奄美大島上陸【13】(2007/09/22)
黒潮の森マングローブパーク:
国道まで戻り名瀬方面に暫く進むと車窓にマングローブ林が見えてくる。
昨日カヌーを漕いで進んだのが多分このあたりだ。車を寄せて少し眺めてみたが視線が違いすぎて具体的な場所までは特定できなかった。
そこからあと百mも行くと道の駅奄美大島住用がある。そちらの方に視線を向けると小高い丘の上に展望台があるのが見えた。あそこならこのマングローブ林をもっと立体的に見ることが出来そうな気がしてちょっと行ってみたくなった。何とかと煙禁止。
こちらが道の駅奄美大島住用の建物。さっき見かけた展望台はこの建物の背後にあるので建物を通り抜けて反対側に出る必要がある。ところが建物の中に入ってみたら向こう側へ抜ける扉の手前にチケット売り場があった。なに有料なの?
説明書きを読んでみると、この道の駅はカヌー体験などもできるようになっているらしく、それらがこの扉の向こう側にあるためここから先が有料エリアとなるらしい。入園料は500円とのこと。
自分らはカヌー体験をするわけではないので、展望台から景色を見るためだけにお金を払うことになる。それもなんかもったいないので一旦パスとなりかけたのだが、メニューの一角に書かれたモノレールの5文字が目に留まった。こんな所にモノレールが走ってるのか。
ということは奄美で唯一の鉄道路線である、ぜひとも乗ってみたい。ところが財布を取り出す自分を見てカミさんから待ったがかかった。
そんなつまらないものに500円も払えるか、というのである。まぁ確かにカミさんはこういうのに興味がないのでそう思うのも無理はない。
でも、自分は今乗らなかったら間違いなく一生後悔。乗りに行きたいんだけどなぁ、、、ともう一度言ってみたらじゃあ1人で行ってきなよ、と消極的な了承が得られた。折角だから一緒に展望台の景色を見たいところだが、そういうことなら仕方がない。
カミさんは道の駅の中を散策しているということだったので、少しの時間別行動となった。
奄美大島のモノレール:
入園料を払って裏側の扉を出ると庭園が広がっていた。綺麗に整備されているが道の駅の整備に伴って生まれた庭園なのでこれといった由緒があるわけではない。むしろ辺りはジャングルのようなうっそうとした森が広がるエリアで、その雄大な自然こそがこの地域のウリであることを思うとどうにも場違いな雰囲気が否めない。というかハコモノ臭が強くてコレジャナイ感が半端なかった。
カヌー体験などは別料金なので500円だとこの庭園の散策とモノレール乗車しかできない。そのための料金としては普通に考えてちょっと高い。
庭園を突っ切った先にモノレールの線路が見えてきた。モノレールの駅舎にはカヌー体験の窓口が併設されていて、ライフジャケットを着て出発の準備をしている人が何人かいた。
モノレールの改札のほうへと進むと係員がいたので購入したチケットを見せる。するとこちらにどうぞと案内してくれた。
これが奄美唯一の鉄道である。ちょっとしたワンボックスカーくらいのサイズ感の小さな車両で多分10人も乗れない。サイドに窓ガラスがないのでいわゆるトロッコみたいなものだが、ヘッドライトや反射板はしっかり装着されている。夜に運転することはないと思うのでおそらくほぼ飾りだが。
車内はこんな感じ。座席は床に固定されておらず、座面の下に横向きに通された1本のパイプで吊られている。
なので腰掛けると座面が前後にぐらぐらする。
シートベルトをするよう促されて装着すると係員が扉を閉めて車両に乗り込んだ。お、ワンマン運転かw
※写真は終点で下車してから撮影したもの。
なんでシートがこんな変な作りになっているのだろうかと不思議だったが、出発したらすぐその理由がわかった。
写真のように場所によって線路の傾斜角度が違うせいだ。どんな傾斜でも座面が水平に保たれるように可動式になっていたのだった。なるほど、よく考えられている。
終点まで数分の道のり。のんびりと登り切って終点に到着。展望台は目の前だった。
その展望台から見た眺め。対岸の右側に見える鉄筋の建物が奄美アイランドの建物。
足元に広がる川は左上が住用川、中央が役勝川となる。昨日は中央の役勝川を下って、展望台の背後にあるマングローブ林の中を散策したようだ。
出発前にドアスコープを使うと魚眼レンズ風の写真が撮影ができる、というネット記事を見つけて、ちょっとやってみたくなってホームセンターでドアスコープ購入してみた。それを今回持参したので、ちょっと撮影にチャレンジしてみることにした。
ドアスコープ越しのマングローブ林。四隅にドアスコープのシリンダーが映り込んでしまうのは致し方ない所か。
この写真は撮影したものをだいぶトリミングしている。
元々はこんな感じに写っている。
カメラのレンズをズームさせてシリンダー部分をフレーム外に追いやればちょっとそれっぽい写真にもなるのだが、歪みの少ないレンズの中央付近のみが写るので魚眼感があまり出ない。
あと、水平線を画面の中心に持ってくると魚眼感が出ない。少しアオリ気味に写した上の写真の方がそれっぽいと思う。
ドアスコープ越しの道の駅。なんか何を写したかったのかイマイチ分かりづらい物になってしまったが、トイカメラ風で面白い。
ドアスコープ越しの奄美上空
この写真が一番いい感じに撮れただろうか。が、やっぱりドアスコープを使った魚眼撮影はもう少し構図を検討する必要がありそうだ。
こういう写真は景色より人物の方が面白いかもしれない。
ドアスコープから覗く景色は家のそれと同じだ。なのでドアチャイムが鳴って誰だろうかと家のドアスコープを覗いたらその向こうが奄美大島だった、みたいな妄想をするのも楽しいw
ということで一頻り楽しませてもらった。カミさんも待ちくたびれていることだろうと思うので、ぼちぼち引き上げることにした。
戻ると案の定、退屈そうな顔で佇んでいるカミさんがいた。案外面白かったので気前よく500円払って一緒に来ればよかったのに、と思ったが口には出さなかった。
ちなみに後で知ったのだがモノレールの乗り場まで行くのに入場料は不要だったらしい。その場合乗り場で250円を払えばモノレールに乗ることが出来たそうだ。それを知って少なからずショックだった。あの庭園250円もするのか。
(2024年註:このモノレールは現在運転中止になっているそうだ)