伊豆ドライブ【2】(2019/06/30)

2019/06/30

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カミさんとチビは朝早くに起きて、恒例の朝散歩に出かけて行った。自分は戻ってくるまでもうひと眠り。
1時間ほどで帰ってきた2人に起こされる。が、2人はその足で宿の風呂に行ってしまった。元気だね。。。

その間に布団を畳んで、ぼんやりと外の景色を眺める。
集落内に建つ民宿なので、あたりは建物が密集している。見晴らしは決して良くはないが、少し建付けの悪い古いアルミサッシ越しに昭和で時間が止まっているような街並みをぼんやり眺めていると、何とも言えない風情を感じる。曇っているのがまたいい。少し切ない気分に浸れる、たまらなくいい時間だ。

風呂から2人が戻ってくると、朝食の時間。
食べながら、散歩の様子を聞いてみると、海岸の足湯や想い出岬への遊歩道を散策してきたそうだ。
へぁ、そんな趣深い所があるのか。頑張って起きて一緒に行けばよかったかな。。。

朝食を済ませたら行動開始。折角西伊豆に来ているので、西伊豆の観光地の散策も考えたが、チビが天窓洞や恋人岬を見ても楽しめないと思ったので、結局向かったのはバナナワニ園。

山越えをして河津に出て、そこから熱川方面に進むコースだが、河津に入る直前でチビが急にむせ始めたかと思ったら、押さえる間もなくリバース。ずっとおもちゃを触っていたので、車酔いをしたようだ。

チビが車酔いをするのはこの時が初めて。車嫌いにならなければいいが。。。
幸い、リバースした場所の目と鼻の先に神社があって、水道を借りられたので、事なきを得た。

流石にすぐには落ち着かないと思い、15分くらい近辺を散策。ようやく顔色が戻ってきたので再び出発するが、おもちゃ遊びはちょっとお休み。

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で、バナナワニ園に到着。自分は前年の社員旅行でも来ているので2度目だ。

さて、ワニである。絵本などでワニが主人公になっているものをよく見かけるが、リアルなワニを見たらどんな反応をするだろうか、というのがここをチョイスした思惑。

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園内にはクロコダイル、アリゲーター、カイマンなど多種多様なワニが飼われている。が、爬虫類は基本的に無駄に動かないので、ほとんどじっとしている。

絵本のワニは、のほほんとしたキャラクターで描かれていることが多いが、一方で動物番組などでは噛まれたら即死するような凶暴な生き物として紹介していることが多い印象である。チビは絵本を読むのも動物番組を見るのも好きなので、どちらの姿も見ているが、ここにいる連中はたいていダラダラしている。

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ほかのワニが近づいても、ダルそうに体をちょっとだけ動かす。その姿はほぼ休日のグータラ親父である。そこに凶暴さは微塵も感じさせない。かといって、絵本のキャラクターのような愛らしさもない。

園の敷地は二カ所に分かれていて、両者を結ぶバスが運行されている。そのバスに乗り込んで、もう一つの園の方に行ってみる。
こちらではワニの餌やりショーをやっているそうだ。始まるまでまだ少し時間があったが、オリの周りにはすでに大勢の人だかりができて、餌やりの時間を今かと待ち構えている。

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隙間を見つけて我々も見学させてもらう。程なく飼育員が檻に入ってエサの肉を棒に刺してワニの口元に運ぶ。
と、それまでグータラ親父だったワニどもが同じ生き物とは思えないほど俊敏な動きで肉に食らいつく。激しい餌の取り合いも見られ、臆面もなく凶暴サイドを一気にむき出しにした。

チビは最初はキャッキャと楽しんでいたが、餌やりでワニの本性を見たら流石に怖くなったようだ。

ということで、気分を変えてバナナ園の方へ。・・・が、こちらの方は写真をほとんど撮っていない。

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建物の屋上は展望台になっていた。眼前に相模灘が広がるが、天気がどんよりしていて寒々しい。
ということで、バナナワニ園、堪能しました。チビが堪能できたかどうかはわからんが。。。

それから軽く昼食をとって、戻りのコース。
来るときに、途中で「峰温泉の大噴湯」という看板を見て気になっていた。間欠泉だろうか。関東近郊で間欠泉はあまり見かけないので、見てみたい。バナナワニ園の後立ち寄ってみることにした。

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入場は無料である。

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敷地の中にやぐらが組まれ、もうもうと湯気を吐き出している。こいつがどのように温泉を噴き上げるのか見ものである。

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ここでは温泉卵を作ることができる。卵は敷地内の売店で売られている。折角なので茹でてみることに。
茹で場はやぐらのすぐ脇。いつ温泉が噴き出すかと思うと近づきがたいが、店の人に話したら、噴出する時間をコントロールしているから大丈夫ですよと教えてくれた。

ん、時間をコントロールしているとな?

そう。ここは間欠泉ではなかった。言われてみればどこにも間欠泉なんて書いていない。思い込みって怖いね。
ではこれは何者かというと、温泉の噴出孔だそうだ。かつて、ここの敷地の主が温泉を掘っていたところ、水圧の強い水脈を掘り当てたらしく、温泉が噴き出したのだそうだ。

その温泉は50mもの高さまで噴き上がったらしい。噴出は見事なものだったが、折角発掘した温泉、そのまま垂れ流してはもったいないということで、地域の温泉宿に温泉を供給することになり、噴出孔は閉じられてしまった。
だが、こんなに盛大に噴き出す源泉も珍しく、観光客向けにその噴出孔を一定間隔で開閉して公開しているのだそうだ。

つまり、ここは本来常時噴き出している。間欠泉は自然に周期的に温泉を噴き上げるものを指す。なのでこれは間欠泉ではない。

なるほど、これはそれをコントロールするためのやぐらなのか。納得。
自然の力で間欠で噴き出す温泉というのも神秘的な魅力があるが、これはこれで面白そうである。

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温泉が噴き出す時間も卵が茹で上がる時間も、まだしばらく先なので、それまで足湯でまったり。

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卵が茹で上がる時間になったので、お湯から引き揚げて、近くの東屋でパクつく。茹で加減絶妙。おいしい。

みんなで温泉卵に舌鼓を打っていると、やぐらの方がにわかにやかましくなってきた。

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やぐらの方を見るとてっぺんから湯気のようなものが立ち上り始めた。湯気だと思ったらそれが噴き上がる温泉だった。思っていたのと違い、静かなものだ。もっと、どどどーっ、という地鳴りのような音と共に噴出するのかと思っていた。

こんな天気なので、背景と被って見づらいが、15mくらいの高さに噴き上がっている。
かつて、50mもの高さで噴出したという話からするとかなり控えめだが、近隣の温泉にお湯を分けているせいで、水圧が幾分下がっているのだとか。

2分くらい見とれていたら、噴出が止まった。興味深く見学させてもらった。

あとは宿に戻るだけである。宿に着いたのは17時前。食事の時間までまだ少し時間があったので、周辺の散策に出かけた。

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雲見集落は集落の中央を流れる太田川の両岸に小ぢんまりと広がる集落である。背後には山が迫り平地が少ないので窮屈そうだ。
海沿いを走る国道も、山の中腹から港の上を陸橋で一気にまたいで、反対側の山に吸い込まれている。道路を地面の高さまで降ろせないほど狭い集落なのだろう。
そんなところも秘境っぽさに輪をかけている。

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宿の近くの小道に入り込んでみた。道はひたすら上り坂。山手の家々の軒先をかすめながら歩いて行くと、やがて元の道に戻ってきた。

地図を眺めていて気が付いたのだが、雲見温泉の温泉宿はなぜか人名がついているところが多い。
それだけ古くから船宿・温泉宿を営んでいる人が多いのだろう。

散策を終えて宿に戻ってきたら、丁度夕食の時間になった。ありがたいことに部屋食である。

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品数はさほど多くはないが、新鮮な海の幸がテーブル一杯に並べられて幸せな気分になる。

宿の外で食事する前提で素泊まりするのも悪くないが、タイミングを外して食べ損ねたり、そもそも店がなかったり、カミさんが節約モードに入っていたりすると、スーパーの弁当で済ませることになるが、正直言ってスーパーの弁当は侘しい。

食後は布団を敷いてまったりと過ごす。気が付くと眠りに落ちていた。チビより先に寝てしまったかもしれない。

Posted by gen_charly