奄美大島上陸【15】(2007/09/23)

道の島ループ橋:


2007/09/23

1日ぶりに宿の布団で足を延ばして眠った。相変わらず狭いし蒸し暑かったが、足を伸ばして眠れるだけで寝心地の良さは段違いだった。
しっかり熟睡して気持ちの良い朝を迎えることが出来た。

カミさんのふくらはぎの虫刺されは相変わらず赤みを帯びているものの、医者に行く前と比べたら大分腫れが引いてきた。
医者で貰った飲み薬を服用したらかゆみも治まってきたとのこと。まだ様子見が必要そうだがとりあえず急場は脱したようだった。

 

奄美大島旅行も最終日を迎えてしまった。今日の夕方の便で東京へ帰ることになっているので最後の観光を悔いなくやり切りたい。
というわけで本日はまだ未訪のエリアとなっている島の北東側のエリアを見て回ることにする。このエリアには龍郷や笠利といった地区があり、細長い半島がいくつも伸びる入り組んだエリアになっている。

支度と片づけを済ませたら宿をチェックアウト。建物にはスタッフが常駐していないので、例の銀海食堂に電話してチェックアウトの旨を伝える。すると店のスタッフが退室チェックと鍵の受け取りに来てくれる。なのでこちらから出向く必要はない。
でもチェックアウトのためにスタッフがいちいち移動しなければらないのはなんか効率が悪そうだ。のんびりした島だからあまり困らないのかもしれないが。

 

宿を出発したらまずは国道58号を南下。いきなり真逆の方向へと進んだのは、一昨日のカヌー体験ツアーの移動時に車窓からちょっと気になる景色を見たからだ。

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それがこれだ。場所は平田町という地区のあたり。国道を走っているとどーんと聳えているのが見えてくる。
シングルループのループ橋は全国各地にあるが、トリプルループのループ橋は珍しいのではないだろうか。のどかな島の風景の中にいきなりこんなものを見つけたのでかなり驚いた。そして走ってみたいと思った。

後に調べたところによると道の島ループ橋という名前らしい。よく見るとループ橋といっても全てが1本の高架橋というわけではなく、山の斜面側の3分の1くらいは斜面を削って道が通してあり、そこを橋が繋いでいるような構造になっている。そのため中段と上段でループの直径が異なるという面白い構造になっていた。

ループ橋方向へ曲がって道なりに進むとやがて道が大きくカーブすると同時に上りに転じる。そこから先は同じ景色がぐるぐると3回周って上部に到達。まぁ走ってみればその程度のものだ。登った先に老人ホームなどがあり、その先は山向こうの谷筋に広がる集落へ繋がっているようだが、これといった見どころはなさそうだったので適当なところで引き返してきた。

地図を見るとループ橋の麓から分岐している道がある。この道は途中ヘアピン1か所で斜面をぐいぐいと登って最後はループ橋の上端部付近で再び合流している。ループをせずに同じ高さを登り切っているので、おそらくその勾配は相当急なものだと思う。それはそれでちょっと気になる存在だが、気づいたのが帰宅後随分と経ってからだった。いずれチャンスがあれば再訪してみたいところだ。

 

大熊展望広場:


ということでいきなり個人的な趣味に走ってしまったが、今度こそ北東へ向かう。とりあえず名瀬の市街でやり残したことはない(はず)。

国道を走っていたらツタヤを見つけた。カミさんに奄美の地元ミュージシャンのインディーズとかがあったら買いたいな、と話していたところだったのでちょっと立ち寄り。奄美と言えば元ちとせや中孝介が有名だが彼らのアルバムは東京でも購入できる。折角奄美大島まで来たのだから、ぜひ地元でしか買えないレコードを手に入れたい。

ちなみに彼らのプロデビュー前の作品がないこともなかったが、もっぱら島唄を歌っていたようで個人的にあまり興味が持てなかった。
そんなわけで今回購入したのが、

  • ネラヤ☆カナヤ「島魂(マブリ)」
  • サーモンアンドガーリック「ハブマンショー」

というアルバム。どちらも名前を聞いたことがないアーティストだ。ジャケットも手作り感があってきっとこれらは自分が求めているアルバムであるはずだ。

車に戻って早速ハブマンショーを再生してみた。三線をフィーチャーしているが島唄ではなかった。曲の合間に寸劇なども混ぜていてコミックバンド寄りの団体のようである。そして方言もしっかり収録されている。この何を言っているのか分からないっぷりがたまらない。アタリのアルバムである。

それから島魂のほうも聞いてみたが、こちらはどちらかというオルタナティブ系の優しい曲調のアルバムで、特に方言などもなかったのであまり印象に残らなかった。

 

それはさておき、名瀬の市街地を通り抜けて今度は島の北岸沿いに東進する県道81号へ入る。海岸沿いに出たかと思えば山あいに入り込むようなジグザグの経路を辿りながら周辺の集落をひとつひとつ回収していくような道である。市街地から離れてほどなく大熊展望広場という場所があったので立ち寄り。ちなみに「おおくま」ではなく「だいくま」と読む。重箱読みというやつである。ダイナミック!・・・って南関東の人以外は知らないかw

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その大熊展望台からはこのような景色が見えた。湾の奥に広がる名瀬の市街が一望できる絶景スポットだ。手前に見える小島は山羊島といい、全島が裏手側に建つ奄美シーサイドホテルの敷地になっている。橋で地続きになっているので渡っておけばよかったな。。。

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展望台の先で山を下って再び海岸線の近くを通るようになる。その先はずっとそういうルートを繰り返す感じだ。
写真奥に見える短いトンネルはかがんばなトンネルというらしい。なんでも春分、秋分の時期にはトンネルの向こうから太陽の光が差し込む神秘的なトンネルとして地元では有名らしい。といっても通行時にそうと知って撮影した訳ではなく、単に妙に短いトンネルで反対側の景色がよく見えたので面白くて撮影したに過ぎない。

 

それはそうと昨日から島にしつこく居座っていた雲がようやく切れて空に青空が広がり始めた。天気が回復したことは素直にうれしいが、今日が最終日なのが切ない。

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海岸からの景色が綺麗な場所があったので車を停めて撮影。龍郷町の安木屋場(あんきやば)という集落の辺りだ。
突堤の先に浮かぶ岩礁は安木屋場立神というらしい。地元の人たちの信仰の拠り所になっているのかもしれない。

安木屋場といえば、加計呂麻島で散策した戦跡のある場所の地名、安脚場が思い出される。「あんきやば」「あんきゃば」。非常に似通った名前なので同じ由来かもしれない。

 

崎原海岸:


さらに進むと龍郷町に入り国道58号にぶつかって県道が終わる。ここから東の端にある笠利崎までの間は笠利湾を囲うような地形になっていて間に半島が3つほど突き出している。その3つのうち一番東側にある半島の先端部に崎原海岸というのがあるのだが、そこは穴場的なビーチであるらしい。

カミさんが今回の旅でスノーケリングをやりたがっていることは既に述べているが、ここまで数度に渡ってチャレンジしてみたものの、いずれもコンディションが悪くて堪能するヒマもないまま切り上げてしまっている。なので全く達成感が得られていない。
だがあちこちでチャレンジしてはあっさりと切り上げていたのは、天気の悪さや魚影がなかったこともあるが、実はこの崎原海岸でのスノーケリングを本命と考えていたからである。というのもこの海岸は奄美の海岸にしては珍しく内湾に面した海岸なのである。つまり波が穏やかでスノーケリングに適した場所である可能性が高い。きっと良い感じに魚もたくさん泳いでいるはずだ。
しかもおあつらえ向きに天気も回復してきた。では、いざ参らん。

 

カーナビの案内を頼りに崎原海岸への道を進むが、先端方向に進むにつれ道が細くなってきた。だがまだビーチらしきものが見えてこない。もっと先まで行かないとならないのだろうか。すれ違いに難儀しそうな道幅まで狭まりもはやUターンをすることもできない。これで行き止まりだったら鬼バック不可避で泣けるなぁ、なんて思いながら進んでいくと終点の手前辺りで森が開けて数軒の建物が見えた。
その脇がきれいな砂浜になっている。どうやらここっぽい。ただ駐車場の案内がなく車を停める場所が分からない。少し行きつ戻りつして結局道幅が少し広まった所に路駐することに。

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これが崎原海岸である。美しい見事なビーチだ。そして海は遠浅で波も静か。これだよ。こういうのを待っていたんだ。
ようやく理想的なビーチにたどり着けたうれしさでテンション爆上げである。カミさんのテンションもうなぎ登り。はやる気持ちを抑えて着替えを済ませて海に突撃!

水も透き通っていて、水中眼鏡越しに遠くまでよく見えた・・・ただこれだけ穏やかな海辺であるにもかかわらず魚の姿はここでもあまり見られなかった。
それでも今日で最後だし、ようやく訪れたいい天気の元での水中散策なので精いっぱい楽しんだ。

・・・ら、酔った。自分がこういう場所で酔う体質であることを忘れていた。。。折角楽しんでるのに。
残念ながら自分は15分ほどでギブアップ。カミさんは相変わらずぷかぷか浮かんでいたので、自分は陸に上がって浜辺からカミさんの戯れの様子を眺めていることにした。

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それから小1時間ほどカミさんは水中散策を堪能して上がってきた。結局どこを探しても魚の姿が殆どなかったらしい。お魚さんはどうしたのでせうね。

Posted by gen_charly