札幌出張【9】(2021/08/14~08/15)
右手にずっと見えている利尻富士の脇に太陽が間もなく沈もうとしている。
そろそろ車を停めようかな、と思ったら丁度良いタイミングで休憩施設があった。
浜勇知展望休憩施設という場所で、こうほねの家、という建物が建っていた。先にトイレを済ませて海岸に出る。
ここまでの道すがら、車は殆ど見かけなかったが、この休憩所には数台の車と20人くらいライダーの集団がいた。いるところにはいるもんだ。
太陽は間もなく水平線の下に沈もうとしている。絶景だなぁ。。。
日没までしっかりと見届け、寒さに耐えかねて慌てて車に戻る。長袖パーカーを羽織っているだけなので、16℃なんて気温にはまるで太刀打ちできない。。。
さて、これでイベントらしいイベントは全て終わった。あとはひたすら夜のドライブ。そして、明日の帰京で、今回の長期出張も幕を下ろす。名残惜しいが、仕事の合間の休暇の過ごし方としては十分すぎるほど色々やった気がする。
日が暮れたら周囲の景色も見えなくなり、目の前の道路と街灯だけの世界となる。周りが良く見えなくなる分、運転に集中できる。
が、これだけひと気のないところだ。うっかりヒグマやシカなどに遭遇しないことを願う。。。
視線の先には、これまで通りのまっすぐな道が続いている。
遠くに車のライトが見えて、その車とすれ違うまでに2分くらいかかる。どんだけ見通しがいいんだ。
そんな道なので、スピードを上げたくなるところだが、よそ者なので制限速度+10キロ前後をキープ。
10分に一度くらい、そんな自分の車のバックミラーに映り始めたライトが見る見るまに近づいてきて、あっという間に追い越される。
お前ら何キロで走ってるんだ。。。
少し腹が減ってきた。予想通り店らしきものはまるでない。家がないのだから店があるわけがない。
稚内で済ませるべきだったかと思ったが後悔先に立たず。
コンビニなど期待できそうにもない人口希薄地帯だが、セイコーマートくらいならあるかもしれない。次にコンビニがあったらそこに入ろうと思いつつ走らせていくと、やがて天塩の街に入った。
コンビニの看板を意識して街中を進むが、気が付くと市街地を抜けてしまった。戻って探したい、と言うほど空腹という訳でもなかったので、そのまま進む。
自分だけの世界のような錯覚に引き込まれながら道を進んでいたら、視界の先に突然赤く光るものが見えた。よく見ると花火だ。
しかも割と盛大に上がっている。カーナビで確認すると遠別(えんべつ)という町のあたりのようだ。
このご時世に、しかもこの涼しさで、大勢の浴衣姿の見物客が集まっているのだろうか、余計なお世話か。。。
花火を眺めながら20分くらい走ったら遠別の市街に入った。そして程なくセイコーマートを発見。ほんと、セイコーマートはどこにでもあるなぁ。。。
ここらで夕食を調達しておきたいところだが、花火は街に入る少し前に終わってしまった。
あれだけ盛大に上がった花火大会なので、もしかしたら近隣からも見物客が大挙して押し寄せているかもしれない。その花火が終わったわけだから、この後は帰宅ラッシュとなる可能性が高い。
それなら、ここは見逃しにして、ラッシュに巻き込まれる前に街を通過してしまった方が得策なのではないか、と思った。
一方で、ここまでの道のりに人の気配が無さ過ぎだったので、もしかしたらこの先も当面店がないかもしれない。下手したら夕食難民になってしまうかもしれない、と言う不安もある。
一瞬のうちに導き出した結論は、立ち寄って速やかに晩御飯を調達、だった。
店内に入ると、自分の後に続いて、花火の見物客と思しき家族連れが入店してきた。カゴに盛大に好きなものを放り込んでいる。レジで先を越されたらすごく待たされそうな気がしたので、とりあえず手近な商品を適当に選んで店を出た。
と、同時にそれまで空いていた駐車場に立て続けに車が入ってきた。
やっぱり、この先混んでいるのかな?と思ったが、その不安は全くの杞憂だった。
特に混雑らしい混雑もなく市街地を通り抜けることが出来た。流石に付近に大きな街もないような場所なので、集まると言ってもたかが知れているということなのだろう。
買ってきたパンなどをかじりながらさらに進む。と、今度は隣の初山別でも花火が上がっているのが見えた。遠景ながら1日に2度も花火が見れるなんてラッキーだな。
そこから一時間ほどで留萌の街に到着。ここからは高速で札幌まで一気に戻った。
ほとんど脇目も振らずに運転したからか、札幌のホテルには24時過ぎくらいには戻ってこれた。
帰りは6時間半、高速を使っても使わなくてもそのくらいしか違いがないんだな。。。
※実データを乗せるとサーバに負担がかかりそうなので、画像で。
車のオドメーターは769キロだった。
(上の画像の距離グラフが650キロあたりで止まっているのは、深川で道央自動車道に合流したところで計測を切っているため)
道が空いていれば、日帰りでもこんなに走れるのだなぁ、と変な感動をしてしまった。
ほぼ丸一日運転していたような感じだが、不思議と疲れはほとんどなかった。
急いで風呂を済ませて就寝。
2021/08/15
長かった札幌出張も、いよいよ今日で最終日。
車の返却時間は10時だが、10時から次の予約があるので、遅延厳禁といわれている。まあ、朝ゆっくりして10時ちょっと前くらいに返してもよかったのだが、長距離ドライブで車には虫の死骸が大量にへばりついているので、洗車する時間くらいはあった方がいいだろうと思い、9時に返却してしまった。
それで、ホテルのチェックアウトまで少し時間ができたので、レンタカー屋からホテルまで散歩。その途中で札幌市電の写真を少し撮影。
30分ほどの時間だったが、新型の電車もやってきて写すことができた。
しかし、最近の路面電車はこんな形の電車ばっかだな。。。
ホテルをチェックアウトして、札幌から新千歳空港に移動。
空港はお盆のUターンラッシュの様相を呈していた。もう、ソーシャルディスタンスという言葉はどこかに行ってしまったようだ。
残った時間で土産物とかを手配して、定刻通りの飛行機で帰京。11日間の旅が終わった。
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今回は出張目的での渡道だったが、旧来の知人と再会できたり、行き当たりばったりながら、あちこちドライブに行って、最北端への訪問も達成するなど、なかなか有意義な出張だった。会社には休みをエンジョイしまくっていたことは口が裂けても言えないがw
子供がようやく遠出にも耐えられるような年齢になってきたというのに、コロナ禍が終息の気配を見せないので、全然遠出ができない。
そんな中、一人旅だからこその久しぶりの遠出は実に刺激的だった。
今度は家族で来たいところだが、いつになるのやら。。。
しかし、レンタカーである。計36時間借りた訳だが、その間の総走行距離は1500キロを超えた。
リンクの記事に書いた通り、借りた3台の車はどれも軽自動車だ。流石に自分でもどうかしている気がする。
一方、最近の車はこれだけの長距離ドライブをこなせるだけの性能があるんだともいえると思うが。