瀬戸内・四国ドライブ【9】(2023/05/04)

生名島:


▲このページで移動したルート

ということで生名島に上陸。島旅98島目である。もうすぐ100島。

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橋から麓の島の道へ降りるアプローチ道路の片隅にちょっとした広場があったのでちょっと立ち寄り。ここから橋を綺麗に撮影することが出来た。

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生名島はかつて生名村という独立した自治体であったが、前述のとおり平成の大合併の際に上島町に統合されている。
佐島と同じような南北に長い形状をしているが、佐島とは逆に島の南側に上陸する。島はそこから北に向けて陸地が延びており、島の北半分は因島の西側と狭い海峡を隔てて面している。因島の土生(はぶ)港への渡船もここから出港しており、狭い海峡なので数分で渡ることができる。

因島は周辺の島々の中では大きく発展した島であり工場なども多い。そのせいか生名島も因島のベッドタウン的な雰囲気を感じる。

実は生名島もまたぜひとも立ち寄っておきたい見どころ、というのがあまりなかった。まぁ、次に控える岩城島もそうなのだが。
そんなわけでこれらの島は多島海の美を堪能することがメインで、もっぱら上陸カウントを増やすための立ち寄り先くらいに考えでの上陸だったのだが素通りばかりでは芸がない。まだ時間もあるのでもう少しゆめしまの島々を堪能すべく、島を一周してみることにした。といっても、島の最北端までずっと因島の横っ腹が見えるだけなのだが。

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島の北岸側に回ると生口島も見えた。
少し前にカミさんは後席で眠ってしまった。遊び相手がいなくなったチビが、退屈したのかまた海が見たいと言い出したので、北の端に位置する海岸に車を停めて、休憩を兼ねた海岸散策の時間を作った。

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ここも背後はキャンプ場になっていて、砂浜でのキャンプを楽しんでいるグループが何組かいた。
そして護岸では沢山のちびっこが釣り糸を垂らして釣りを楽しんでいた。なんか夏休みっぽい。GWだが。

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残念ながら魚影はあまり多くないようだが、足元には例によってメバルの稚魚が集団をつくって泳いでいた。

チビは意外にもこうした魚の姿に興味があるようだ。簡単な釣りセットくらいは持ってきておくべきだったか。。。こうなったら今年こそ本格的に釣りデビューさせてみるか。でも関東で子供が安全に釣りができるところって少ないんだよなぁ。。。

15分ほど魚の姿を追いかけて休憩終了。更に進んで島を4分の3周したところで島の中央部へ向かう道に戻って、そこから岩城島へ渡る岩城橋に出る。

岩城島:


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この橋は昨年(2022年)に開通したばかりの橋である。
他の橋と比べてひときわ立派な造りの斜張橋になっている。

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橋を渡り切って岩城島に上陸。島旅99島目である。
岩城島は北側を頂点にする二等辺三角形のような形の島だ。こちらも平成の大合併の前まで岩城村という独立した自治体だったが、現在は上島町の一地域となっている。中央に位置する積善山の桜が有名らしいが、今は季節じゃないので行ってもしょうがなさそうだ。

この辺りの島々は鄙びた離島に過ぎないので、あまり観光名所のようなものがない。どちらかと言えば集落を散策したり海で遊んだりするのがこうした島々の楽しみ方だろう。

とりあえず時計回りに島を一周してみることにした。というのは、岩城島の南に位置する赤穂根島の存在が気になったからである。

赤穂根島は地図で見るとそこそこの大きさを持つ島だ。地図でみると島内を通る道路もあり、それなりに人の手が入っているように見えるのだが、その割に定期航路が見当たらない。恐らく住民が殆どいないのだろうと思うが、そんな島がどんな様子なのかちょっと見てみたいと思ったのだ。

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岩城島の南岸で車を停めて島の様子を見物。海岸沿いに道路のようなものがあったり、送電線が引き込まれていたりしているのが見える。それなりに人の手が加えられている様子が見えるが、民家などは見当たらず人のいる気配が感じられなかった。山の反対側にいるのだろうか。

帰宅後に調べたところによると現在の島の住人は2人という。と言ってもその2人というのは上島町の町長夫妻で、定住している訳ではないらしい。彼らも島で飼育している牛の世話などで立ち寄る程度ということなので実質的には無人島であるようだ。
元から岩城島の住民たちの出作りの島として使われていた島なので、人は定住したりしなかったりと言った程度であったそうだ。

今はうっそうと木々が生い茂っているが、50年くらい前の航空写真を見ると島一面畑になっているのが分かる。
なるほどそういうことだったのか。人家が見当たらないのも渡船が存在しないのも合点がいった。

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そこからさらに進み島の中心集落である岩城を通過。ここがかつての村の中心集落でメインストリートに沿って民家が密集している。いいなぁ、こういう雰囲気。

そして島を4分の3周ほど回ったところで、北に向かう路地にぶつかる。
ここを左折してまっすぐ行くと生口島へ渡るフェリーが発着する小漕(おこぎ)港に出る。

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その途中ヤマザキショップの看板が見えた。地域密着型のヤマザキとはいえ離島にチェーン店は割と珍しい。柑橘の栽培に力を入れている地域だけあって、店頭に柑橘類が箱で並べられて売られている。ちょっと立ち寄り。

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店頭に並べられていたのはレモンのみならず、甘夏やデコポン、せとかや瓢柑(ひょうかん)なんてものもある。
カミさんは島でレモンを買おう思っていたらしく、最初はレモンの袋をしげしげと眺めていたが、やがて他の柑橘にも興味を示した。特に瓢柑というのを手にして、これなんだろうね?と興味津々だった。見た目はレモンを大きくしたような感じだが、どうやって食べるものなのか。そのまま食べるのかレモンのように添え物にするのか。

そこで店員に質問してみることにした。店に入ると店内はコンビニというよりは昔ながらの集落の雑貨屋という風情。アイスケースからガリガリ君ソーダ味を買って店先で食べたい。こういう長閑な雰囲気がたまらない。

レジにいた店員に声をかけて瓢柑の食べ方を質問してみたところ、酸味はレモンほど強くないが果物としてそのまま食べるにはちょっと酸っぱいので、風味付けに使ったりグレープフルーツみたいに砂糖をまぶして食べたりしますね、とのことだった。

これが5個くらい入って98円、安い。ただ我が家は料理にレモンを添える文化がない。最初のうちは精を出して料理を作るかもしれないが、これしきの量でも使いきれるか心配、とカミさんが慎重になって結局見送りとなり、予定どおりレモンせとかを購入。カミさんはレモンをかじれるので、そのまま食べるという。じゃあ瓢柑も行けたのでは?と思ったが藪蛇と思って口にしなかった。

ちなみに、せとかというのは小さめのミカンのようなものだ。迫りくるみずみずしさや濃厚な甘み、といった近年の流行には阿らない、昔のミカンを思い出させる懐かしい味がした。

ちなみに帰宅後に調査したところによると、剽柑は文旦に近い品種だそうで、昭和初期頃に一時期栽培されていたものの、やがて栽培する人がいなくなり生産が途絶えていたのを、近年になって復活させた果物ということだ。文旦に近い品種なので、果肉の酸っぱさよりワタの苦さの方が目立つらしい。なのでワタと内皮を剥けば普通に果物として食べられるそうだ。買っておけばよかった。

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そして、そのまま進んで小漕港に到着。ここも概ね30分おき位の間隔でフェリーが発着している。

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ここの港は、窓口で車検証を提出して運賃を支払う一般的な方式だった。

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港の看板に岩城島の紹介がイラストが描かれていた。
南側に赤穂根島津波(つば)島も描かれている。津波島は無人島、赤穂根島も前述のとおりほぼ無人島なので定期船が通っていない。地図にも航路の記載がないにもかかわらず、様々なアクティビティが楽しめるような風に描かれている。

定期船がないので海上タクシーなどを使って渡るしかないのだと思うが、海上タクシーはフェリーなどと比べたら運賃が高額になりがちである。もし気軽な運賃で渡して貰えるなら一度渡ってみたい気もする。

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港の正面に生口島がどっしりと腰を下ろしている。周辺の島々と比べてもひときわ高い山脈が島の中央を貫いていて、見た目は険しい印象だ。
その山なみの中腹にしまなみ海道が一直線に伸びているのが見える。

生口島を南側から見るのは初めてだ。生口島に渡ったら島の南側の道路を走ってみようと思う。

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しばし港の周りを散策して時間つぶしをしていたらフェリーが入港してきた。

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このフェリーは家老渡港から出ていたフェリーと比べると一回り大きい船だ。客室も設けられている。

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ここでもチビは水面下の魚探しに余念がない。
だが、相変わらず見えるのはクラゲかメバルだ。

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珍しくわが愛車を上から見る機会に恵まれたので、撮影してみた。
地面の色もブルーなので、なんだか保護色みたいだ。

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船は16時30分発。そして生口島の洲江(すのえ)港到着は16時35分。ここもわずか5分の船旅だった。
なんかこうしてちょこちょこフェリーに乗っていると、フェリーを普段使いしているような気にになってくる。

実際、地元の人たちにとってフェリーに乗って他の島へ渡る行為は、電車かバスに乗って隣町に行くようなものなのかもしれない。

▲ここまでのルート

Posted by gen_charly