沖縄離島探訪【8】(2006/11/21)

民宿まるま荘:


我々の今晩の宿泊先となる宿はネットで調べて評判のよかったまるま荘という民宿だ。宿まではかざぐるまのスタッフに送って貰った。

チェックインをした後に通された部屋は4畳半の和室だった。民宿だけあって部屋の中は民家のそれで、部屋の入口が引き戸なのでカギはかけられないし、風呂やトイレは共同。民宿なのだからこんなものだろう。広さについては寝るだけだから特段の不満はないが、部屋の中が微妙に汗臭かった。それだけが残念。

 

さて、西表島に着いて半日が経とうとしているが島の滞在は明日の朝までだ。流石にちょっと慌ただしいな。。。
残りの時間でやりたいことがいくつかあるのだが、それよりまず最初に明日の船のことを考えなければならない。

前回、上原への航路は外海を通るため波で欠航しやすいと書いた。それはつまり明日の便もそうなる可能性があるということだ。我々は石垣に戻った後すぐに空港へ移動して与那国に向けて飛び立つ算段になっている。なのでもし欠航となったら急遽大原まで行ってそちらの便に飛び乗らなければならない。だが上原から大原までは車で軽く1時間はかかるらしい。

となると上原からの便の欠航を確認してから大原に向かったのでは与那国行きの飛行機に間に合わない。なのでどうするのがベストの選択となるのか部屋の中でしばし考えた。天気予報では明日は曇り一時雨と言う予報が出ている。今も少し風が吹いているので欠航となる可能性は半々くらいだろうか。だとしたら一番確実なのは最初から大原へ行くことだ。

と言うことで、明日は大原からの船に乗ることにした。大原からの便で飛行機に間に合うのは8:55発になるようだ。逆算すると7時半には宿を出発しなけばならない。そうなると朝食をとる時間はあるのだろうか。宿の女将に確認すると朝食は7時半からとのことだった。間に合わないじゃん。。。仕方ない、朝食は諦めるか。

女将に事情を伝え、朝食は不要ですと話したところ、それなら7時くらいに出しますよ。と申し出てくれた。なんて有難い。
わがまま言ってすみませんとお詫びしてお願いすることにした。

 

舟浮集落に行ってみたいが。。。:


明日朝の段取りが無事まとまり時計を見たら15時半だった。もうそんな時間か。。。

当初の計画ではこのあと時間見合いで舟浮集落という所を訪ねてみたいと思っていた。舟浮集落は西表島の北西に位置する人口50人ほどの小集落なのだが、この集落へと続く道がないのだ。集落への交通手段が船しかないという、現代日本にあって非常に珍しい集落なのである。かつてはその先にも網取(あんとぅる)、崎山(さきゃん)、南岸沿いの鹿川と言った船でしか通えない集落があったのだが、今ではいずれも廃村となっており、この舟浮が唯一残っている集落だそうだ。

余談になるが30年ほど前にこの集落で久々に生まれた子供が初節句を迎えたということで、新聞の記事になったことがある。その時の子供が現在沖縄を中心に音楽活動をされている池田卓氏である。この人、情感のこもったいい歌を歌うんだよなぁ。

 

舟浮集落は定期船が通じていないので部外者は集落を案内してくれるツアーを利用することになる。そのツアーは上原集落の中を通っている県道をどん詰まりまで進んだところにある白浜と言う集落から出ているのだが、そこへ行くためには車が必要になる。バスなどもないのでレンタカーでも借りるしかないのだが、今から車を借りたとして急いで行ってもそのツアーの時間には間に合わなさそうだった。

結局舟浮集落への訪問は見送らざるをえなかった。

 

レンタカーの手配:


舟浮へ行かないとなれば逆に時間が余る。上原集落の周辺にはこれと言った見どころがなさそうだった。散歩しても良いがどうせなら少し車で近隣のドライブでもするか、ということで車を借りることにした。

女将さんに近隣のレンタカー屋を訪ねたところ、宿から徒歩5分くらいの所にある店を紹介してもらった。早速店に出向いて話を伺ったのだが、返車時間の話になってはたと困ってしまった。店は9時開店18時閉店となっており時間外の返却は不可とのこと。料金は半日単位なのだが、明日の船の時間を考えると今日の閉店までに返却せざるを得ず3時間程度しか借りられないことになる。それだとちょっともったいない。借りるかどうかの回答を保留にして一旦宿に戻った。

女将に他の店がないか聞いてみたらもう一軒教えてくれた。ただしそこはここから少し離れているらしい。とりあえず電話で条件を確認したらその店は大原にも営業所があって乗り捨てが可能であるうえ、開店が8時なので大原からのフェリーに乗るための移動手段としても使えることが判明した。もちろん今晩の散策に利用しても良い。

 

ということで圧倒的に使い勝手の良いそのレンタカー屋で借りることにした。電話口の人は今から迎えに行きますと言っていたので待機。とりあえず宿の前にある広い庭に出てみた。芝生が敷かれて向こうには海が見える絶好のロケーション。しかも木にハンモックが架けられたりしていて否応なくリゾート気分を盛り上げてくれる。こんな慌ただしい滞在じゃなくて島で3日間くらい過ごしてみたかったなと思った。

ハンモックなんてテレビか映画かアウトドア用品店でしか見たことがない。折角なので物は試し寝っ転がってみることにしたのだが、腰が一番沈み込むので体がくの字になってしまい全然寝心地が良くない。体の乗せ方が悪いのか何なのか知らないが、こんなので昼寝したら悪夢にうなされそうだ。

もういいやと思ってハンモックから降りようと思ったらそれも上手く行かない。足を網のサイドから外に投げ出しても地面に付かないので、どこに体重をかけて起き上がればいいのかが全然わからず暫くもがいてしまった。もう使わない。

 

ハンモックに四苦八苦していたらレンタカー屋の名前が書かれたマイクロバスが敷地に入ってきた。自分が連絡者であることを告げて事務所まで送り届けてもらう。
手続きを済ませて暫くすると声がかかったので外に出てみたら、そこにあったのはパジェロミニ。こんなに島の雰囲気にピッタリな車を出してくるか。実際レンタカーとしてはかなり珍しい車種である。お店の方、分かってらっしゃる。

そんな訳でようやくレンタカーの手配が出来たのだが、宿に戻ったら既に16時半だった。手配に手間取りすぎた。もうあと1時間くらいで夕食の時間である。そう考えるともうどこかへ出かける時間がない。なんだか何をしたいのかよく分からなくなってきた。。。とりあえず夕方までの散策は諦めて夕食の時間までゆっくりすることに。

とはいえ折角車を借りたのだから使いたい。島の中をドライブしたい。しばし思案していたら西表島温泉のことを思い出した。確か結構遅い時間までやっていた筈なので夕食を済ませた後、夜のドライブを兼ねて西表島温泉まで行ってみることにした。

 

晩御飯の時間になったと女将から声がかかったので食堂へ移動。

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これがまるま荘の夕食である。八重山そばをメインに魚の甘酢揚げやチャンプルーなどが並ぶ、民宿らしいシンプルなメニュー。見た目の派手さはないが一品一品の味付け絶妙で2人とも大絶賛の夕食だった。

Posted by gen_charly