奄美大島上陸【3】(2007/09/19)

泥染め体験:


今日は午後から肥後染色というところで泥染め体験の予約をしている。ここはカミさんがネットで見つけてきた業者で3000円で泥染めの体験ができるらしく、今回の旅行の中でカミさんが最も楽しみにしているアクティビティのひとつである。

この業者は泥染めの他に藍染めの体験もやっていて、そちらは2000円と言うことだったので一緒に申し込んでみた。
染める対象は自ら持ち込みすることになっていて旅行前に染めたい洋服を複数枚購入して持参している。

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泥染めと言っても泥の色に染める訳ではない。色付けは奄美でテーチ木と呼ばれているシャリンバイという木を煮出した汁を熟成発酵させたものを使い、泥は着色した染料を生地に定着させるために使うのだそうだ。

中から出てきた人に体験予約をしている旨を伝えると、じゃあ早速始めましょうといって我々を作業場所に案内してくれた。天気の話とか奄美は初めてですか?みたいな会話のあと、

「昨日『田舎に泊まろう』と言う番組のロケやってたんですよ。今日もお客さんが来るちょっと前までやっててね、藤田朋子さん綺麗でしたよ。」

なんて教えてくれた。もうちょっと早く来てれば藤田朋子見れたかもしれないのか。。。と言ってもあまり興味がないんだけどw
今それ言われてもね。居た痕跡もないし。。。

 

その後体験の段取りの説明を受ける。今回は絞り染めと言うものをやってみるとのこと。
最初に持参した服に絞り染めの模様をつけるための加工をし、それが終わったらテーチ木の発酵汁に生地を漬け込んで3分ほどの揉み込みとすすぎを40分ほど繰り返す。その後泥水に浸して色を定着させる。この工程を2回繰り返すそうだ。

と言うことでまずは模様をつける加工。最初、絞り染めと言うから絞った部分に着色するのかと思っていたら逆らしい。
生地をつまんだり絞ったりしたところにゴム紐をキツく巻いた後、ビニールをかぶせてその口もゴム紐で縛ることで、その部分だけ液体が入り込まず元の色が残ると言う寸法だ。

 

こういうチマチマした作業はカミさんが得意とするところ。自分はゴムの縛り方が甘い、と店の人からやり直しを食らってしまった。

自分は白色の長Tシャツを2枚持ってきたのだが、カミさんは白黒のトレーナーとカラフルな5枚セットのノースリーブを持参していた。カミさんが普段仲良くしているお友達に配るつもりだというのだが、その色が黄、青、緑、白、黒という組みあわせ。そんな色のシャツ染められるの?

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スタッフに聞くと案外濃色の生地でも色が乗るらしいのだが、流石に黒は無理だねぇと苦笑された。そりゃそうだ、黒の生地を何色に染めようとしているのか。ナメとんか?と思われたかもしれない。
ということで黒のシャツは対象から外して、他の4枚を染めることに。

 

絞りの準備を進めている間に、泥染めにする服と藍染めにする服を分類。一応藍染め体験もお願いしてあるのだが藍染めはそれほど工程がないらしい。ならばということで自分が持ってきた長Tシャツの1枚を藍染めにして残りは泥染めにすることにした。それを決めたらカミさんが持参した4枚のTシャツに絞りを入れている間に、自分の長Tの藍染めを先に進めてしまおうと言うことになった。

・・・のだが、藍染めの方はスタッフが手際よくどんどん進めてしまって自分の出番は殆どなかった。一応藍の染料が入ったバケツで生地を軽くじゃぶじゃぶとやったりしたが、殆ど体験らしいことが出来なかったのでやや消化不良である。

 

そのうちにカミさんの絞りの準備が出来たので泥染め工程の方に移ることになった。まず、今着ている服が汚れないようにエプロンとゴム手袋とビーチサンダルを渡され、それを装着する。

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着用している間に、テーブルの前に置かれたタライに染料となる汁が注がれた。

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で、こんな具合に液体の中に生地を漬けて揉み込んでいくのだが、、、発酵している液体と言うだけあってなかなか強烈な発酵臭である。発酵臭と言ってもヨーグルトとかのような爽やかなものではない。誤解を恐れずに言えばウ〇コの臭いである。。。

ただ浸けておくだけではダメで、生地の中に液体がしっかりしみ込むように念入りに揉み込んでいく必要があるとのこと。
当然液体の近くに顔を寄せることになるので、その臭気が自分の鼻を直撃する。揉み返すたびにかき混ぜられた新鮮な液体が上にあがってくるのでそのたびに発酵臭の波状攻撃に晒されることになる。

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5分くらい続けているといい加減鼻もバカになってきて徐々に臭いが気にならなくなってくるが、10分か15分おきくらいにスタッフから無料おかわりサービスを施して貰える、というかされる。すると再び立ち昇るフレッシュな発酵臭。。。

そうしたことを数回繰り返した後、一旦清水の入っているバケツに生地を移してすすぎを行う。が、まだ染まりが充分ではないとのことで作業続行を指示された。

40分と言われていたが自分らの要領がよくなかったのか、結局1時間近く揉み込みをやる羽目になった。スタッフが見に来て染まり具合をチェックし、じゃ、ぼちぼち泥染めの工程に移りましょうかと言われた。ようやく発酵臭地獄から解放であるw

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泥染めの工程はスタッフにお任せ。この泥水に含まれている泥にはこの島でしか採れない成分が含まれているらしく、その成分によって色が生地に定着するのだそうだ。だがこの泥染め工程は思いの外あっけなく終わる。

ざぶざぶと泥水の中でかき回して清水ですすぎ。そしてそれが終わると再び発酵臭地獄が始まる。第2ラウンドがあった。。。
流石にもういい加減鼻は慣れてきたが。

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そして2回目の工程が終わったら染めの工程は完了となる。
最後に良く絞って水気を切って、縛っておいた場所をほどいたら完成。

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仕上がりはこんな具合である。右が藍染め、左が泥染めの作品となる。
藍染めの方は袖の部分に、泥染めの方は胸にワンポイント状にそれぞれ絞りを入れてみた。思ったより綺麗に絞りの模様が出たのが嬉しい。

ちなみにカミさんが持っているのが元々黄色い生地のノースリーブだ。泥染めは案外濃い茶色に染まった。あれほどまでに強烈な発酵臭を漂わせる液体に何時間も漬け込んでいたのだがら、臭いが沁みついて取れなくなるのではないかと思ったが、すすいだ後は案外臭わなかった。

で、最後に記念撮影などをしてもらい体験完了。出来上がった服はもちろん濡れたままの状態なので、ビニール袋を貰いそれに入れて持ち帰りとなった。

Posted by gen_charly