前に車を置いてそこから歩いていくらしい。順路に従って歩いていくと、やがて海岸まで下りる階段が現れた。
この辺りは海岸から数十m程度の高台になっていて、崖のような場所に設けられた階段を降りていくと、その井戸がある。
これがサバ沖井戸。分かりづらいが周囲は磯になっている。そして斜面は見上げる高さでそそり立っている。
伊良部島は宮古島と同じく隆起サンゴの島である。隆起サンゴということは地質は石灰岩。石灰岩は一般に水はけがよく雨が降ってもそのまま地下に染み込んでしまう。
ところがその深いところには水を通さない基盤層があるので、地中に染み込んだ水はその層に沿って流れていく。その基盤層に最も近い場所がこの海岸のあたりということで、こんなところに井戸がある。
島に水道が開通する昭和41年まで、高台に暮らす島の住民たちはさっき歩いてきた階段を上り下りして一日数回水汲みに来なければならなかったのだ。
自分なんか手ぶらで上り下りするだけで結構くたびれてしまった。やはり昔の人はタフだったんだな。
さてこの井戸、地元ではサバウツガーと呼ばれている。サバ沖井戸を方言でいうとサバウツガーだ、と言われても全然紐づけできない。
ミャークフツは沖縄の方言としてはかなり独特な物であるらしい。実際、宮古島の人が沖縄本島に行ってミャークフツで会話しようとしても、沖縄本島の人すら意味が理解できないというのだから相当だ。
で、そんな宮古島の方言(ミャークフツ)で「ウツ」は「沖」、「ガー(またはカー)」は井戸を意味するそうだ。では「サバ」は何だろう。
そんなミャークフツで歌う下地勇という歌手がいる。彼のレコードを初めて聞いたとき、これは本当に日本人が歌っている歌なのか?と耳を疑うほど日本語離れしたフレーズがならんでいて衝撃を受けた。以来自分は氏のファンである。
それはさておき、氏の曲の一つにサバぬにゃーんという曲がある。このタイトルを標準語にすると「ぞうりがない」という意味になるらしいのだが、ということはサバウツガーの「サバ」は「ぞうり」という意味になるのだろうか。ぞうり沖井戸・・・なんかあまりしっくりこない。
だが、井戸の近くにある住宅団地は鯖置団地という名前が付いている。ということは魚のサバのことなのだろうか。ただ、沖と置の違いもあるので、単なる偶然かもしれない。
鯖は傷みやすい魚なので、置いておいたらすぐに悪くなってしまう。って、そう言う話ではなくて。もしや、ぞうり置き井戸、か?
それなら辛うじて意味が伝わるような気もする。海に行くためにここにぞうりを置いていく、的な。
まぁ、長々引っ張ったが、結局のところなんだか良く分からない。
戻り際、海岸の様子を一枚写している。漁船がサンゴの岩礁に係留されている。持ち主の姿が見当たらないが、素潜りなどで船を離れているようには見えない。と言うことはいつもここに停泊させているのだろうか。
島内ドライブ:
さて、次に向かったのがフナウサギバナタという展望台。ここはさらっと見て通過、更に進むと白鳥岬に至る。
白鳥岬へと向かう道は緩やかな斜面を下る一直線の道路で、その向こうには大海原が広がっている。
なんか南の島ならではの光景っぽいなと思い、一枚写してみた。かつて、Windows95や98にPlus!というプラグインのようなソフトがあったが、それに付属している写真でこんなのがなかったっけ?
白鳥岬のところで島の中央部へと向かう道が分岐していたので、ここで左折。
島の中央部は一面畑で、さとうきびが植えられている。
写真はまだ大きく成長していないサトウキビだが、場所によっては背丈を超える大きさに育っていて、立山の雪の回廊のように両側にそそり立っていた。
しかし、だだっ広い大地にひたすら畑が続いて、遠くにまばらに木々が見える光景は、どことなく真夏の北海道のようにも見える。もっとも、気温に北海道らしさは一切ないが、それは現地に行かなければ分からないことだろう。
島の丁度中央で十字路にぶつかる。十字の道はそれぞれ東西南北を目指していて、どこへ向かうにも最短のルートとなる。
このまま直進して島の南側の観光スポットを訪ねてもよいのだが、このあたりでぼちぼち下地島を目指すことにした。ということで、交差点は右折、進んでいくと島の西側にあたる伊良部地区に出る。
伊良部と下地を隔てる海:
さて唐突だが、下の写真は何か?
川?池?
正解は海。そう、海である。どう見ても川のようにしか見えない。
地図で伊良部島を見てほしい。島の西のあたりに地面がひび割れでもしたかのような細く入り組んだ水路があるのが分かると思う。この写真はそれを写したものだ。
この入り組んだ水域、さらに目で追ってもらうと、どこにも地続きになっている場所がないことに気が付くと思う。つまり、ここは島と島を隔てる海峡なのである。そして、両島が陸続きにならなかったので、それぞれ伊良部島、下地島と名前が付いている。
ちょっと何かがあればすぐ埋まってしまうような幅で2つに分かれた理由は何だったのだろうか。何となく不思議を感じる光景だ。
こんな狭い海峡なので両島の間には橋が何本もかけられている。だが、下地島の方にはほとんど住人がいないらしい。
島の半分ほどが下地島空港とその関連施設で占められており、そのほかの場所はもっぱら畑として利用されているそうだ。
両島を隔てる海岸線を北上している時に、海岸近くを通る場所があった。そのきわめて浅い海辺に、ガジュマルかヒルギの若木があった。植林されたものか、自然に生えたものかはわからないが、これも南の島でしか見られない植物。物珍しさを感じて撮影。
ちなみによいアングルを求めて水際をウロウロしていたら、うっかり足を海中に落としてしまい、靴がぐしょ濡れになってしまった。。。
まぁ、この陽気だから、ほどなく乾くだろう。。。