瀬戸内・四国ドライブ【4】(2023/05/03)
南京町:
20時も半近くなってようやく神戸市街に入った。もはや南京町の店もぼちぼち閉店し始める時間ではないだろうか。店が閉まっていたら何のために来たのか分からなくなるので、少しでもいいから屋台が残っていることを願いつつ、とりあえず手近な駐車場に車を停めて南京町の門をくぐる。
だがその不安は杞憂だった。まだ営業中の店も多く、観光客も大勢いてちょっと安心。どうにか父の威厳は保たれたっぽい。ともかく屋台を冷やかしながら食べたいものを見つけてちょこちょこつまんでみよう。
実はチビは中華料理があまり好きではないようなのだ。外食の際、中華料理の店に行こう、というとなぜかいい顔をしない。そのくせチャーハンとか餃子は大好きとか言っているので、単に食わず嫌いの類だろう。あるいはチャーハンや餃子を中華料理と思っていないか。
そこで今回は中華の美味しいものを食べさせて、食わず嫌いを克服するというミッションを帯びることになった。食べれば美味いっていうに決まってるのだから、達成難易度は低め。
通りの両側に旨そうな小籠包などが並べられた屋台が続いている。今日ロクなものを食べていないので、すぐに食欲を刺激される。だが、片っ端から食べて回るわけにもいかないので、まずは端まで進んで市場調査をしてからだ。
前回訪れた時はここでエストローヤルのシュークリームを食べた。今回もあるかなと思ったのだが、店が見当たらなかった。もう廃業したのかと思ったら駅の近くに移転したらしい。
そうして一通り見終えて、最初に立ち寄ったのが天獅堂という屋台。ここでは肉ちまきと豚まんを購入した。
そしたら残り物だからと言ってゴマ団子をサービスしてくれた。
それらを道路の片隅でほおばる。チビはどれも旨そうな顔で食べていた。そりゃそうだろう、まずい要素がないもの。
中でもゴマ団子は大ヒットだったようで至福の表情を浮かべていた。これは3人で分けて食べたので、自分の分が食べ終わったらすごく名残惜しそうな顔をしていた。
次に立ち寄ったのが長城飯店。
ここでは角煮まんと担々麺を注文し、また同じように道端でほおばる。
そんな具合であれこれ買い食いを続ける。だがメインディッシュの小籠包がまだである。小籠包は中華街の一押しメニューだけあってどの店でも売られている。どの店の物が美味しそうか品定めをしていたのだが、そうこうしているうちに周囲の店が店じまいを始めてしまった。
目をつけていた店も屋台を畳み始めたので慌てて注文したら、閉店したからもう売れない、とつれない回答。そういうドライなところは中国っぽい。
ということで、やむなく別のまだやっている店で注文。流れで注文してしまったので店の名前は失念。まぁ、中華街で食べる小籠包がそうそう外れるなんてことはない。しっかりおいしい小籠包だった。
ただ、それはあまり肉汁が滴らないものだった。小籠包と言えば滴る肉汁ではないだろうか。そこだけが期待外れだった。
さて中華料理克服中のチビだが、これまでのところ担々麺が辛くて食べられなかった以外全ての物を食べている。美味しいと言って大いに気に入ったようだ。もう苦手感は克服できたのではないだろうか。そこで、チビにもリクエストを聞いてみた。
すると傍らの屋台を指さして、これがいい!と言った。指さす方向を見るとタピオカミルクティの写真が掲載されていた。
タピオカミルクティーは中華ではないんだなぁ。台湾だけど。ここで飲むべきものではない気がするのだが、聞くところによると幼稚園の頃にその存在を知って以来、一度飲んでみたいと思っていたらしいのだ。
いつもならその土地の名物以外選ばせないカミさんも、せっかくの機会だからと購入にゴーサインを出した。
というわけで、チビにとってタピオカミルクティーとの初対面。タピオカの食感に感動していた。
そうこうするうち、あらかたの店が閉店してしまったのでこれにてお開き。腹いっぱいとはいいがたいが、まぁまぁ満足できた。
湊山温泉:
さて、最後に汗を流さねば今日がシメられない。
南京町をぶらついている間に風呂屋は探しておいた。向かった先は南京町からほど近い湊山温泉という風呂屋。
何やら細い住宅街の道にナビゲーションされ、こんなところにあるのかな?と不安になりながら進んでいったら本当に住宅地の中にあった。
建物はなかなかクラシカルで古き良き昭和の銭湯のような構えだが、店の名が示すとおり温泉が引かれているそうだ。
中に入ると湯舟が4つあって、熱いのからぬるいのまで順に並んでいた。浴室はタイル張りで銭湯然としている。メインの4つの湯舟の他に、空いているスペースに点々と湯舟が置かれている。湯舟と言っても樽だったり家庭用の浴槽だったりして、後から取ってつけたような雑然とした感じだ。
それらの湯舟は冷温と書かれていた。どうやら源泉は鉱泉らしく温度が低いようだ。メインの湯舟のみ加温して他のはかけ流しとなっているらしい。
満足できたか、と言われると微妙な感じだったが、まぁ、汗は流せたので必要にして十分。
ちなみに女湯ではカミさんと地元の人とのコミュニケーションがあったらしい。近所に廃校になった小学校を改築した水族館があって結構楽しめますよ、とおススメされたそうだ。カミさんからそこに行ってみたい、とリクエストが上がったがこの時間に開いているはずもなく、この後神戸を離れてしまうから行けない、と返したら、次回来ることがあったら是非立ち寄りたい、と言っていた。それほどまでに魅力的な水族館なのだろうか。ちょっと気になる。
さて、ここからは再び長いドライブが始まる。明日から芸予諸島の島々の散策を予定しているので、福山辺りまでは進んでおきたい。
当初計画では、明日は岡山県児島市にあるジーンズストリートの散策からスタートする予定だったが、立ち寄っている時間がなさそうなので、ここもスルーすることに。
ということで目的地は福山SAである。ナビによるとここから2時間半ほどの行程らしい。流石に渋滞区間も終わって至って快適なドライブが楽しめたが、昨日の寝不足がいかんともしがたく早々に眠気に襲われる。出来るだけ頑張ったが福山SAの一つ手前となる篠坂PAで限界を迎えた。まぁここならいいか。
いつもなら車中泊を快適にするために寝る前に寝床をこしらえるのだが、もはやそんな気力は残ってなかった。
チビをリアシートに横に寝かせて、カミさんと自分はフロントシートを倒しただけで力尽きた。