瀬戸内・四国ドライブ【17】(2023/05/06)
まさかの遭遇:
▲このページで移動したルート
途中休憩を挟みつつ、20分ほどで本宮まで降りる。
拝殿の広縁の下が潜り抜けられるようになっていた。こんな風になっていたとは知らなかった。そういえば尾道の千光寺もこのような構造になっていたな。関西の寺社ではありがちな構造なのだろうか。
ここで参道が登りと下りに分かれる。下りの参道は下向道と呼ばれているそうだ。本宮の境内は登りの時にちゃんと見ていないので、下向道へと向けて歩きつつ散策した。
この長い渡り廊下はどのようなやんごとなき人たちが渡るのだろうか。
そしてまた下る。
そうそう、旭社の脇にある水がめにはなぜか1円玉が沢山浮いている(沈んでいるのも沢山ある)。浮けば開運、沈めば厄払い、などとはどこにも書いていないのだが、みんなここで運試しをするので人だかりができている。
チビももちろん挑戦。1枚目は沈んだが2枚目は浮いた。浮くまで再チャレンジしたらそれは運試しではないような。。。
無事に浮かんだ1円玉に気を良くして更に下る。
と、カミさんが突然参拝客に話しかけた。何事かと思ったら、話しかけたその相手はなんと驚いたことにチビの小学校の同級生のお母さんだった。何たる偶然。
一頻り偶然の再会に盛り上がった。こんなことってあるんだね。さっきの1円玉のご利益だろうか。
そして旭社を過ぎると麓はだいぶ近くなって土産物屋の建物も見えてくる。
登りの時はそこまで登るのだって軽い疲労感を感じるほどだったが、帰りの今はもうあとちょっとで麓だね、くらいの感覚だ。不思議なものである。
登りの頃にはまだ閉まっていた店もみんな開店している。チビが登りの時以上に土産物屋のおもちゃに惹かれている。。。が、そこは軽くスルーするのが我が家流。
ある土産物屋の軒先に讃岐うどんが半額と掲げられていた。
お土産用の半生の麺が半額で売られているらしい。もちろん買った。家でも食べたいしね。
看板は手書きではなくちゃんとデザインされていて、そのうえワゴン上で大量に販売されていたので突発的な在庫処分の類ではなさそうだ。となると安く仕入れるルートを持っているということなのだろうと思うが、これって本当にお安かったのだろうか。
もう買ってしまったので真実関係は追及しないw
そして程なく下山。おおよそ3時間の散策だった。そんなに長いこと山の中にいた感じがしない。
讃岐うどん 井上:
さて、ぼちぼち昼食の時間だ。この辺りのうどん屋は下山する最中に軽く調べておいた。参道にある中野うどん学校は前回行ったが、ちょっと商売っ気があったので、できれば今回はもっと鄙びた店に行ってみたい。
ということで今回選んだのは、うどんや井上という店。そこそこ評判もいいらしい。
下山したその足で店に向かったが店の場所がよく分からない。
どこなのだろうかと少しウロついたら、小さな路地を入った所にあった。
こんな裏路地で店を構えるうどん屋なんて、絶対美味しいに決まってる。
チビを先頭に暖簾をくぐる。小ぢんまりとした店内には一組の先客がいたが、まだ空いている。
奥のテーブルに適当に陣取り、お品書きをチェック。
自分は生しょうゆ、カミさんはぶっかけ、チビは山菜をそれぞれ注文。
作ってもらうのを待っている間におでんの品定め。讃岐うどんの店ではなぜかセルフサービスのおでんが置いてあることがある。
煮込まれて真っ黒になったつゆ。それが具材にも移って具材も何とも言えない色になっている。
おでんは一串150円。好きなものを手に取って最後に櫛の数でお会計、というスタイル。たまごと牛すじをいただく。
見た目は何ともだが、味は沁み沁みで牛すじもいい味を出していた。
おでんをつまんでいたらうどんが出来上がった。
これぞ讃岐うどん、というつるつるとした食感でなんともうまい。どうだい本場は?
参拝でお腹が空いていたこともあり、3人ともあっという間に食べ終わってしまった。
先客は既に店を出ていて店内には我々のみ。食後の余韻に浸っているとチビがやおら立ち上がって、カウンターのおばちゃんの所に話しかけに行った。
何を聞くのかと聞き耳を立てていると、おばちゃんがさっきからすり鉢で何やらゴリゴリすりおろしているのを見て、何をしているのか?と聞いていた。
おばちゃんの答えは、卵の殻をすりつぶしているのよー、という意外な回答だった。
卵の殻を粉末になるまですりつぶして、それで歯を磨いたりクレンザー代わりに使ったりしているのだそうだ。
やってみる?とチビにすり鉢を差し出すと、チビは即答でやりたい!と答える。いいね。
すり鉢には荒く砕かれた殻が入っていた。それをすりこぎでゴリゴリとすりつぶす。チビはこういうのを始めると止まらないタイプ。脇目もふらずにゴリゴリし始めた。
それを見ておばちゃんもカウンターから出てきて、隣のテーブルに腰掛けてチビの手さばきを眺める。
それを見ながらとつとつと雑談。
1日10個分くらいの殻をこうしてすりつぶしているそうだ。粉末レベルまで細かくするのに40分くらいかかるそうだが、店が暇なときに暇つぶしでやっているからいくらでも作れる、と言っていた。
15分くらい雑談するうち、それまで粗目だった殻がだいぶ細かくなってきた。
ぼちぼちお会計して外に出ようとしたら、おばちゃんが前に作ったという粉を少し分けてくれた。こういうのうれしいね。