ほぼ日本一周ツアー【8】(2000/09/20)
多々羅大橋を渡り大三島へ:
更に黙々と進んでいくと視界に巨大な斜張橋が見えてきた。あれがお隣の大三島へと渡る多々羅大橋だ。
生口島に上陸して2時間あまり、ようやく島を半周した訳だ。
もはや生口島に思い残すことはない(訳じゃないけどこの時の気分はそうだった)。
島の通り抜けに成功したウイニングロードは橋へのアプローチ道路だ。最後の最後まで頑張らされるわけね。。。
登っていくに従い景色が上からの眺めに変化する。橋はかなり高い所を通っているので、まだまだ登りが続くが眼下には生口島の名産品であるレモンの畑が広がっていた。
レモンの葉が初秋のまだ強い陽光に反射してキラキラしている。なんかこういう風景もノスタルジーを想起させられる光景だ。何故かはわからない。レモン畑など地元にはないのでどこで見た風景なのかさっぱり記憶がないのだが、自分が物心つくかつかないかの頃どこかでこんな風景を見た気がするのだ。いや、もしかしたらテレビなどで見ただけなのかもしれないが。
いずれにしても強い日差しとコントラストの強い緑の風景を見ると何故か懐かしさを感じてしまうのだ。
頑張って最上部まで上りきると再び料金所。ここも通行料は50円。
生口橋からここまで概ね14キロほどの道のりであった。そこを2時間だから途中休憩していた時間は考慮するとしても相当ゆっくりなペースである。荷物が無ければなぁ。。。
料金所手前の広場で橋をバックに相棒の勇姿を撮影してみた。
それから多々羅大橋へと進入。この橋は長さが1480m有る。当時は世界一の長さを誇る斜張橋だったが、現在は中国の橋に抜かれて第3位とのことだ。それでも1.5キロと言えば自転車ならかなり走りがいのある距離である。
長い橋なので少しペースを上げて漕いでみた。緩やかに吹く海風が当たり汗が引いてい心地よい。とは言っても相変わらず陽射しは強く風は弱い。それでも吹いてくれるだけマシだ。と言っても橋の手前だけは吹かない方がありがたい。
生口島は広島県だが大三島は愛媛県になる。そのため両島の間で県境をまたぐことになる。
この橋の中央部がその県境に位置するらしく、中央部に差し掛かったところにその標識と両県境であることを示すシールが貼られていた。
時間は既に15時近い。自分の予想では今頃伯方島辺りを走っている筈だったのだが、未だに大三島にも到達できていない。
このペースで走っていたのでは今治に着くころには夜中になってしまいそうだ。松山に着いたら少しくらい伊予鉄道の写真撮影もしたいし温泉に行く時間も確保しなければならない。
というかそれ以前に背負った荷物がもはや体力を奪い続けるエナジードレインと化していて体力も精神力も限界に近い。ということでサイクリングチャレンジは大三島で終了することにした。不甲斐ないが致し方なし。
橋を渡った先にある大三島は自分の島旅9島目の島となった。
この島には残念ながらこれと言ったエピソードがない。大山祇神社という大きな神社があるらしいがもはや行く気にもならなかった。
アプローチ道を再び下ると県道に降り切る手前に道の駅多々羅しまなみ公園があり、そこにレンタサイクルの貸し出し場所がある。また今治駅まで行くバスもここから出ているとのこと。
自転車を返却して自分の足でバス停まで歩く。スポーツバッグのひもが更に食い込んできた気がする。飲み物の購入とトイレ休憩を済ませてそそくさとバス乗り場に移動。
バスは程なくやってきた。乗り込んで適当な席に腰掛けて文字どおり肩の荷が下りた。
そのままバスは高速に乗って、伯方島、大島と進んでいく。当初はそんな島々の景色をこの目に焼き付けたいと思っていたのだが、延々2時間以上自転車を漕いだ自分はもはや疲労の限界だったらしく、出発して2,3分後には居眠りをしていた。
一応上陸カウントとしては、伯方島が10番目、大島が11番目となるのだが、眠っている間に通過してしまったのでカウントに含めてよいかは微妙なところである。。。
次に気が付いた時には四国本土に上陸していた。駅までの道がやや混雑しているようでノロノロ運転をしていた。
それをぼんやりと見ていたら再び眠りに落ち、次に気が付いた時には今治駅に差し掛かる所だった。
ほどなくバスは今治駅に到着。
そして特急で松山へ:
時間は16時ちょっと前。大三島からここまで1時間とかからず到着した。文明の利器は凄い。
今治駅で松山駅までの切符を買う。各駅停車でのんびりしていると到着が遅くなってしまうのでここは気前よく特急に乗車したい。
特急の写真は撮りそびれたが7000系は撮影した。
その次に来た特急列車に乗って松山駅まで1時間の旅。あっという間に松山駅に着いた。
駅の観光案内所でホテル手配を頼んだらターミナルホテル松山という駅の目の前のホテルを取ってもらうことが出来た。
ホテルはロータリーに面していてそこから伊予鉄道の路面電車が出ている。これに乗れば道後温泉へも連れて行ってもらえる。
部屋に荷物を投げだして風呂道具だけを小袋にまとめてすぐに出発。もちろん道後温泉へと行くためだ。そして道後温泉まではもちろん伊予鉄道の路面電車に乗って行く。