紀伊半島と浜松のドライブ【4】(2023/07/24)

橋杭岩:


橋杭岩は紀伊半島の南端にある串本町の市街地北端の辺りにある。ここは2005年の年明けに一度来たことがあるのだが、あの当時はまだこうした観光地を粗い解像度でしか捉えていなかったので、すでに記憶が曖昧となっている。海岸沿いに岩が列をなして起立している様子は覚えているが、周辺にどのようなものがあって、どこを散策したのかなどは記憶の彼方である。

だが、車窓から橋杭岩が見えてきたら、当時の記憶が少しよみがえった。

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橋杭岩の最寄りの海岸にある駐車場は、道の駅くしもと橋杭岩の駐車場になっていた。当時もそうだったのかは記憶にない。ただの漁港然とした駐車場のような所だったような気もするのだが、記憶違いかもしれない。

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しかしこうしてそそり立つ岩が一直線に並ぶ姿はなかなか異様な光景である。
手前にゴロゴロと転がっている岩は、過去に発生した地震による津波で橋杭岩の一部が崩壊し陸側に運ばれたものだとされている。

津波で運ばれた岩と言えば伊良部島の佐和田の浜もそうだった。探せば他の海岸でもこうしたところがあるのかもしれない。

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岩の近辺まで干潟のようになっているので、再び車から魚とり網を引っ張り出して散策することになった。

干潟といっても泥は堆積しておらず平たい磯を歩いているような感じだ。あちこちに水たまりがあって、足を濡らさないように歩くにはルートを良く見極める必要がある。見極めを誤ると大いに遠回りさせられることもある。

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ようやく岩の近くまでやってきた。この辺りにはやや深い潮だまりもあって、魚もチラホラ泳いでいる。
早速一つの潮だまりに網を入れてゴソゴソとやるが、魚はすばしっこくて網の隙間から逃げてしまう。

だが、エビが捕まえられた。うーん、エビか。。。

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収穫を得られたチビは更に気炎を上げて他の潮だまりも念入りにゴソゴソして回っていた。

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だが、結局その後は鳴かず飛ばず。ここでも1時間あまりのチャレンジでゲームセットとなった。戦果はエビのみ。一頻り観察してリリースとなった。

 

と言うことで、後はお風呂に入りつつ伊勢を目指すことになる。
目の前に見える紀伊大島には、明治時代に付近で遭難したトルコの軍艦であるエルトゥールル号の慰霊碑やトルコ記念館があり、前回見逃してしまったのでちょっと行ってみたかったのだが、カミさんが全く食指が動かさなかったので今回は見送り。

 

さっきまでの磯遊びで体がベタベタなので早い所お風呂に入りたい。車に戻って近隣の温泉を探すと、車で数分戻ったところにある夏山(なっさ)温泉のもみじやと言う旅館のお風呂がおススメされていた。ここはかけ流しであるにもかかわらず大人300円で入浴できるらしい。

夕食はタケル君でご飯を炊いておかずだけスーパーで入手することになったので、出発の前にカミさんが仕込みを始めたのだが、米を計量カップに移す時にうっかり米粒を少しこぼしてしまった。米粒を拾い集めるカミさんを見て鉄腕ダッシュの0円食堂だねと冗談を飛ばしたら、横で見ていたチビがそうだね!と真っ先に反応した。あれ?チビは0円食堂がやっていた頃はまだ生まれていなかったハズなのだが。。。

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ケラケラと笑いながらチビも一緒になって米粒を集め始めた。数粒集めてから鳥にあげて来る!と言って岸壁の方に歩いて行った。

炊飯の準備を済ませたカミさんがその後を追いかけて行き、暫くして戻ってきて携帯の写真を見せられた。

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分かるだろうか?岸壁の柵の上に一粒載せられたお米。こうやっていくつかの柵に米粒を置いて回っていたらしい。そして、それを指さして0円食堂!と破顔でカミさんに報告したそうだ。いや、それはちょっと趣旨が違うようなw

まぁ、鳥からしたら確かに0円食堂だが、鳥の食事は常に0円なんだよな。。。

 

きよもん湯:


それはさておき炊飯の仕込みも終わったので、もみじやに向かうことにした。ナビの案内に従って目的地にやってきたら既に廃業していた。
建物の入口は板で閉ざされていて、どこからどう見ても廃業済である。。。

仕方ないのでその場で携帯で再び検索したところ、すぐ近所にあるきよもん湯というお風呂屋さんも同様にかけ流しの温泉を提供していることが判明したので今度はそちらを目指す。

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きよもん湯はちゃんと営業中だった。こちらは大人500円なのでもみじやよりは高いが充分安価。料金を支払って浴室に入ると、むっとするような硫黄の香りが漂っていた。

紀州にはあちこちに名湯が湧いているが、この辺りには火山がない。にもかかわらずあちこちで高温で良質な温泉が涌いている。これは太平洋プレートが本州の下に潜り込んでいることに関係しているらしい。

その香りからも分かるとおり泉質は硫黄泉で、風呂から上がってもずっと体がポカポカだった。噂に違わぬ名湯に満足。ちなみにきよもん湯は夏山温泉のすぐ近くだが、湯川温泉という別の温泉とのことだ。

 

事件発生:


皆が風呂から上がって集合したところで、今度は夕食のおかずを買いに車を走らせた。暫く進んだ所にオークワというホームセンター兼スーパーのような店があったので、そこでおかずの手配をすることに。

総菜売り場を物色していたら握り寿司が割引で売られていた。珍しくカミさんがその寿司を食べたいという。炊いたご飯は?ときくと明日食べるというので、その寿司を購入。フードコートが開放されていたのでそこで夕食を済ませた。

 

食事を済ませたらもう21時を回っていた。ここから伊勢まで軽く3時間くらいかかる見込みなので、伊勢神宮最寄りの道の駅まで移動すると日付をまたいでしまう。かといってこの辺で夜を明かすと明日出遅れてしまう。伊勢神宮は早朝の参拝に限るのだ。仕方ない、今日も自分が涙を呑もう。
ということで再び北上を開始。車を走らせてほどなくチビがリアシートで寝息を立てはじめた。今日は朝から晩まで丸一日頑張っていたので、眠くもなるだろう。

 

30分ほど進んだ時、カミさんが携帯どこに置いたかな、、、と辺りを探し始めた。そしてその直後ショルダーバッグがない!と叫んだ。
記憶を辿っていくとオークワのフードコートに置き忘れてきたらしいことが分かった。取り急ぎ自分の携帯からオークワに電話して事情を話すと、店員が現場付近をチェックしてくれることになった。

確認して折り返し連絡をくれることになったが、座して待っていてもしょうがないのでこちらもUターンしてオークワに戻った。
暫くして店員から連絡があり、カミさんが説明したテーブルに置かれたままになっていたとのことだ。誰かに置き引きされていなかったことに安堵した。

だが、既に30分進んでしまっているので戻ってもそれだけかかる。そのあと再びここに戻ってくるわけだから都合1時間のロスである。。。
急いで店に戻り無事回収。。。まずは無事回収できてよかった。

 

だが、時間は既に23時。ともかく行けるところまで進もう、と言うことになったが自分ももはや限界。
紀北PAでギブアップ。

Posted by gen_charly