瀬戸内・四国ドライブ【19】(2023/05/06)
四方見展望台とウチノ海:
▲このページで移動したルート
その少し先に四方見展望台の看板が見えたので、ちょっと立ち寄って小休止。
車を降りるとかなりの強風が吹き荒れていた。空の雲行きもどんどん怪しくなっている。流石にぼちぼちか。
まぁ、ここまで持ちこたえてくれたんだから御の字ではある。
この展望台から眼下に湖のような内海が一望できる。湖のようだがここは島田島と大毛島、高島に囲まれた内海である。その名もウチノ海。
弊サイトを熟読されている方はピンときたかもしれないが、10年前に立ち寄ったうちの海という牡蠣小屋はこの海に面した場所にある。
ここから店の姿は見えないが、上のパノラマ写真中央付近の水域が奥まった辺りにある筈だ。
中央に浮かぶ小島は鏡島と呼ばれている。上から見ると島の形がハート形をしているらしく、ハート島という別名が付いている。
ハート島なんてメルヘンチックな名前が付いているが、こちら側から見えるのは半ば廃墟と化している小屋がひとつだけである。もちろん我々のような一般人が上陸する手段はない。
そして海面に点々と浮かんでいるのは釣り用の筏だそうだ。海域のほとんどを陸地に囲まれているので穏やかなのだろう。こんな強い風が吹いているのに片付けもせず浮いたままなのも、この海域の穏やかさを表している。
渦の道:
さて、ぼちぼち行きますか。うず潮は満潮と干潮のそれぞれ前後1.5時間くらいの間がピークらしい。今日の満潮時刻は18時ごろということなので17時過ぎには見学を開始したい。
ということでさらに進んでいくとやがて小さな橋を渡る。これが堀越橋で渡り切ると大毛島となる。
そこから山を一気に下りやがて海沿いの道となる。と同時に、神戸淡路鳴門自動車道の橋脚が右上に並行するようになる。
そこを進んでいくと道は再び上り坂となり、いくつかのカーブで登り詰めていくと駐車場が見えてくる。ここに車を置いてその先は徒歩だそうだ。
車を降りると雨がぽつぽつと落ち始めてきた。とうとう降り始めたか。
まだ傘が必要なほどではないが、とりあえず折り畳み傘を鞄に仕込んで出発。ただこの風で役に立つか。。。
土産物屋の脇の階段を登り、
神戸淡路鳴門自動車道を渡る。奥に見える斜張橋が大鳴門橋。
しかし、その下に見える海域の泡立ち方の凄さよ。モーゼの海はここにあったのか。とにかくものすごい勢いで潮が流れている。これは期待できるか?
橋を渡ると大鳴門架橋記念館の建物の前に降りる。この建物も有料の施設で渦の道とのセット券が売られていたが、今回は見ている時間がないのでパス。
記念館の前の道を島の先端方向へ向けて進んでいくと、今度はガードで神戸淡路鳴門自動車道をくぐる。なんか冗長なルートだ。。。
そしてもうひとしきり進むと大鳴門橋の橋脚へと登る道が分岐する。
これを登っていくと、
橋脚の真下に渦の道がある。
傍らの掲示板には本日の満潮、干潮時刻が記載されている。現在時刻は17時半ちょっと前。割とベストなタイミングではないだろうか。
料金は大人510円、子供260円。このチケットのような渦巻きが見られたら最高だが、天気が悪いので目視は出来ても写真写りはイマイチかもしれない。。。
暴風:
入口とは反対側の扉から外に出る。橋脚の下に設けられた通路が順路になっているが、歩き始めてほどなく海上区間に出て、その途端猛烈な風に横殴りにされる。
こういう橋の構造どこかで見たことがないだろうか。
ピンと来た人もいるかもしれないが、瀬戸大橋である。ないしはレインボーブリッジ。どちらも上部に道路橋、下部に鉄道橋(レインボーブリッジは下部にも一般道と歩道がある)という2段構成になっている。
だが、大鳴門橋には鉄道は走っていない。実はこの橋の架橋が計画された当時は、淡路島を経由した四国新幹線の建設構想が存在していた。
そのため橋は瀬戸大橋と同じ2段構造となり、四国新幹線建設が決定した暁にはここに線路を通す計画となっていたのだ。
残念ながらその計画は途中で頓挫し、四国に新幹線が乗り入れることはなかった。淡路島と本州を結ぶ明石海峡大橋は上下構造のない斜張橋で建設されたため、ここに鉄道が走る可能性はほぼ絶望的である。
そうしてデッドスペースとなってしまったこの場所を活用して、このような施設が作られたという次第だ。
この通路は一部にアクリルパネルが設置されているものの、ほとんどの場所はフェンスで仕切られているのみの吹きっ晒しである。そのせいで海峡を吹き抜ける風が一切遮られることなく直撃する。時折前に進むのも困難になるような横風が吹き付けてくる。
風上側の景色を撮影しようとフェンスに近づくが、ぱらついている雨ですら顔に当たると痛い。
そのフェンスの向こう側に飛島の姿が見える。その向こうの大陸は淡路島だ。
飛島の辺りからこちら側は潮が北東方向へ流れて白波が立っている。海水がこうして川のように流れている姿というのは日常なかなか目にすることではないので、なんか不思議な感じだ。
鳴門のうず潮は、うず潮と言えば鳴門のこれと言われるほど有名で、ラーメンの定番具材であるナルトもここからきている。そのスケールの大きさから世界三大潮流の一つとされている。
満潮の時刻に満ちた潮が太平洋側から紀伊水道と豊後水道を通って瀬戸内海側に流入する。豊後水道側から入り込んだ潮が淡路島の辺りに到着するころには、紀伊水道側は干潮の時間帯となっているのだが、満潮側の瀬戸内海の潮が干潮側の紀伊水道に流れ込むのに淡路島が邪魔になってすぐには流れ込めない。
そのため、鳴門海峡の両側で潮の高低差が生じる。その差は最大1m強にも達し、それが鳴門海峡めがけて一気に流れ込むため、海峡は川のような急流となる。
水は深さのある所では早く、浅い所では遅く流れるため、岸辺と海峡の中央部で流れる速さが変わり、その差分を埋めるように流れる水流が渦を巻くという訳だ。
で、時間的には今がまさにそのタイミングな訳だが、見える範囲で渦を巻いているようなところはまだない。
だが、立つ白波の様子からかなり流速の早い水流が足元に流れているのはよく分かる。
▲このセクションの全ルート