鹿児島へ【7】(2006/08/14)

古里観光ホテル:


黒神神社の鳥居を見学し終えたとき、女性陣からこの辺りに温泉があったら入りたいとリクエストがあった。これだけカッカした山があるのだから良い温泉もありそうだ。と言うことで鹿児島市街へのフェリーターミナルがある方へと向かいつつ、いい感じの温泉があったら立ち寄ろうと車を走らせたら、しばらく進んだ先に古里温泉という看板を見つけた。ちょっとした温泉街になっていて、その中のひとつ古里観光ホテルと言う所に立ち寄ってみた。

昭和の雰囲気を色濃く残す建物の受付で料金を支払うと白装束のような衣装を渡された。館内着かと思ったら湯あみ着だという。
なんでもここの露天風呂は男女混浴になっていて、そこへ出る際にはこれを着る必要があるのだという。なんか殊の外面白そうな温泉だぞ。

内湯もあり、そちらは湯あみ着不要で入れるということなのでまずは内湯から入ってみた。内湯の窓の向こうはオーシャンビューである。なかなかの絶景だがお湯が少し熱めでゆっくりと入っていられなかった。

軽く温まったら洗い場で体を洗って噂の露天風呂に出てみることにした。一旦脱衣場に戻って湯あみ着を羽織ってそれから露天風呂へ。

 

この建物は崖上に建てられているのだが、露天風呂は崖下の海岸沿いに設けられているらしく、そこまで降りるためのエレベーターがあった。
素っ裸に湯あみ着1枚で乗るエレベーターに非日常を感じた。もうひとつ非日常と言えばこのエレベーターは斜行エレベーターになっていて乗り込んでドアを閉めると斜めの方向にGがかかった。

エレベーターを降りるとそこには大きな露天風呂があった。奥には祠のようなものも祀られていて、それゆえ竜神露天風呂と言う名前が付いている。そしてその向こう側は大海原、ものすごい解放感である。

上で述べたとおりここは男女混浴になっていて、老若男女が思い思いに風呂に浸かったり縁で湯冷ましをしていたりする。真っ白な湯あみ着なのでお湯に体を浸けたら肌が透けるのではないかと心配だったのだが、生地が厚めに作られているので全くそういうことはなかった。もちろんそこで入浴を楽しんでいる人達のそれも見えることはなかった。残念だが安心。

お湯は内湯と比べるとだいぶぬるめ。なのでじっくりと浸かるような感じだが長く浸かっていても温まれそうにない。程なくカミさんとお義母さんも降りてきて合流し、めいめい好きなように風呂を堪能して上がった。

なんとも珍しい温泉だったが2012年に閉館してしまったそうだ。機会があればもう一度くらい入ってみたい温泉だっただけに残念。

 

気が付けばもう夕方だ。そろそろ帰路に就き始めないとなのでフェリーに乗船して鹿児島市街へと移動。県を代表する観光地ということもあってこの区間のフェリーは頻繁に発着しているので待たずに乗船することができる。

車を停めてデッキに上がるとどうにも蒸し暑い潮風が体にまとわりついてくる。折角温泉で潮を流してきたばかりなのにたちまち体がベタベタになる。

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デッキに陣取って鹿児島市街を眺める自分らの隣で同じように海を眺めていたよその子供がドラえもんのうたを口ずさみはじめた。
それを聞くとはなしに聞きながら景色を眺めていたら、途中から聞き覚えのある声音で同じメロディが聞こえてきた。

こら、人が歌っている鼻歌を真似するんじゃない。カミさんはどうしたことが人が口ずさんでいる歌をすぐ真似する癖がある。それが全くの他人であっても気にしない。あまり良い癖ではないと思うのでちょいちょい窘めているのだが、やめようという気が全くないらしく気が付けば真似している。せめて自分が思いついた歌の鼻歌でも歌っててくれたら気にならないのだが。

その子供は一瞬自分らの方を一瞥した後、歌うことをやめて親のいる方へ逃げ帰ってしまった。言わんこっちゃない。。。

 

高速道路で馬刺を受け取る:


フェリーに乗っている時間は15分ほど。あっという間に鹿児島港に着いた。鹿児島市内もちょっとくらい散策できたらいいなと思っていたが、流石に今からだとチト遅いので市内散策は見送りとなった。

市内の道を高速のICに向かう途中カミさんの携帯に着信。相手は件のおじさんだった。

「馬刺を用意したので渡したいから、高速バスの益城の停留所に寄ってくれる?」

 

どうも昨晩自分が何の気なしに発言した馬刺食べたい、というリクエストを気にしてくれていたらしい。だから発言に対して微妙なリアクションだったのか。そんな真に受けなくて良かったのですが。。。
馬刺は言わずと知れた高級食材である。そんなものを欲しがられたら微妙なリアクションになるのも頷ける。そろそろ無邪気に発言するのも考えないとだな。

でも馬刺しなんてなかなか頂けるものではない。ありがたく頂戴することに。

 

しかし高速バスのバス停で受け渡しなんて全く思いつかなかった。普通手渡ししようと思ったら、一旦高速を降りてどこかで合流することを考えるがバス停だったら高速から降りずに済むし、向こうもバス停の入口から敷地に入れるので無駄なく受け渡しができる。だがそもそも高速のバス停って一般車が進入しても大丈夫なのだろうか。

自分はバス停への進入自体初めての経験である。バスは頻繁に来るものではないと思うので受け渡しに要する時間程度なら邪魔になることはないと思うが、タイミングが悪いとお咎めを受けるのではないか。そう思うとなんか緊張した。

 

指定された益城のバス停に入って車の速度を落とすと、おじさんとその奥さんが既に停留場で待っていた。自分らの車を見つけるなり手を振って迎えてくれた。車を降りてご挨拶のひとつもしなければと思ったが、車を停めていてトラブルになることを恐れて窓越しで慌ただしく受け取ることとなってしまった。

この時両親はリアシートに乗っていて座席からおじさんたちに頭を下げた。だがスパイクのリアウィンドウは開かないうえにプライバシーガラスになっているので、窓越しに挨拶しても車外のおじさんたちからは恐らく中の様子が見えていないはず。

こういう場面では困るな。車を買う時には窓ガラスのことは全く意識していなかったが、こういうシーンって案外あるのではないかと思う。車種固有の話だから相手方も仕方ないとは思ってくれるだろうが、いらぬわだかまりを作らない為にもやっぱり車の窓ガラスは開くように作った方が良いのではないかと思う。

というわけで馬刺のドライブスルーというなかなかない経験をしたわけだが、帰宅して開封して驚いた。なんと馬肉は柵のまま包まれていた。これ結構高級品だったのではなかろうか。。。2人で頂いたが実に絶品な馬刺であった。

 

それから再び高速の人となりドライブを続けていたら、福岡県内に入った辺りでエンジンが不機嫌になり始めた。
アクセルをオンオフするたびに1500回転くらいの所でガクガクと回転が不安定なるような挙動を示している。まだまだ先は長く途中で致命的なエンジントラブルなどに発展したら困るので、とりあえずその先のSAに停めてエンジンをチェックしてみた。たが素人が見たって何がおかしいのかさっぱり分からない。やむなく一旦高速を降りて最寄りのディーラーに駆け込んだ。

暫くしてメカニックから説明があったのがプラグケーブルの不調だった。そう言えば大昔にRVRでもそんな事象を経験したな。
修理は保証で対応できるということだったのでそのまま交換までやってもらった。

修理後はエンジンは頗る好調になった。初の長距離ドライブでちょっとびっくりしたのだろうか。。。
その先はトラブルもなく、順調に本州に復帰。

 

さて明日の予定だが、両親からリクエストがあったとおり、どこか鹿児島以外の場所での観光を考えている。両親は頻繁に旅行に出かけるような人たちではないのだが、そうは言っても九州島内の各所はそれなりに行ったことがあるのではないかと思う。そこで少し離れたしまなみ海道を通ってみることにした。四国へ上陸したあと淡路島を経由して神戸に戻るコースで観光してみることにした。

と言うことで今晩の目的地は尾道となった。途中のSAでお義父さんに運転を代わって貰い自分はリアシートで仮眠となった。

Posted by gen_charly