アメリカ西海岸の旅【2】(1991/03/30)
メキシコとの国境をまたぐ:
1991/03/30(現地時間)
この日は父のリクエストにより、バスでメキシコまで行くツアーを申し込んでいた。自分は正直メキシコかぁという気分だったので、テンションはあまり上がらなかった。
集合時間にホテルのロビーで待っていたら、ツアーガイドがやってきて合流。日本人でちょっと安心。その人の後について車へ移動すると、車の中から小学生くらいの男の子が出てきた。
今日のツアーの参加者は我々だけだったので、ガイドの息子さんを連れてきたのだそうだ。

車に乗り込んで出発。簡単にメキシコといっても、その距離は200キロくらい離れている。それなり長時間の移動だったが、車内は我々だけなので、ざっくばらんに会話を楽しみながら進んだ。
国境に面したサンディエゴという街まで進んだところで休憩。サンディエゴは軍港がある街である、と父が話していた気がする。
そのガイドの息子はひょうきんな子で、もっぱら彼と騒いだり、彼が持って来ていたゲームボーイを貸してもらったりして過ごしていたので、道中の記憶はあまりないw
休憩が済んだらいよいよ国境通過だ。国境は車でも通過することができるが、あえて歩いて通過するらしい。国境手前のパーキングに車を停め国境へ向けて歩き出したら、赤い路面電車が見えた。

サンディエゴ・トロリーの路線だそうだ。思いがけない鉄道との遭遇にテンションが上がる。乗ってみたかったが、ツアーコースには含まれていないので眺めるだけ。

そして国境ゲートを越える。歩行者は写真右側の通路を通ることになっている。国境なのでパスポートを見せて通過する。
日本は地続きで外国へ行くことができないので、歩いて国境を越えるという感覚はとても新鮮だった。ただの地続きなのにこちら側と向こう側では違う国なのだ。その慣れない感覚をどう解釈して良いのか、頭の中がぐるぐるとなった。
ティファナの街:

そしてメキシコの地を踏む。ここはティファナという街である。国境を越えたとたん、街中が急に雑然とした感じになった。国境を挟んで数キロほどしか離れていないのに、さっきまでいたサンディエゴとはまるで雰囲気が違う。やっぱりお国柄というのがあるのだなと思った。
国境を越えて少し歩いたところに、ショッピングモール(というかニュー新橋ビルみたいな雰囲気の複合ビル)があってそこを散策した。建物内は、どことなく東南アジア辺りのような楽天的な空気感が漂っていた。暖かい地域共通のセンスみたいなものがあるのだろうか。
ショッピングモールの中を散策していたら、ガイドが、何人かのその辺にいた女性店員に声をかけて記念写真を撮ってくれた。
できあがった写真は公開しないが、父はそういう場面で一切物怖じしないので、楽しそうな顔で写真に写っている。だが自分はそういうのに慣れていなかったので、顔が引きつっていた。なんか、女と写真を撮ったら喜ぶと思っているのかな?みたいな、ひねくれた思いが去来したことを憶えている。
それからタクシー移動で、近隣の商店街のようなところに繰り出した。ガイドがタクシーを捕まえると、ドライバーとしきりに価格の交渉をしていた。メキシコのタクシーはそうやって乗るのだが、ぼったくる奴が多くて気が抜けないと話していた。

その商店街には、道端で路上マーケットを展開している人がたくさんいた。それらの店の売り子から次々と声をかけられる。
「トッテモヤスイネ、シャチョ!ナンミョウホレンゲッキョ!!」
満面の笑みでそう声をかけられた時には、さすがに失笑してしまった。何言っているんだお前はと思った。
そんなこんなでおよそ2時間のメキシコ散策は終わった。

戻りがけにもう一度サンディエゴ・トロリーの写真を撮っておいた。ガイドが気を利かせて駅の近くまで立ち寄ってくれた。

券売機が近くにあったので、すかさず切符も購入しておいた。

それから帰りがけ、場所は分からないが、夕日のきれいなところに連れて行ってもらった。
他の同行者もなく、ガイドの息子さんも陽気で、なんだかアットホームなツアーだった。期待していなかったが存外に面白かった。