鳥取ドライブ【15】(2022/08/16)

2022/08/16

20220816_085727

懸念していたとおり昨晩はやや寝苦しかったが、扇風機パワーと疲労のおかげでそれなりには睡眠できた。
家だと蒸し暑い日の扇風機なんて焼け石に水でしかないのだが、車内だと扇風機の風があるだけでだいぶ快適さが違う。不思議なものだ。

20220816_072026

最近チビはなかなかの虫ガールである。田舎の道の駅だけに、光に集まる虫もスケールがでかい。建物の壁に衝突したり、車にひかれたりした死骸が朝の駐車場に大量に散らばっていた。それをいちいち破顔で報告してくる。親は微妙な笑顔で受け応える。
地元では見られない虫が多いのでテンションが上がるのも仕方のないところか。

すでにこの旅も4日目に突入したが、チビは全くの元気印。疲労の色が濃かったら宿への宿泊やプラン変更などが必要になると思って覚悟していたが、杞憂に終わりそうだ。

今日は観光としては最終日。目標は鳥取まで到達することである。鳥取と言えばなんといっても砂丘。そこを最終目的地としたい。
その道すがら、豊岡のコウノトリや、余部の橋などを見て回ろうと思う。
締めくくりの砂丘は、散策の時間も考慮に入れて遅くとも16時には到着したいところである。

20220816_083248

昨日と同じように朝食と朝の宿題を済ませる。今日はテーブルを出してやった。本当は持ってきていたんだけどルーフボックスにしまったままだった。

本日のお出かけ第一弾は、豊岡である。豊岡と言えばコウノトリ、コウノトリの郷と言う施設で保護・飼育を行っているそうだ。
道の駅からコウノトリの郷まではおよそ30分ほど。
コウノトリの郷に到着する直前の水田にコウノトリの姿を見つけ、車内がにわかに沸き立つ。

20220816_100310

ここは県立の施設であり、見学は無料。無料の施設の割に展示が盛りだくさんで楽しめるそうだ。
日本で貴重な鳥の筆頭格としてトキと両雄をなすコウノトリ。どちらもまだこの目で見たことがない。ぜひその姿を間近で見てみたい。

20220816_100737

駐車場に車を置いて歩いて行くと、川沿いに数棟の建物が並んでいる。その中で一般に公開されているのがコウノトリ文化館である。
手前にある橋で小川を渡る。川っぺりに網を持って魚取りをしている少年たちの姿が見える。夏休みだねー、なんて思いながら通り過ぎようとしたとき、チビがその少年たちに興味を持って近づいて行った。

20220816_100850

何を捕まえるのか見てみようと思ったようだ。カミさんを引っ張って、ひとしきり彼らとともに河原をうろつく。自分は草っ原にいると覿面に蚊の餌食になる体質なので、土手の上からその様子を見物。

20220816_101325

背後には広々としたコウノトリの飼育スペースが広がっていて、点々と飼育されている鳥たちの姿が見えた。
だが、ちょっと遠い。。。スマホではまともな写真を写すことができない。

10分くらいすると、少年たちが移動するというので解散。今度こそ文化館にお邪魔する。
入館は無料だが、入口で寄付を募っていたので、いくばくか募金した。そのお礼として折り紙を貰った。

20220816_101739

館内では、コウノトリの保護と繁殖に向けた様々な取り組みがパネル展示されていた。

そもそもコウノトリはかつて日本各地で見られる鳥だったのだが、今では激減して限られた場所でしか見ることが出来ない。激減の理由は、明治時代ごろの乱獲によるところもあるが、高度経済成長期に開発に伴って営巣するための木々が伐採されたことや、農薬などの使用により虫や小動物が減って、コウノトリの餌が減少したことも大きな理由なんだそうだ。

数の減少に伴って、後に天然記念物に指定され、保護と繁殖が試みられるが、激減した個体数は復活することのないまま、1980年代には日本に古来からいる種が絶滅してしまった。
現在見ることが出来るのは、ロシアから持ち込まれた個体を繁殖させたものとのこと。

繁殖の甲斐あって個体数が幾分回復してきたため、現在では放鳥も行っている。だが、野生に戻された鳥たちは、送電線に接触して感電したり、自動車などとの接触事故で死亡したりすることがあり、保護活動と並行してそれらを防ぐための取り組みなども行っているそうだ。

20220816_102840

展示物を見学していたら、奥の多目的ホールで説明会を開催するというアナウンスが聞こえた。せっかくなのでお話を聞いてみることに。

20220816_103003

ホールの窓は大きな開口部となっていて、開け放たれた窓の向こうにさっき外から見た飼育エリアが見える。
係員からは、上で書いたようなことの説明を聞いた。

へぇ、と思ったのは、コウノトリは大人になると鳴かないということだ。なぜか鳴くことをやめてしまうらしい。その代わり嘴をうちつけて出す音でコミュニケーションをとるらしい。

それと、近年では放鳥した鳥があちこちで目撃されるようになってきているらしい。
コウノトリは本来渡り鳥なので、遠くまで飛んでいくことがある。沖縄の宮古島や、わが千葉県でも野田市などで目撃事例があるそうだ。

というか、千葉県の目撃事例がどんなものか帰宅後に調べていたら、野田市は「こうのとりの里(コウノトリの郷ではない)」という施設で繁殖を行っており、既に順調に成果をあげているらしい。最近では毎年のように放鳥するところまで行っているということだ。

そのことは実に意外だった。豊岡まで行かなければ見られないものだとばかり思っていた鳥が、なんなら、自分の地元にも飛来しているかもしれないのだ。鳥の姿を目撃したらよく観察してみよう。

余談だが、日本やユーラシア大陸で見られるコウノトリは嘴が黒いのが特徴だそうだ。一方、ヨーロッパなどで生息している種は嘴が赤く、ヨーロッパコウノトリという別種とのこと。くちばしに布を下げて赤ちゃんを運ぶコウノトリのイラストはこのヨーロッパの品種がモチーフになっているとのこと。

20220816_111339

お話が終わったので、ほかの部屋も見学。工作室のような部屋にクラフトアートの台紙がおかれていた。コウノトリもあるということで、チビがチャレンジしていた。

20220816_111619

はさみで切るのはそこそこ上手にできるようになったが、山折り谷折りの指示がまだつかめないようで、途中からカミさんがヘルプしていたが、一羽完成した。

Posted by gen_charly