大阪出張2023【1】(2023/07/30)
前回の太地、伊勢、浜松の旅行記でも軽く触れたが、旅行から帰ってきて2日後には大阪へ出張である。作業日は7/29、30の2日間。とはいっても実質的な作業は29日に終わる予定で30日は予備日となっている。
で、首尾良く29日で作業完了となり翌日の予備日は解放となった。30日は土曜日である、帰りの新幹線は座席確保の兼ね合いから18時の便を予め手配してあったのでそれまで自由時間となった。
ところが今回は折角の散策チャンスであるにもかかわらず、29日の晩にホテルに戻ってきた時点になってもどこへ行こうか決めかねていた。というのも、大阪界隈はもう何度となく訪れているので撮りたい鉄道があまりなくなっていたのだ。まぁ全くない訳でもないのだが、それらはあちこちに虫食い状に点在しているので、まとめて巡ろうとすると時間が足りないし、逆に1か所だけターゲットを決めていくと時間が余る。
別に無理にどこかへ行かなければならないという訳でもないので、たまにはレイトチェックアウトでゆっくりして、適当にお茶しながら時間潰して帰るでもいいかなと思ったりもしたのだが、スマホで地図と暫くにらめっこしているうち、ちょっとした鉄旅に出かけてみようと言う気になった。
河内長野へ:
2023/07/30
午前中は淀屋橋のホテルでのんびりして10時ちょうどにチェックアウト。まずは御堂筋線で難波駅まで行ってそこから南海高野線と泉北高速鉄道で泉が丘駅に向かう。
今回の鉄旅のコースを基にしたスケジュールでは難波から乗る高野線の列車が11時過ぎとなっていた。淀屋橋から難波まで大した距離ではなく、御堂筋線に乗って行ってしまうと早く着いてしまう。そこで難波駅までは御堂筋を歩いてみることにした。
この所炎天下が続いていてこの日も朝から気温がぐんぐんと上がっていた。そんなさなか歩いて難波に向かうなど正気の沙汰ではない気もするが、以前勤めていた会社の大阪支店が船場の辺りにあって、折角だから今どうなっているのか見てみたくなったのだった。
だが付近まで来て記憶を頼りに辺りを見て回ったのだが、十数年前の記憶は既に曖昧でそのオフィスの建物は結局見つけることが出来なかった。古いビルだったので既に取り壊されてしまっているのかもしれない。
そのビルは幽霊が出るのだと支店の人が言っていた。幽霊と言えば一般に足がないものだが、その人が言うにはその幽霊は腰から下しかないというのだ。大阪って幽霊までツッコミ待ちなんだろうか。
まぁ自分で見た訳ではないので、その支店の人の作り話なのかもしれないが。
それはさておきとりあえず難波に着いた。高野線の泉北中央行きに乗って20分少々で泉が丘駅に到着。
ここから河内長野駅行きのバスに乗る。大阪でバス移動は今までやったことがなかった。駅to駅の経路を通るバスなら気軽にバス旅が出来る。今回の乗車がなければ多分人生において一切縁のなさそうな街を走るバスなので、どんな景色が見られるのかとわくわくしながらバスを待った。
河内長野駅行きのバスは毎時33分発でバス停に向かったらほどなくバスがやって来た。古いというほどにはクラシカルでもないけど、新しいとも言えない微妙なエイジング加減のバスだった。
ここから河内長野まで40分ほどの小トリップである。バスの経路はもっぱら付近に点在するニュータウンを回りながら進んで行くルートで、車窓にこれまで見たことがありそうでやっぱり見たことがないパラレルワールドのような風景が続いた。
だが程よく冷房の効いた車内は眠気を誘う。後半はウトウトしてしまい気が付いたら終点に到着。
という訳で河内長野駅に到着。丁度昼時になったので駅に着いたら何か食べようと思っていたのだが、駅前にはこれと言った店がない。唯一ロッテリアがあったのでそこで済ませた。
道明寺線:
さて、ここからは近鉄に乗って大阪平野の山際を北上する予定だ。途中の道明寺駅から道明寺線に乗り換えて柏原駅へ行き、そこからちょっと歩いて近鉄大阪線の堅下駅へ。更に北上して河内山本駅で信貴線に乗り換え、西信貴ケーブルで山の上の方まで行ってみようと思っている。
その前提で乗換案内アプリで時刻を検索すると西信貴ケーブルの接続が微妙に悪いことが分かった。
信貴山口駅から出発するケーブルカーは自分が到着する10分ほど前に出発してしまうらしく、次の便を待つと、頂上での散策の時間が取れないうえ、新幹線の出発時刻に間に合わせるように新大阪へ移動する時間がタイトになってしまう。
結局西信貴ケーブルへの乗車は諦めて、もうひとつの隠れたミッションをこなすために八尾に向かうことにした。
まぁ隠すような話でもないのだが、カミさんから珍しくおみやげの指名があったのだ。それはりくろーおじさんのチーズケーキを買ってきてほしいと言うものだった。調べてみると新大阪駅構内で売っているようなのだが、かなりの人気商品らしく多分行列に並ばないと買えない。並ぶ時間がもったいないなと思い、どこか地方都市で売ってるところがないかと調べてみたら、八尾のアリオに店舗があるのを見つけた。
というわけで、昨晩の時点で八尾まで行くことは決めていたのだが、単に往復するだけじゃ芸がないと思って周辺をあれこれ調べているうちに今回の散策コースが出来上がったという次第。
それはさておき、13:02発の長野線で道明寺駅へ。この辺りまで来ると車窓から見える景色もだいぶ長閑になってくる。大阪と言うとどうにもごちゃごちゃとした印象が強いが、こうした郊外然とした光景もあるのだなと思った。
13:28に道明寺駅に着き、今度は道明寺線に乗り換え。
道明寺線は道明寺と柏原を結ぶ僅か2駅のミニ路線である。今回乗らなかったら一生乗らなさそうな路線だ。出発は13:43なので15分ほど列車の中で涼んで待つ。
南大阪線の線路をひっきりなしに列車がやって来ては出発していく。それをぼんやり見ていたら16200系「青の交響曲(シンフォニー)」がしれっと通過していった。たまたまLineでメッセージを書いている時だったのでカメラの起動が遅れてしまい、、、
こんな写真しか撮れなかった。スマホは律儀にピント合わせをしてから撮影するのでこういう動くものを撮影しようとすると、シャッターチャンスを逃してしまいがちだ。
それにしてもこういうレア電車に遭遇した時ほど撮影に失敗する癖、どうにかならんものか。。。
その後ほどなく列車は出発。2駅先に行くだけなのであっという間に柏原駅に到着する。到着は13:47。
昔柏原芳恵というアイドルがいたせいでついつい「かしわばら」と読みたくなるがこちらの駅は「かしわら」と読む。ちなみにお隣の奈良県には橿原「かしはら」という街があり、いつもどっちがどっちだっけ?と混乱する。
ここから大阪線の堅下(かたしも)駅までは徒歩だ。と言っても僅か300mくらいの距離なので大した散歩でもない。
この区間の歩行時間を10分と見積っているがそんなにかからなさそうだ。
実際、5分もかからずに堅下駅に辿り着いた。駅に着いたときに1本前の列車が到着したのでそれに飛び乗った。
上で西信貴ケーブルの接続が悪くて訪問を諦めた、と書いたが、1本早い列車に乗れたと言うことはもしかしたら西信貴ケーブルにも間に合うかもしれない。そう考えて改めて乗換案内アプリで検索したら、やっぱり信貴線も1本早い列車に接続されケーブルカーの出発に間に合うことが分かった。それならということで当初計画を復活させて予定どおり信貴山に行ってみることにした。
信貴線と西信貴ケーブル:
河内山本までは3駅。そこで信貴線に乗り換えて終点の信貴山口駅まで2駅。14:16に着いた。
西信貴ケーブルの出発は14:25。あと10分もない。ケーブルカーへの乗り換えはホームの向かいで、なんてことはあまりなく、大抵少し離れた所にホームが作られていたりする。更にはICカードが対応していなかったりして窓口で別途切符を買い求める必要があったりするので、まごついていると乗り遅れてしまいそうな不安があった。
だが、西信貴ケーブルは信貴線と同じ近鉄の路線であるため、改札内乗り換えが出来て殊の外スムーズに移動できた。乗換口に高安山駅がICカードでの降車にも対応していると書かれていたので安心して車両に乗った。
車両には誰も乗っていなかった。それを良いことに見晴らしの良さそうな席に着席して出発を待つ。
車両は勾配の傾きに合わせて階段状に座席が配置されているのだが、この先の区間と比べると駅の辺りは勾配がそれほどでもないらしく、室内がなんだか前のめりである。小さな座席は腰掛けていてもなんだか落ち着かない。
14:25に定刻で出発したが、結局誰も乗って来なかったので貸し切り列車になってしまった。
運転手と中年男性の2人だけのケーブルカーと言うのもなんだか気まずい。。。
関東に住む者にとってこの西信貴ケーブルはあまり馴染みがない。知名度が低いってことは大したことの無い路線なのだろうと見くびっていたが、登り始めるなりかなりの急勾配で上の方へと線路が続いているのが見える。奥の方なんか垂直に登っているのではないかと思うほどだ。そのうえ写真のようにトンネルなんかもあって殊の外本格的で見所の多いケーブルカーだった。
ちなみにこの急勾配区間にさしかかると座席の角度が丁度良くなった。やっぱりこの勾配に合わせていたのか。
7分ほどで終点の高安山駅に到着。そう、西信貴ケーブルと言う名前からして信貴山に登るものだとばかり思っていたが、信貴山はここからバスに乗り換えてもう一頻り進んだ先にあるのだそうだ。
まぁ見晴らしが良い所に行きたいだけなので別に信貴山である必要はない。余裕があればそのバスで行ってみるのもアリだったが、そんな時間もないのでこのまま高安山周辺を散策しようと思う。
下車する際、改札でスマホをタッチしたら残高不足だと怒られた。あれ?オートチャージ設定しているのに何で??
・・・と思ったらJR東日本の路線に乗らないとオートチャージされないのね。。。数か月前にモバイルSUICAに切り替えたばかりで、そのことを知らなかった。さしあたってどうやってチャージすればよいのか一瞬戸惑ってしまったが、モバイルの場合はスマホアプリからチャージすればよいのだった。