石巻・浦戸諸島巡り【6】(2024/03/30)

大川震災伝承館:


さて、ぼちぼち出発しよう。2人を促して車に戻った。

ところが、車に戻るなりチビがトイレを訴えた。ここには公衆トイレは設置されていないし、隣接する大川震災伝承館はまだ開館時間になっていない。ただ建物に明かりが灯っているので多分誰かしら建物にいそうな感じである。そこで、建物に行ってトイレが借りられないか相談してみたらとカミさんに促して、2人でトイレに向かわせた。

その間に自分は網地島ラインの出港状況をチェック。今日は雨こそ降っていないが雲が多くどんよりしている。風も昨日ほどではないもののまだ若干残っている。出港するかどうかが微妙な天候である。ということでWebサイトを開いてみたら、残念ながら9:00発の2便は欠航と表示されていた。

こうなっては田代島への訪問は絶望的だ。これ以上先送りにすると他の訪問計画に影響してしまう。この際、田代島は諦めて、浦戸諸島の島めぐりをメインに切り替えるか。とはいってもあちらも同じような場所を航行する船で行く場所なので、運行しているか微妙だ。

そこで、そちらの運行状況もチェックしてみた。浦戸諸島へ行く航路は塩竃市が運営しているのだが、市のWebサイトには情報が掲載されていなかったので、窓口に電話して確認してみたところ、意外にも今のところ通常どおりの運行であるそうだ。それなら今日は浦戸諸島巡りをしよう。

 

丁度その時、カミさんからLineメッセージが届いた。まだ開館時間前だが、職員のご好意で館内を見学させてもらえることになったので見においでと書かれていた。塩竃を出港する便は11:00発なのでまだ時間がある。せっかくなので見学させてもらうことに。

館内はまだ真新しく小奇麗な空間になっていて、ごちゃごちゃしない程度に展示物が置かれていたり、壁に掲示されていたりした。多くは自分が上述したような大川小学校の惨事にまつわる経緯についてまとめられたもので、興味深く拝見させてもらった。

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震災前後の比較写真を見て神妙な気分になった。北上川の河口部分には長面浦(ながつらうら)という地区がある。震災後の地盤沈下により、農地の大半が水没してしまっている様子が写っている。土地自体がなくなってしまうという異常事態である。

先般、石川県の能登半島で巨大地震が発生した。この地震では大きな地盤の隆起があり、海底が露出してしまったことで港が使用不能となって地域の漁業関係者を窮地に陥れた。東北太平洋沿岸とは逆に隆起したわけだが、生活の基盤を失うという点で共通している。ある日を境に、今までそこにあって当たり前だったものが無くなってしまう、直面した人たちの気持ちはいかばかりであったろうか。

ところが、この記事を執筆するにあたり、グーグルの航空写真で現地の付近をチェックしたら、上の写真で完全に水没していた一帯が、全て陸地に戻って、見事な水田になっていた。これには大層驚いた。干拓をしたのか、埋め立ててかさ上げしたのか。

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30分ほど館内の見学して外に出たら、雲が切れて青空が広がっていた。

ということで、旅行計画の変更により、前半は重たいテーマが続いてしまったが、震災遺構の見学はこれでおしまい。後半は気分を切り替えて島散策を楽しみたい。

 

塩釜港:


チビには田代島へ渡れなくなったことを報告した。チビにとって今回の旅行でマストの訪問先となっていただけに、だいぶがっかりしていたが、自分としても渡る予定の島が1つ見送りになってしまったので、もちろん心残りではある。でも船が欠航なのだからどうしようもない。

時刻は9:10。本来なら門脇の港から船に乗っていた時間だ・・・。ま、それはそれとして。

ここから塩竃までは1時間半程度を見込んでいる。順調ならそこまでかからないと思うが、市内で渋滞するかもしれないし、乗船手続きに手間取る可能性も考慮すると、ぼちぼち出発しておいた方が良いだろう。

ということで出発。ところがその道のりは順調そのもので、渋滞に遭遇することもなく塩釜港に10:10には到着してしまった。なんだ、こんなに早着するなら宮戸島に立ち寄っておくべきだった・・・。

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それはさておき、塩釜のフェリー乗船場はマリンゲート塩釜という大きな建物の一角にある。浦戸諸島には桂島野々島寒風沢島朴島の4つの有人島があるが、そのどれも島民の数はさほど多くない。そんな島を結ぶ渡船場にしては随分と立派な建物だなと思ったが、ここから松島観光のクルーズ船も出港しているので、恐らくそちらの方がメインなのだろう。

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館内は土産物屋や飲食店が入居している。写真のように海を眺めながら食事ができるカフェテリアみたいな場所もある。

乗船券売り場はその一角にある。塩竃市営渡船の乗船券は自販機で販売されており、窓口はない。周囲に欠航に関する案内がないところを見ると、予定どおり出航するようだ。

 

うらと子どもパスポート:


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券売機で切符を購入しようと思ったら、子供料金のボタンの上にカバーがかけられて押せないようになっていることに気づいた。そのカバーの上に「土曜、日曜、祝日、学校の休校日はうらと子どもパスポートにて無料で乗船いただけます」と書かれている。

なるほど、今日は土曜日だから子供は無料なのか。それは嬉しい知らせだが、うらと子どもパスポートなんて持っていない。恐らく予め申し込んで発行してもらうような、市民向けの優遇措置なのだろうと思うが、だとしたら我々のような市外の子供はどのように乗船するのだろう。

券売機の周りを調べてもそれを説明するものが無く、どうして良いか分からなかったので、自販機に取り付けられたインターホンで聞いてみることにした。

インターホンを押すと、スピーカーの向こうから応答があった。乗船方法について尋ねたいことがある旨を伝えると、今から向かいますと言われた。今から来るって、わざわざご足労かけさせるような話でもないのだが良いのだろうか・・・と思ったら、上の階から係員が降りてきた。なんだ、建物内にはいるのか。

で、子供の乗船方法について尋ねたところ、パスポートは市外の人でも利用できるらしく、港の奥の方にある貨物受付所という詰所に行けば即日発行してもらえるとのことだった。

 

お礼を言って、大人用の切符を購入した後、その詰所へと向かう。詰所の窓口に声をかけたら、向こうからパスポートですか?と聞かれた。それからパスポートの発行のために行き先と個人情報を確認された。チビの年齢と居住先(都道府県レベルでOK)を伝えた。

行き先についてだが、今回は行きは桂島で下船し、戻りは朴島からの乗船を予定している。市営汽船は各島へ寄港するのだが、その便の時間は概ね2時間おきくらいなので、4島を順繰りに回ろうとすると8時間以上かかってしまうことになる。それぞれさほど大きな島でもないので、滞在時間を考慮すると時間を持て余してしまう。

そこで渡船だ。これらの島の間は市営汽船とは別に各島の間を結ぶ渡船が運行されているので、これを活用して朴島まで移動しようという算段だ。

その場合、どのように申し出れば良いのか分からなかったので、その旨を質問すると、プリント用紙の切れ端のようなものを渡された。

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こちらがうらとこどもパスポート。ちょっとドラえもんのようなテイストを感じるがそれはさておき。区間は塩竃から朴島間の往復となっていた。桂島での下船時に係員にその旨を伝えてくださいとのこと。

このパスポートによって、桂島まで260円、朴島から320円の計580円分が無料になった。なんとホスピタリティの高い施策だろうか。

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その詰所の目の前に市営汽船乗り場がある。

Posted by gen_charly