お伊勢参りと三河湾の離島めぐり【10】(2015/04/28)
港から10分ほど歩くと、遊歩道への道が分かれる。その分岐点に美多羅志(みたらし)神社という、なんともおいしそうな名前の神社と、潮音寺という寺が隣り合わせで建っている。
美多羅志神社は拝殿が設けられていて厳かな雰囲気を醸し出している。伊勢神宮からもそう遠くない場所なので、格式が高いのかもしれない。
また、隣の潮音寺の方も玉砂利の長い参道があって、割と本格的だ。
それぞれご挨拶かたがた、島内観光の無事とカミさんの安産を祈念してから寺の裏手に伸びる遊歩道を歩き始めた。
この遊歩道が越える山の名前は岩屋山というそうだ。遊歩道も正しくは岩屋山遊歩道と言う名前らしい。進み始めてほどなく一つ目の古墳である蟹穴古墳への分岐がある。
案内に従って進むと、ほどなく小さな広場に出る。
ネットなどに出ている写真は、ここに古墳が存在していたことが明確に分かるような遺構が見えるのだが、2人が来た時は周囲が雑草に覆われていて、知らずに来たらただの広場にしか見えないのだが、一画に一抱えほどの大きさの石が列をなしていて、ここが遺構であることを主張していた。
蟹穴古墳からもう一頻り山を登ると、頂上付近に岩屋山古墳がある。
頂上の小高く盛り上がった所に、トンネルのようなものがある。これが岩屋山古墳とのことだ。
第二次世界大戦のときには塹壕として使っていたそうだ。
こちら側は穴が補強されて立ち入り禁止となっているが、反対側の穴は特に何も手入れされておらず、自由に入れそうだった。
で、ここからは下りに転じて答志の集落まで続いている。
カミさんは棒切れを手に振り回して上機嫌の様子。とりあえず一安心。
途中の展望台からは、答志集落方面の海が見渡せるが、もやってて感動はイマイチ。。。
更に下ると、集落に降りてきた。海岸沿いの集落は割とどこでもそうだが、ここもたいそうごちゃごちゃしている。
有限の土地に人を詰め込むとどうしてもこうなってしまうのだろうが、日当たりや風通しの悪さは都心部の狭小住宅地とさして変わらないような気がする。
集落に入ると、あちこちの扉に丸に八のマークが書かれている。
島の八幡神社の神事で島の男たちが取り合った墨で書かれているそうで、魔よけや家内安全を祈念したものとのことだ。
例の布団屋さんは、多分関係ないと思う。
こちらも集落内は車も入れないような細道だ。
この風景を見ていて、昔テレビの「はじめてのおつかい」でこの島の女の子がお使いに行く回があって、その時の島の様子が印象に残り、いつか行ってみたいなー、と思ったことを思い出した。
図らずも上陸が果たされたわけだが、何か呼び寄せられるものがあったのだろうか?
さて、ぼちぼち昼を回り、昼食を食べたいところだが、集落に飲食店はあるのだろうか。
まぁ、観光客向けの海鮮屋くらいはあるだろう、と思いながら、スマホで調べていたら、集落の中に地元向けの食堂があるようだ。
ということで、わかりづらい道を少しうろついて店にたどり着く。
店の名前は「ロンク」というそうだ。ロンクって何だろう?
店内はカウンター席とダイニングテーブル席と座敷席があるようだが、店のあちこちに小物が置かれて座ってよい場所なのか若干判断に困った。とりあえず無難にテーブル席に着席。
お茶もペットボトル(多分、ボトルは再利用)で出され、田舎の台所みたいだ。
すしと伊勢うどんのセットというのがあり、このうどんをめひび伊勢うどんに変えてもらった。
すしのネタは特段珍しいものでもなかったが、見た目の普通さとは裏腹に味はなかなかだった。
一方、めひび伊勢うどんというのがこれ。めひびというのがどんなものか気になったので、頼んでみたのだが、極太のめかぶのようなものだった。めひびが出すとろみがうどんとマッチして、これまたなかなか。
よそでは食べられない味かもしれない。
食後は、いよいよ島の温泉だ。
温泉はフェリーを下船した和具の集落にあるので、戻りのコースだ。
和具の集落をそのまま通り過ぎて桃取集落へ向かう道を少し進むと、その温泉がある。
これが、答志島温泉 水神の湯。
今回の旅はあまり温泉に入れていないので、ここでゆっくりと旅の疲れを落とそう、と思ったら。。。
休みだった。結局、温泉はまたしてもお預け。
船の時間まで少し時間が余ってしまったので、もう少し散策しようと思ったのだが、カミさんはちょっと疲れたのでフェリー待合所で休憩したいそうだ。
ということで一人でぶらついてみることにした。時間があれば桃取集落に行ってみたいところだが、そこまでの時間はないので、近所を散歩。
上の写真は九鬼義隆の胴塚。
で、この水たまりのような場所は血洗い池、という。
きれいに手入れされている場所だが、その景色とは裏腹におどろおどろしい名前がついている。。。
あとは集落内を適当にぶらぶら歩いて戻ってきた。
待合所でカミさんと合流すると、ほどなく船の出航する時間になり、答志島を後に。
このページで歩いたルート
もっと時間をかけてあちこちを見て回りたい、という思いもなくはなかったが、いくら有休期間中とはいえ、すでに4日目だなので、そろそろ帰りのことも考えなければならない。
いつかゆっくり時間が取れたら、付近の島々を含めじっくりとあちこち巡ってみたい。
再び鳥羽に戻り、帰途につき始める。
といっても、今日中に家にたどり着くのは流石に体力的に無理なので、今日はお風呂に入って、どこかでもう一泊して明日ゆっくり帰ろう。
温泉は、「みたすの湯」というところに行った。
スーパー銭湯風ではあるが、潮風を浴びてベタベタになった体を流したらとてもすっきりした。
明日は名古屋名物のモーニングを食べたいそうだ。あれ、ただのトーストだぜ。と思ったが、シャンテーコジマという店のモーニングはかなり特徴的ということなので、店に一番近い道の駅となる、道の駅立田ふれあいの里が、本日の終着地となった。