瀬戸内・四国ドライブ【12】(2023/05/05)
大久野島の山頂:
▲このページで移動したルート
多少ヒイコラしたうえ、途中蜂があちこちでぶんぶん飛んでいて、その都度立ち止まって様子を見ることを余儀なくされたが、それ以外には特段の困難もなく山頂まで登り切った。山頂広場には10年前の訪問時にもあった理科の教材セットがそのまま残されていた。チビにそれらを触らせているとデッキの下に隠れているウサギに餌やりをしている女の子がいることに気が付いた。
そばに行ってみるとその子はペレットをウサギに食べさせていた。手に乗せたペレットを直接食べさせていてやり慣れている様子。
傍らにいた彼女のお父さんに軽く会釈をすると、チビにもそのペレットを分けてくれた。
だが、港にあった掲示板には手をかじられるのでウサギにエサを直接あげるのはやめましょう、と書かれていたのを見ている。
素手であげて大丈夫なんですか?とそのお父さんに質問すると、この子は全然平気とのこと。
言われるがままペレットを手に乗せてウサギの前に差し出したら、お父さんの言うとおり手をかじられることもなく食べてくれた。その感触にチビのテンションが上がる。
お父さんいわく、草を食べているのだから植物原料のペレットでも行けるんじゃないか、と考えて持って来たそうだ。確かに腐る心配もないし持ち運びも楽なのでこっちの方が手軽でよいかもしれない。
鉄塔や中部砲台跡なども散策しながら、チビにこれらがそのような施設なのかをざっくりかみ砕いて説明する。流石に大いに興味を持つ、なんてことはなかったが話は素直に聞いてくれた。まぁ戦争の悲惨さを熱弁するのは、チビがもっと大きくなってからでよいだろう。
それらを見学したらそのまま反対側の下山路から下山。滞在時間は30分ほどだった。
山を降り切ると地下兵舎跡の所に出てくる。何も置かれていない薄暗い穴倉の奥を見やって、チビは神妙な顔をしていた。本能的な怖さを感じたのかもしれない。
そこから道なりに北側の遊歩道を進む。サイクリングでこの島を訪れる人も多いようで、道にはサイクリストと歩行者がぶつからないように降りて進むよう注意書きが掲示されている箇所が点在していた。
しまなみ海道はサイクリストの聖地、とはいうものの、歩いても1時間ちょっとで一周回れるようなこんな小さい島で自転車に乗らなくてもいいのに。歩行者が多いのでスピードも出せないだろうし、自転車なら10分やそこらで一周できちゃうのであまり楽しくないような気がするのだが。・・・なんて思ってしまうのは自分が乗っていないからだろうか。
発電所跡:
そして発電所跡の前まで来た。敷地に入ると以前と同じように中ががらんどうの建物が見えてくる。
前回訪問時にはあった建物の周囲に張り巡らされていた柵が見当たらない。そして視界の先には開け放たれた入口が見える。
ということは中が見学できるようになったということか。前回、中の様子を見られず心残りだったので、見学できるよう整備されたのであればラッキーである。
進入してみると建物の中はがらんどうで、設備らしきものは何一つ残っていない。
真ん中あたり制御室へ行くための階段が見えた。幾分錆が出ているが登れないわけではなさそうだったので、登って制御室の様子も見学する。
しかしなんか変だ。建物内はあまり整備されている感じがない。破片なども散乱したままだし階段には手すりもない。こんにち広く公開するために整備するのであれば安全への配慮を念入りに検討しなければならない。結果、元の雰囲気を壊して興ざめしてしまうことすら普通にある。そこからするとこの建物内はほぼ手つかずと言ってよい感じである。
再び下に降りてふと窓の外を見ると、その窓の先に前回も見た柵が見えた。あれ、柵がある。。。
訪れる見学者たちはその柵の向こうで立ち止まって中の様子を見ている。こちらに入ってこようとする人が誰もいない、ということはもしかして立入禁止は継続中??
どこにも立入禁止とは書かれていないし、自分らが入ってきた敷地への入口のところには柵が作られていない。一体どっちが正解なのか。でも立入禁止なんだとしたら非常にまずい。家族で叱られたなんてカッコ悪いので管理者から咎められる前にそそくさと退散した。
現地では釈然としない感じのまま逃げるように建物から離れてしまったが、振り返ると自分らが敷地に入るのに通った通路が本当は非公式の物だったんじゃないか、と言う気がした。そちら側は元々立入禁止柵の内側なので、そこから入ると柵が見えないのだ。
せめて入口の前に柵を立てておいてくれたら間違って進入することもなかっただろうに。。。
ここまで来るとほぼ島を一周。港はもう目と鼻の先。時間は丁度12時、12:15発の船に乗るので丁度良く戻って来れた。
とりあえずまだ少し時間があるので、2人は残った葉っぱを片付けにその辺をぶらつくとのこと。自分はいつ船が入港してきてもいいように桟橋の近くで待機。
桟橋に沿うようにすでに乗船待ちの列ができている。桟橋を中心に右側、左側に分かれて列が続いているが、どういう並び分けなのだろう?と思い、近くにいた係員に聞くと、左側は忠海港に向かう人、右側は盛港に向かう人の列、とのこと。
チビはもうウサギの体を撫でられるまでになっていた。やっぱり子供は慣れるのが早い。
▲このセクションの全ルート
出港10分前くらいに葉っぱを片付けた2人が戻ってきた。だが船が一向に姿を現さない。
天気はいつの間にか回復して青空が見えている。それで日差しが容赦なく降ぐようになり頭が熱くなってくる。帽子を持ってくるべきだった。。。
待っているうちに出港時間を過ぎてしまったがまだ船の姿は見えない。もしかして出港時間を勘違いしているのかと港でもらった時刻表を再確認してみるが、そこにもやはり12:15発と書かれているのでやっぱり船が遅延しているようだ。
何かあったのだろうか。いや、GWの混雑で乗下船に時間がかかって遅延しているのだろう。
なかなかやってこない船に悶々とした気分で待つこと40分。12:50になってようやく接岸。ずいぶん遅れたな。
既に昼を過ぎていてもう島に滞在できる時間もそう長くないのに、到着した船から続々と観光客が下船してくる。中にはビニール袋いっぱいにキャベツの葉を詰めて持ち込んでいる人もいる。いくら何でもそれ全部食わせてたら日が暮れちゃうんじゃないかと傍目に心配になる。余計なお世話だと思うが。。。
再びデッキを陣取る。カミさんとチビの2人は早々に客室に入ってしまった。
なんか視界の先に猛烈な黒煙を上げている船が見えた。すわ水難事故か?と思ったが、誰も気にするそぶりがない。そのまま船が徐々に近づいていくと、小型ボートが黒煙を吐き出しながら進んでいた。エンジントラブルか、はたまた不正軽油か。。。
そして15分間の船旅を終えて再び盛港に戻ってきた。大久野島に滞在中は雨に降られることなく散策することが出来た。それをチビに話したら、件の尾道のペンダントのおかげだ、と胸を張っていた。そうだとしたら良いものを手に入れたものだ。この先もその調子でお願いしたい。
大三島散策:
さて、この後は大三島の中心集落である宮浦にある大山祇(おおやまづみ)神社を見に行ってみようと思う。
と、その前にもう昼時をだいぶ過ぎているので先に腹ごしらえだ。カミさんに神社近辺の食事処を探してもらったら大漁という店がおススメらしい。
だがその店はこの辺りではかなりの人気店らしく、来てみると軒先に順番待ちの列が長々と続いていた。それを待っていたらこの先の予定がまた遅れてしまう。仕方なく他の店を探すことに、、、したのだが、他にこれと言って食指が伸びる店が見つからなかった。
そんなさなか「お弁当 地産地消」と掲げられた、大三島ショッパーズという店があった。地の物が食べられるなら、ということでちょっと覗いてみる。
確かに食材は地元産の物が多く並んでいてそれはそれで興味を惹かれたが、弁当はそうでもなかった。お弁当と地産地消(の商品)という意味か。まぁ、地元で仕入れた(他地域の)食材が使われている可能性もあるが。改めて他の店を探すのも面倒だったので、ここで弁当を買って軒先のベンチで食べることにした。
ご覧のとおり、地産地消感のあまりない弁当である。地の物と胸を張れる食材があまりないは残念だが、弁当は普通においしかった。
食後、道向かいの園地に見えている藤棚を見に行きたいとチビからリクエストがあった。一方、カミさんは隣にある道の駅御島を見に行ってみたいと言っている。
じゃあ、ということで、別行動をとることにした。
自分とチビは藤棚を見に行く。藤棚といえば春日部の藤棚が有名だ。それと比べたらささやかではあったが、丁度シーズンなのでの見ごろを迎えていた。
そして足元の花壇にはバラが植えられ時期が来た品種が開花していた。それを見たチビのテンションが上がる。例のパッドでしきりに写真に収めていた。
ちなみにこのパッドのカメラアプリはVGAサイズの写真しか撮ることが出来ないうえ、撮影枚数も100枚までに制限されている。子供用としてデチューンしているのか。
そんなカメラでしきりに写真を撮ったものだから、あと20枚くらいしか撮影できなくなった、と嘆いている。とりあえず出来の悪い写真は削除しなさい、と言って整理させたが、バックアップも取れないから早々に枯渇しそうな気がする。
こんなに熱心に撮影するなら、デジカメか古いスマホでも渡してあげた方がいいかもしれないなと思った。
園地を抜けて一通り見終わったのでカミさんが何らか物色している筈の道の駅に移動。が、物色している筈のカミさんの姿が見当たらない。車に戻っているのかと思い、車に戻ろうとした時カミさんから電話がかかってきた。電話に出るとどこにいるのか?と不機嫌な声でまくしたてられた。
曰く、カミさんも藤棚が見たくて園地に移動していたらしい。途中、どこかですれ違いになったようだ。