奄美大島上陸【17】(2007/09/23)
ハブとマングースのショー:
ではよく見ていてくださいね、とスタッフが説明しながら真ん中の仕切りを持ち上げる。
飢えていたマングースは何のためらいもなくハブにとびかかって首根っこに噛みついた。一瞬の出来事でカメラを構えて待っていたのに追いきれなかった。。。
もっと対峙してにらみ合って、みたいなことをやるものだと思っていただけに完全に出鼻をくじかれてしまった。
猫がおもちゃにじゃれつくときのように、のたうつハブをいたぶる。
が、1分ほど経った頃スタッフが上から鶏肉を落とした。するとすぐにマングースは落とされた鶏肉に興味が移って、ハブそっちのけで鶏肉に食らいつく。これが試合終了の合図。本当にあっという間の出来事だった。
ちなみになぜ鶏肉を投入するのかというと、この鶏肉をマングースがちゃんと食べるかを見るためらしい。ちゃんと食べられれば正常だし、食べられなかったら試合中にハブに噛まれて毒が回っている、ということが分かるそうだ。もちろんこれから様々な製品に化けるハブを食い散らされないようにするためでもあるはず。
とはいえ、自然界でこれやられたらハブは完全にやられ損である。。。
ハブの方はスタッフがひょいと救い上げて収納箱に入れられてしまった。もう息も絶え絶えなので顎を握らなくても力なくしまわれていた。
なるほど。これがハブとマングースのショーなのか。1分ほどで終わってしまうのでエンターテイメントとしてはあっけなさすぎるが、続々とやって来る観光客に見せるショーとしては手ごろかもしれない。だからこそ観光の目玉として人気を博したのだろう。
最後に、なぜ奄美でショーが続けられるのかについて説明があった。それはこのショーが単なる見せ物ではないからだそうだ。ヘビ皮製品やハブ酒は大きな需要があって島の主要な作業のひとつになっている。こうして勝負に出たハブももちろん供養したうえで、ちゃんと製品として加工して最後まで使っているそうだ。
ショーの終了をもって我々の奄美大島観光も完結となった。
けいはん ひさ倉:
さて、飛行機の時間まであと少しある。飛行機に乗ったら羽田に着くまで食事がとれないので、少し早めだが夕食を済ませてから空港に向かうことにした。
店はさっき龍郷から戻って来る時に道すがらに見つけたけいはん ひさ倉という店。3日前に食べた鶏飯の味が忘れられず、もう一度食べてみたいということで選んだ店である。
龍郷方面へ向かう前に市内で給油を済ませておくことに。「特価販売中」と掲げられた、昨日とは別の店が道すがらにあったのでそこで給油することにしたのだが、リッター156円だった。何が特価販売中だよ。。。素直に昨日の店で入れればよかった。
まぁそれでも、空港近くのスタンドよりは安いが。。。
で、ひさ倉にやって来た。時間が外れているからか店内は閑散としていた。
鳥しんで食べたものよりも具沢山だが、味はあっさり目で鳥しんで食べた味が基準になっている自分にとってはちょっと物足りなかった。
そうして食べている間中、カミさんが向かいの席で「家政婦は見た!」と小声で何度も連呼していた。どうしたんだ一体。
物足りないと言っても比較的に物足りなかっただけで、味は上品でとってもうまいものだった。
店を出たあと、さっきなんで何度も意味不明なことを言ってたんだ?と聞いてみると、調理場で出汁に化学調味料を入れていたのを見ちゃったんだと言った。鳥からダシをしっかりとった自然派の食べ物という先入観があったので化学調味料を入れていることが分かってショックだったらしい。別に美味しく食べられたんだからいいんじゃないの?と言う気がしなくもない。もちろんそういう風には言わなかったが。
空港近くのスタンドで最後の給油。先ほど給油したばかりなので1.2リッターしか入らなかった。店員が、お前ほかの店で入れてきたな、とでも言いたげな苦い顔をしていたような気がするが見なかったことにする。
レンタカーを返却して空港まで送って貰い、あとは飛行機で羽田まで戻ったら今回の旅も終わりである。
あとがき:
はじめは消極的な理由で選んだ奄美大島観光だったが、思った以上に濃い5日間を過ごすことが出来た。南国ムードはバッチリなのにそれほどはしゃいでいない鄙びた感じが心地よく、そのうえ小さな離島と比べると様々な見どころがある充実した島であった。もっと早くこの島に興味を持てばよかったな、と思った。出来る事ならまたもう一度訪ねてみたい島である。とはいえ他にも行ってみたい場所は沢山あるのでなかなか難しそうだが。。。
カミさんの足は東京へ戻ってから1週間ほどで腫れも治まって元どおりになった。結局何に刺されたものなのかが分からずじまいなので対策の取り方が難しいが、こうしていつの間にか毒虫にくわれることもあるわけだからポイズンリムーバーくらいは入手しておいたほうがいいかもしれない。
あと2人で泥染めをしたシャツだが自分の長袖Tシャツは気に入ってちょいちょい着ている。一方、カミさんが友達に配ると言っていた方はみんな茶色や黒に染まってしまったので、絞りぬいたところ以外で色の判別が出来なくなってしまった。どうもそれが気にくわなかったらしく結局手渡すのをやめてしまった。頑張って染めたのにもったいない。。。
(おわり)