福島出張【1】(2024/02/18)
職場から福島への出張を命じられた。作業日は2月19日。前日に福島入りして、19日に作業を行い、その晩に帰宅というのが基本プランだが、せっかく福島まで行って仕事だけして帰ってくるのでは勿体ないと思い、19日も自腹で宿泊して20日に帰宅する2泊3日のプランとした。実はこの出張に先立ち、1月にも福島を訪問しているのだが、その時は当日の朝になって急遽作業中止となってしまい、何もせずに帰宅したのだった。まぁ、何もせずにといっても飯坂温泉でお風呂に入るくらいはしたのだが。その日は雨だったこともあり観光する気分にはならなかった。
実は福島市の近隣には、自分の琴線に触れるような見どころがあまりない。それなら別にさっさと帰ってくれば良いのだが、なんとなくもう一度福島の空気感を少し味わってから帰宅しようと思ったのだ。まぁ半分は惰性だが。
とりあえず、18日は日曜日でこの日は移動だけだったので、福島に着いたらブラブラと街中を散策することにしていたのだが、仕事が終わった後の20日については全くノープランだった。
結局、19日の仕事が終わってからホテルでネットを眺めて、ちょっと気になるところに行ってみることにしたのだが、その結果10キロほどの散歩となってしまった。終わってみたらなかなかエキサイトする散歩ではあったが、歩いている時はやめときゃ良かったかなと何度も後悔してした。
まぁ、そんなお散歩なのだが、福島市の近郊をあちこち歩き回ってきたのでその様子をレポートしたい。
福島市内散歩 - 曽根田駅:
2024/02/18
昼前に自宅を出発し、14:30頃に福島到着。つい先月見たばかりの景色なので新鮮味はないが、ちょっとだけ懐かしさを感じた。

新幹線ホームにちょうど山形新幹線用の新型車であるE8系が試運転で入線してきたので激写。

そして買い物を済ませてホテルにチェックインしたのが15時だった。今日は日曜日なので業務連絡の心配はいらない。かといってホテルにこもっているのも勿体ないので、ちょこっと散歩に出かけることにした。
その散歩で1ヶ所だけ訪ねておきたいところがある。
それは福島交通飯坂線の曽根田駅である。

福島駅から1駅目となる駅なのでホテルから歩いて5分少々で到着。
この駅にはかつて飯坂線で運行されていた7000系電車が、待合所兼自習室として開放されているそうだ。

こちらがその7000系。元東急の7000系である。福島交通ではもう随分前から東急で使われていた車両のお下がりが活躍している。車両形式は東急時代のものをそのまま引き継いでいるので、形式の系統に一貫性がなく、7000系の後に入線してきた現在の主力車両は1000系になっている。

この駅に停められた車両は2両編成で、駅舎側の車両が待合所となっている。扉を開けると昔ながらのロングシートのままで、ここで列車の到着を待つことができる。この車両は元々地下鉄日比谷線直通用に製造された車両で、当時の地下鉄車両は非冷房だったことから、天井には懐かしい形状の扇風機が設けられている。写真の車両は扉や窓の上にクーラーが設置されているが、これは後年になって増設されたものだ。
そしてもう片方の車両が自習室になっている。中で自習をしている人の気配があったので、車両への立ち入りも撮影も控えたのだが、それぞれの自習室がどのようなレイアウトになっていたのかは少し気になった。窓にブラインドが下ろされていたので外から様子を伺うこともできず、その辺りは分からずじまい。
駅舎にはケーキや飲み物を販売する洋菓子屋というか、コーヒーショップみたいな店があり、スイーツに舌鼓を打ちながら自習することもできる。糖分が入ったら眠くなりそうだが・・・。

この辺りはJR東北本線が並行しているので、時折貨物列車や701系が脇を通過していく。しかしあの走ルンですと揶揄された209系の系譜だけあって、車体の造りもデザインも素っ気ない。もう少しどうにかならなかったのだろうか。
市内散策:
さて、いきなり見たいと思っていた場所がもう見終わってしまった。だが、夕暮れまでまだ時間がある。この際だからあてどない散策に出るか、ということで適当に歩いてみた。ルートは以下のとおり。
歩いてみたが、正直あまり面白くなかった。ただ、歩いているうちにちょっと気になったものはいくつかあった。
こちらの店舗、遠目で見かけた時に夜露死苦みたいな字面の店だなと思った。少し近づいたら3文字目に「乃」という字が見えたので「揖保乃糸」に見えた。で、もっと近づいたら羅布乃瑠と書かれていた。いよいよ読み方が分からない、なんの店だろうか。さらに近づいたら「ロプノール」とふりがなが振られていた。そしてよく見ると沙羅英慕という字も見える。サラエボ!?
なんとも妙な店だなと思い、ネットで検索してみたら、羅布乃瑠沙羅英慕(ろぶのーるさらえぼ)という店名だそうで、喫茶店とのこと。ロブノールはタクラマカン砂漠にある彷徨える湖のことで、サラエボは第一次世界大戦のきっかけとなったボスニア・ヘルツェゴビナの都市の名前だ。その2つに関連はなさそうだが・・・。字面で決めたのではないか疑惑がある。
さらに歩いていくと福島競馬場が見えた。地方競馬の競馬場にしては随分と立派な建物だ。
で、三本木橋で阿武隈川を渡る。
橋の袂から安達太良山と吾妻連峰が一望できた。対岸に見える町並みは福島市街で、両方の山々が阿吽の像のように見えた。
ここから進路を南にとって、阿武隈川に沿った県道を歩く。
途中、集落の小径に寄り道したりしながら歩いていくが、この辺りはほぼ住宅地になっている。自分的にはこういう住宅地を歩くのは大好きなのだが、ブログに書くトピックに欠けるのが難点。
そうした中、とある路地にある民家の煙突から煙が立ちのぼっていた。もしかしてこの家の風呂は薪で沸かしているのだろうか。大変だと思うが風流である。
そして天神橋で再び阿武隈川を渡る。渡った先には福島県庁がある。川沿いに歩けそうだったので少し歩いてみた。あとは街中をブラブラと彷徨い、18時前に福島駅前に戻ってきた。歩行距離約8キロ、1時間40分ほどの散策で程よい疲労感だ。