仙台出張【4】(2023/05/16~05/18)

仙台市電保存館:


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人工地盤になっている車庫の敷地を回り込むように進んでいくと車庫への入口がある。地図上では仙台市電保存館はこの辺りと表示されているのだが、車庫の敷地内にあるのか分かっておらず、ここを入ってよいものか一瞬躊躇した。だが目を凝らすと奥の守衛の建物に仙台市電保存館と書かれた看板が見えた。

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守衛に会釈して保存館に入る。
流石に平日の午前中ということもあり、来訪者は誰もいなかった。

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館内には、かつて仙台市で走っていた路面電車が3両とその他機材や看板などが保存されていた。

館内にいた職員から、車内も入れますので見てってください、と声がかかった。じゃあ、ということで一両ずつ見て回ることに。

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まず最初は1型と呼ばれる開業時に製作された車両。大正時代の車両なので2軸単車と呼ばれるスタイルをしていて、デザインもクラシカルだ。

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お言葉に甘えて室内にも入らせてもらった。窓の上の方が10センチほどの明り取り窓になっている手が込んだデザインになっている。

車体の幅が狭いからか座席の座面も小さなもので、まさしく腰掛けと言った感じだ。

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次の車両は100型の123号車。終戦後ほどなく製作された車両とのこと。
この車両で特徴的なのは非対称の前面デザインだ。右3分の2ほどが大きな一枚窓になっていて、残りの3分の1に開閉可能な窓が設けられている。

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扉が片側3枚になり、座席も千鳥状に配置された割と近代的な設計になっている。

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運転席はご覧のとおり中央に腰掛けるような設計になっている。視界を確保するために大きな窓にしたのかと思っていたのだが、これでは運転手の中央右側にフレームが来てしまって死角になるのではないかと思った。

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続いて400型の415号車。昭和中期に製作された市電最後の新形式だそうだ。この車両は前面が流線型(と言ってもカクカクしているが)になり、前面窓はちゃんと中央に寄せられた。

前面窓は開閉可能で、風通しが良くなるようになっている。

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室内はこのような感じ。元々ツーマンで運行されていたので、車掌台と車掌用の引きガラス設けられている。
後年にワンマン化されたそうだ。

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先頭部分は幅を絞った形状になっている。そのため座席も先端部分だけやや内側に折り曲げた形状になっているのが斬新である。

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それぞれの車内には市電の運転系統図が掲示されていた。

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建物の片隅に上にあがる階段があったので登ってみたら、車両を上から眺められる展望台になっていた。
路面電車の屋根というのはなかなか見る機会がないが、こうしてみると案外シンプルなものである。

一通り見学を終えて職員に挨拶をして退館しようとしたら、職員からペーパークラフトを頂いた。そのうち組み立てみたい。
お礼を言って退館。

 

富沢の車庫:


さて後はホテルに戻るだけなのだが、肝心の南北線の車庫の様子が全く見られていない。車両の撮影という意味では南北線はどの駅からも撮影可能なので別に頑張らなくてもよいのだが、どうせなら車庫に停車する車両たちの様子も眺めてみたい。少しだけ悪あがきしてみることにした。

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車庫の敷地に沿って富沢駅とは反対側に出てみた。車庫に沿って道があるがこちらも高い擁壁に遮られていて中の様子は伺えない。
一方、車道左側のフェンスの向こうは仙台南部道路になっていて、道路より向こうへ引いてみることもできない。どうにもガードが堅い。。。改めて地図を見てみると、仙台南部道路の向こう側に名取川が流れている。ひょっとしたら名取川の堤防からなら見えるのではないかという気がするのだが仙台南部道路の反対側へ渡る道が分からない。

とりあえず写真の道をあてどなく進んで行くと、一か所仙台南部道路をくぐるガードがあった。そこをくぐって反対側へと渡ったら堤防に上がることが出来た。

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堤防は車庫や南部道路よりも高い場所に位置していて、やや遠いが目論見どおり車庫の中の様子もはっきり見えた。

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奥の方に歩道橋が見えたので、撮影ポイントを探しつつ堤防を歩いて歩道橋から元の道に戻ることにした。

歩いていくと停車している車両を真横から撮影できるポイントがあった。

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と言ってもスマホのカメラなので倍率は2倍ズームまでしかできない。また道路が邪魔ではあるが、まぁ、こんな感じの写真が撮れる。
南北線の1000系車両は20m級の車両なのだが、先頭車両も中間車両と客室内の長さを合わせたため、先頭車両のみ車体長が22mとなっており、非常に珍しい設計になっている。

そのせいで先頭車両の運転台側台車の位置から最前部の端までが大きなオーバーハングになっており、妙に間延びしている。写真は遠いのでやや見づらいかもしれないが、その様子が分かると思う。

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さて、満足とは言い難いものの車庫の様子の撮影も無事終わったのでぼちぼち戻ることに。帰り道は流石に電車で戻った。

それから午後の間仕事したのだが、急遽頼まれた仕事を片付けていたら夜中になってしまった。結果的に朝から仕事をしていたのと同じ分だけ働いてしまった。

 

帰宅:


2023/05/17~18

この両日も客先で作業だった。朝から気温がぐんぐんと上がり上着を着ていると汗ばむほどだ。
17日の作業は順調に完了し夕方過ぎにはホテルに戻ってきたが、外は暑いしなんか歩き疲れたのもあって、結局買い物以外外出しないまま終わってしまった。

 

そしてついに最終日。客先作業が終了したらそのまま帰宅のコースである。7日間居た仙台ともこれでお別れ。ようやくちょっと地元に馴染んできた感があったのにw

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仙台駅の新幹線ホームに上がったら、昔の東北新幹線の塗分けになっているE2系が入線していた。
懐かしいと言えば懐かしいが、なんかスマートすぎてちょっと違うんだよな、という感じもなくはない。でもE5系にはできない芸当ではある。

ということで7日間の長期出張は幕を下ろした。まぁ、殆ど仙台市交通局の鉄道車両を撮影したことを報告するためのエントリになってしまったが、思い出話として記憶にとどめておきたかったのでエントリを立てさせてもらった。

Posted by gen_charly