石巻・浦戸諸島巡り【11】(2024/03/30)

朴島:


この島は他の浦戸諸島の島々と比べると小ぢんまりとしている。極々小さな集落が島の南東部にあるのみで、後は松島白菜の畑が広がっている。人口は20人未満と、過疎の島として限界が見えつつある状況だ。

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渡船は我々を降ろすとほどなく島を離れて行った。なんか置いて行かれてしまったような寂しい気分になる。あと30分もしたら塩竃に戻る市営汽船が入港してくるはずだが、本当にこの島に来てくれるのだろうかと不安になる。島の岸壁は真新しいコンクリートで固められていて、その無機質さと、ひと気のなさが余計にそんな気分を掻き立てる。

島の周囲の海面には、一面の養殖棚が広がっている。

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港の岸壁にホタテの貝殻が積み上げられていた。やはり養殖棚で育てているのはホタテらしい。

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寒風沢島と同様、堤防の裏側へ回ったところに集落が広がっている。目の前に船の待合所を兼ねた集会場があり、その周りに災害公営住宅が数棟建ち並んでいる。これらもURの仕事によるものだそうだ。

それ以外にも点々と家屋が残っているのが見える。

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とりあえず一旦待合所を覗いてみた。この待合所には何冊かの書籍が置かれていた。もし船の時間まで大幅に時間が空いても、ここで読書しながら待ちぼうけができそうだ。

 

ホタテの貝殻の正体:


5分ほど休憩を挟んで、島の北を目指して路地を歩き始めた。

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すると、ひと気がないと思っていた集落の奥の方で漁網やホタテ貝のカゴに紛れるように作業をしている人がいた。

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その脇にはリンガーハットのチャーハンを作る機械のような円形の筒の中で、ホタテの貝殻がぐるぐると回っている。中から時折濁った水があふれるように吐き出されていて、それをチビが興味深そうに観察している。何をしているところだろうか。

チビが気になるというので、あそこのおじさんに聞いてみなと促してみた。チビはおじさんに声をかけて、何をしているんですか?と質問した。おじさんは作業の手を止めて、ホタテの貝殻を洗っているところだと教えてくれた。

そこまで聞いてチビは満足してしまったようなので、続きを自分が聞いてみた。この辺りではホタテを養殖しているんですか?と聞くと、これはカキの種を付けるための貝殻で、ホタテの養殖の盛んな網走などから殻だけを仕入れているのだそうだ。へぇ、カキってそんな風にして養殖しているのか。確かに宮城といえばカキが特産だ。それだけに養殖棚にぶら下がっていたホタテの貝殻にちょっと意外な感じを受けていたのだが、そういうことだったのか。

意外な場面で島民との会話の機会を得ることができて自分も満足。チビはそのホタテの貝殻洗い機の動きに目を奪われていたが、のんびりしているとここから動けないまま帰りの船の時間を迎えてしまうことになりかねないので、お礼を言って先に進んだ。

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とはいっても小さな島なので、歩ける範囲はそれほど広くはない。そのおじさんたちのいる所から50mも進んだら集落を外れて、人家のない細道になる。

道は一度クランク状に進路を変えて、別の谷筋に入る。その先には白菜と思しき野菜が植えられた畑が広がっていた。

 

朴島の沈船:


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その畑の先に白い堤防が見えてきて、道はそこで行きどまりとなる。自分はこの堤防を見に来たわけではない。グーグルマップでこの辺りに沈船があるという情報を見つけたので見てみたくなったのだ。とりあえず堤防の上にあがってみる。

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堤防に上がると、目の前の湾口にフタをするように、通合島箱ヶ崎島の2島が並んで浮かんでいるのが見えた。いずれも無人島だ。

その先にもう一段低い堤防が控えていて2段構えになっていた。コンクリートの色が違うので、震災以降に手前側の堤防が増設されたようだ。

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で、旧来の堤防の方に登ってみると、足元にその沈船が見えた・・・といっても潮が引いているので沈んではいなかったが。

この船は震災の津波で沈没した船だという。まぁ、ご覧のとおり単なるボートである。沈船というよりは浜辺にうち捨てられて、片付けていないだけのものにしか見えない。ちょっと肩透かしを食らってしまった。

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というわけで、まぁとりあえず目的を達成してなんとなく満足。もう出港時刻の10分前になろうとしている。ぼちぼち戻らないと、ということで、2、3分ほど岸辺で戯れてから来た道を戻った。

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港に戻ると既に市営汽船は入港していた。潮が引いているせいでだいぶ低い位置に停泊している。出港直前の時間となっているが、意外にもまだ乗船を開始していなかった。

数分待っていると、岸壁と船の間に渡し板がかけられて乗船開始となった。運賃は下船時の精算とのこと。

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誰も乗っている人がいなかったので、再び最前部のかぶりつき席を確保。ほどなく出港となった。

というわけで、今回の旅で新たに4つの島に足跡を残すことができた。元からそのつもりでいたので言ってもしょうがないことだが、各島の滞在時間が30分程しか確保できず、少し物足りなさが残った。往復の市営汽船の時間の都合もあったのでやむを得ない。とはいえここの航路は早朝5時台から運行しているので、もっと早い時間の船に乗っていれば、もう少しのんびりと散策できたかもしれない。

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船に乗るとこれまで見た景色を逆再生するように景色がロールバックしていく。が、暖かい船の中にいると散策の疲れでだんだん眠くなってくる。結果ほとんど寝て過ごして1時間弱で塩竃に戻り、今回の島旅コーナーは終了となった。

Posted by gen_charly