宮古島社員旅行【5】(2003/07/20)
下地島へ:
御嶽からいったん戻り途中の橋から下地島へ渡る。島旅21島目は下地島となった。
下地島に渡るとすぐに下地島空港にぶつかる。この空港の滑走路が今回の旅行の最大の目的であるジャンボ機によるタッチアンドゴー訓練の舞台である。
だが周囲は緑に覆われていて滑走路の様子はよく分からなかった。そこで滑走路の周囲に沿って延びる道を通って滑走路が見やすい場所へ移動してみることにした。下地島空港は当時は旅客営業をしておらず、離着陸訓練専用の空港として使われていた。元々人が殆ど住んでいない島ということもあってかターミナルの周辺は店のひとつもなく閑散としていた。
折角空港があるのだから玄関口のひとつとして活用させようということで、かつて散発的に旅客便を就航させたことがあったようだが、伊良部島に用事のある人の母数が元々少ないうえ宮古島にも空港があるので、わざわざフェリー乗り継ぎの手間をかけてまでこの空港を利用するメリットがあまりなく、結局うまくいかずに後に撤退している。
だが、近年伊良部島大橋が開通して宮古島と地続きとなったことで、宮古島へアクセスするための空港としての利用価値が高まり、ここ数年で再びLCCが複数乗り入れるようになったそうだ。一方、離着陸訓練はもう行われていないとのこと。
話を当時に戻す。旅客営業が行われていなかったので空港の建物内に入れそうな雰囲気が全くなかった。ちゃんと確認した訳ではないが敷地に立ち入って万一咎められたら嫌なので、建物は素通りして先へ進んだ。
道はコンクリート舗装になっていて、どことなく日本離れしたグアムやサイパンあたりのような雰囲気を感じた。
この道は旅客便乗り入れ開始後は保安上の理由で自動車乗り入れが禁止されたとのこと。空港建物が見られなかったのは残念だったが、一方でこの道を通行できたことは貴重な経験だったようだ。
しばらく進んでいくと佐和田の浜が右側に見えてくる。こちらの写真の方が岩がゴロゴロしている感じがより伝わるのではないかと思う。
こうしてみるとどこかから流れ着いた岩が転がっているように見えなくもないが、逆にこのあたりがもともと陸地で、地震によって不等沈下して海中に没したとか、逆に隆起して海底地形が露になった、なんていう可能性もありそうな気がする。
佐和田の浜を過ぎると空港の滑走路がすぐ左に寄り添ってくる。右側はすぐ海なので自分の居場所はこの数mしかない。
この辺りは滑走路はフェンスで仕切られているだけなのでフェンス越しに撮影できそうな気もしたが、一度先端部分まで行ってみてそれから考えようと思う。
さらに進んでいくとこんなものがあった。傍らに立てられた説明版によると魚垣(ながき)というものだそうだ。
浅瀬の海に、満潮時に水面下に沈み干潮時に水面から顔を出すくらいの高さに石を半円形に積み上げたもので、満潮時に紛れ込んだ魚を干潮時に捕るためのものだそうだ。
地元の言葉ではカツ(宮古地方の方言で「垣」を表す)と呼ばれているとのこと。
下地島空港のタッチアンドゴーを見に:
さらに進んでいくと滑走路の先端になった。道はここで空港の敷地に沿って左に曲がる。だがその先端部分にはさらに沖合へと橋のようなものが架かっていた。これは橋ではなく飛行機の誘導灯(正しくは計器着陸装置(ILS)と呼ばれるもの)だそうだ。
ここはキムタク主演のドラマ「GOOD LUCK!!」のロケで使われてたそうだ。と言っても見てないので知らんけど。
眼前に広がる海の色は美しいマリンブルー。こんな日本離れしている風景、国内にはそうそうないのでさぞ映える映像が撮れたことだろう。
滑走路脇からタッチアンドゴーの様子を見るのもよさそうだが、なんかこの素晴らしい景色の元へ着陸してくる飛行機を撮る方がいい写真が撮れそうだったので、ここで飛行機がやってくるのを待ち構えることにした。
で、そのタッチアンドゴーだがガイドブックには実施日や時間などが書かれていなかった。なのでやってきたはいいけど今日は実施日ではない可能性もある。そうなったら徒労だがドクターイエローくらいの感じで見られたらラッキーと思っておくことにしよう。
果報は寝て待て。車の窓を全開にして少し昼寝としゃれこむことに。飛行機が飛んで来たらその音で目覚めるだろう。
外気は今日も35度を超える猛烈な熱波が押し寄せているが、車の中は日陰になって全開放した窓からは潮風がそよそよと流れ込んできて、案外快適だった。
社員旅行だろうが自分が計画した旅行だろうが、こんなところで昼寝するなんてまず考えられない。そう考えるとなんかとても優雅なことをしている気がする。午睡できる幸せを噛みしめながらウトウトと眠りについた。
それから1時間弱眠っていたようだが、飛行機は一向に飛んでこなかった。。。果報は寝て待ってももたらされなかった。このまま待ち続けても忠犬ハチ公状態になりかねない。あまり長居しているとこの後の観光にも差し支えてくるので結局飛行機を待つのはこれで終了。
旅の一番の目的は未達に終わった。残念だが仕方なし。
ということで再び出発。この先滑走路わきの道路を進んでいくと島の西側に点在する観光スポットへ行ける。そのうちのひとつ通り池へと向かった。通り池については後述する。
ちなみにこの通り池の少し先に高さが12mもある帯岩というものがあるらしい。帯岩もまた八重山地震の津波で流されてきたものと言われている。だがそこは海面から数十mの高台である。そんなところにそんな巨岩が流れ着くなんてあり得るだろうか。。。と思っていたのだが、一説によるとこの時の津波の波高は80m以上あったともいわれている。以前はそんな巨岩がほかの場所にもゴロゴロと転がっていたらしいのだが、下地島空港を建設する際に全て撤去したとのことだ。
自分はその帯岩は見に行けなかった。道中に案内看板のようなものを見つけることができず、どこからたどり着けばよいのか分からなかった。