沖縄社員旅行2006【2】(2006/07/16)
万座毛:
2006/07/16
今日は終日フリーである。今回は昨年見て回ったところへ再訪しつつ島北部のやんばるエリアも回ってみようと思っている。やんばる方面へ行くのは初めてなのでどのような風景が見られるか楽しみだ。
最初に向かったのは沖縄きっての有名な観光地であるにも関わらず、前回は行けなかった万座毛(まんざもう)。
万座毛はホテルの近所なので車で10分くらいで到着。
遊歩道を歩いて先端の方まで来ると、ゾウの顔のようにも見える海蝕洞が特徴的な岩場が見えてきた。
万座毛というのは1万人以上座れるくらい広い平地、と言う意味らしい。まぁ、1万人と言う数字に根拠があるわけではなく、うんと沢山くらいの意味だろう。ちなみに「毛」の意味は不明。生えている草木を毛に見立てたのだろうか。
周遊ルートに沿って遊歩道をぶらぶらと歩いていたら、紅型に身を包んだ女性がスタッフと思しき男性と共に向こうから歩いてきた。着慣れているのか身のこなしもサマになっている。
綺麗だなと思い、遠くの景色を写すフリをしてフレームに入れ込んだ写真を撮ったら目が合ってしまった。咎められるかと一瞬緊張したが、優し気な笑顔のままこちらに寄って来て、写しましょうか?と声を掛けてきた。
その申し出に自分は思わず身構えてしまった。紅型が普段着なんてことはないだろうから、この人たちは恐らく観光客相手の商売人である筈。例えば一緒に映り込んでお金を頂くような商売の人なのではないか。アコギな商売をしている訳じゃないだろうが、押し売りのようにやってきて、一緒に写真を撮ってお金を取られるのはなんか釈然としない。というかそれ以前に大抵カミさんがこういったものに難色を示す。
なので通常はお断りするかスルーするのが我が家の暗黙の了解となっているのだが・・・。
どうする?とカミさんの方を向くと、記念になるしたまにはいいんじゃない?とカミさんにしては非常に珍しいアンサーが返ってきた。沖縄のムードが彼女を開放的にさせた、と言うやつか。
そういうことならと撮影をお願いした。するとスタッフの男性が自分のカメラを使って、自分とカミさんの2ショットとその紅型のお姉さんを交えた2ショットを数枚撮影してくれた。
はい、これでおいくらですか?と身構えていたら、撮影のために預けていたカメラをそのまま自分に戻して、ちゃんと撮れてますかね?とほほ笑んだ。きれいに映ってますね、と感想を述べたらそのまま、では、さようなら、と言い残して立ち去って行った。あれ、お金いいの?
どうも自分の思い過ごしだったようだ。好意を素直に受け止められず申し訳ないことをした。
瀬底ビーチ:
次に向かうは、瀬底(せそこ)島の瀬底ビーチ。自分的には瀬底ビーチに行きたいというよりは瀬底島に上陸したいだけなのだが、それを前面に出したらカミさんがつまらないと思うので、ビーチへ行ってみることにした次第。
ちなみに付近にはかの有名な美ら海水族館があるが、カミさんは水族館には余り興味がないというので今回は行かない。
途中、前回に引き続き道の駅許田(きょだ)で小休止。またしてもおっぱ乳業のソフトクリームに舌鼓を打ちつつ、またおっぱいと空目しつつ・・・で、本部(もとぶ)半島を海岸沿いに北進して本部港へ。本部港のすぐ近くに瀬底島へ渡るための橋が架かっている。
そして上陸。この島は島旅34番目となった。
ナビの案内に従ってビーチへの道を進み、入口近くのわき道に車を駐車。シーズンだけに停められている車も多くビーチは賑わっていそうだ。
車を降りてビーチへの道を歩いていると、向こうから見覚えのある顔が歩いてくるが見えた。常務だ。
普段、職場では厳しい人だが、今日は家族連れでリゾートモードのいいパパさんになっている。
だがこの人はカミさんの天敵。カミさんが嫌な人に会っちゃったよ、、、とでも言いたげな曇った表情になる。
すれ違いざまにカミさんの気分を害す一言を言われるのではないかと身構えながらすれ違ったが、一言二言この先のビーチの話をしただけで終わった。
「なんか、あの人はこういう時に限って遭遇するんだよ。。。」
常務一家が充分に離れたのを確認して吐き捨てるようにそう言った。そういう人いるよね。まぁ、何もなかったからいいじゃないか。とりあえず気を取り直してビーチに行ってみよう。
そこにはこれぞ沖縄!と拍手喝采したくなる、真っ白なビーチとマリンブルーの海が広がっていた。沖縄きってのビーチと称されるだけのことはある。観光客はそれなりにいたが、由比ヶ浜のような芋洗い場ではなかったので一安心。ビーチバレーをやっている人とか、甲羅干しをしているタトゥー入りの人とか、むやみやたらにオラついている人とか、そういう人はいなかった。
ビーチの海の向こうにはビッグサンダー・マウンテンのような山を従えた伊江島や、
水納(みんな)島が浮かんでいる。島旅記録を伸ばすために行ってみたいところだが、船に乗ったらそれで一日がつぶれてしまうので我慢。
さて、ここへ何しに来たかというと・・・何もしない。もちろんマリンスポーツなどをやるつもりもさらさらないので2人とも水着は非着用である。波に戯れたり砂を掘って遊んだりできればよいのだ。
これまで数度に渡って職場の女子を連れて沖縄のビーチを訪れているが、彼女らの水着姿は一度として拝めていない。
まぁ、自分がマリンレジャーの類をしに行くようなキャラクターじゃないから向こうも準備しないのだろう。いや、自分のことはいいからみんながめいめい楽しんでくれればよいのだが。むしろ水着にならなくて良さそうだから一緒に来てくれているまである。一緒に行ってあげるだけありがたいと思え、ということか。
個人的には残念だが、身の程を弁えなさいという意味だと理解した。
ビーチで一頻り戯れていたら丁度昼時となった。昼食は前回も食べたきしもと食堂に行こうと思っている。
もちろん、前回ありつけなかった新垣ぜんざい店のぜんざいが食べたいからだ。
という事で本部半島をぐるっと回って、再び約束の地であるきしもと食堂に到着。
前回ぜんざいにありつけなかったのは、食後のデザートにしようと思って後回しにしたら、自分らがそばをすすっている間に売り切れになってしまったからだ。
あの時の二の舞にならないよう、今回は先にぜんざい店の方に行ってみることにしたのだが、なんと改装のため休業中だった。。。流石に休業中は予想できなかった。なんか、ぜんざいに嫌われてるな。。。
やっていないなら仕方がない。そのまま踵を返してきしもと食堂の方へ行くと、こちらは順番待ちの列が長く続いていた。この辺りで他に食事ができる所を知らないのでやむなくその列に並ぶが、さいわい客の回転が速かったので思ったほど待たずに席に通された。
2人の前にソーキそばとじゅーしーが並んだ。意外なことにカミさんは沖縄そばの麺の味が余り好みでないらしい。
でもこの店のそばならその考えが改まるんじゃないかと期待したのだが、しきりにつゆが旨い!と連呼するものの、そばの味には触れなかった。やはり口に合わないのか。
後ろがつかえているので食べ終わったらすぐに退店、一服を済ませたら次の目的地へ。
慶佐次湾のヒルギと福地ダムの洪水吐:
本日は前述のとおり沖縄本島北部のやんばるエリアに行ってみようと思っている。特に最北端の辺戸(へど)岬には行ってみたい。
行きは南東側の海岸に沿った県道を通り、辺戸岬に着いたら今度は北西側の国道58号で戻るコースで回ってみることに。
そのルートとしたのは、昨年訪問して洪水吐を見ずに帰って来る羽目になった福地ダムに再訪しようと思っていたからでもあった。
まずは東村の慶佐次(げさし)湾のヒルギ林から見て行きたい。
車を走らせること1時間ほどで到着。
ヒルギ林は慶佐次川の河口の周囲に広がっている。駐車場のすぐ近くが園地になっていて、そこから河口周辺に生育するヒルギの姿を見ることが出来る。
広場から水辺に降りてみたら地元の小学生たちが遊びに来ていた。カミさんが距離を取らずにその近くに立つものだから、引率の先生みたいになっていた。
訪問時は知らなかったのだが、このヒルギ林は結構規模の大きなものであるらしく、それらを見学するための遊歩道が上流方向へと続いていたようだ。我々はそれに気づかずに園地だけ見て先に進んでしまったので、ここのヒルギ林の凄さを知ることが出来なかった。ちょっと惜しいことをした。
次の目的地は例の福地ダムである。と言ってもダムの堤体は前回見学したので、今回は前回見られなかった洪水吐を見に行ってみようと思う。ヒルギ林からあまり離れていない場所にあり、10分ほどで到着。
洪水吐の先にある導水路をまたぐ橋の上から洪水吐を眺めた。これが世にも珍しい海に放出する洪水吐か。。。
と言っても、山あいに堰堤があるだけにしか見えず、この写真を見てその珍しさを感じることはちょっと難しいかもしれない。
一方、橋の反対側を眺めるとこのようになっている。
導水路がスキーのジャンプ台のような急勾配で海に向けて降下している。もちろん今は雨も降っていないので水がここを流れることはないが、洪水調整のために放水されている時など、さぞ壮観な景色となるだろう。
福地ダムの周辺は湛水域の上流方向がどんどん海岸の方へ近づいていく地形になっている。その上流端はほぼ海岸に接した場所にあり、ほんのわずかに谷間を開削するだけで海岸と繋がってしまう。なのでこうして上流端側に洪水吐を設けているのだ。これならダムの水量が大幅に増えても余分な水を人家のない海にそのまま放出できるので、ダムの安全性が一層高まるという訳だ。
この先はこれと言った見所がない道が続く。そこを延々と走って辺戸岬を目指す。