銚子電鉄その後(2010/07/03)
職場の同僚と飲んだ時に釣りの話になって興味深そうに話を聞いていたら自分も誘われた。釣りの道具は何ひとつ持っていなかったので、彼のアドバイスを受けながら一式揃えて、とある釣り場に行ってみたらまぁまぁの釣果を得ることが出来た。いわゆるビギナーズラックってやつなのだが、それですっかりハマってしまって、以来月に2度3度と釣り場に繰り出すようになった。
大概はその同僚と一緒に行くのだが、それだけじゃ飽き足らずカミさんとお義母さんを誘って釣りに出かけることにした。
2010/07/03
向かった先は銚子の犬若漁港。何が釣れるのかとかはあまり考えずに竿を出したらマメアジが大量に釣れた。ただカミさんたちはこういうのにハマらないタイプなので、午前中にそこそこの釣果が得られたらもういいやとなってあっさりと終了。家に帰ってから調理するのが面倒というのもあるのだろう。
で、午後は何か違うことをしようということになり、自分は銚子電鉄のその後を見に行くことにした。カミさんたちは銚子と言えば醤油だよね、といってヒゲタ醤油の工場見学をしに行くことになった。
とりあえず先に昼食、ということで島武という回転寿司屋で食べた。島武は銚子市内にある寿司屋で当時から有名な店だったが、最近テレビで取り上げられることが増えたせいか、前にも増して混雑するようになってしまった。
ここの特徴はなんといってもネタの大きさ。普通ではありえないような巨大なネタが握りに乗っている。故に大人気な訳だが、
ご覧のとおりの有様である。豪快と言えばそういうことになるがデカいからその分美味いか、と言われると程よい大きさというのがあるような気もする。。。まぁ、美味いんだけども。
街中の格安系の回転寿司屋だと自分は10皿以上食べないと胃袋が膨れないのだが、ここだったら5皿くらいで満腹になる。その分あれこれネタを楽しむことが出来ないのが辛い所。
それはさておき、昼食を済ませてやってきたのは島武からほど近い所にある犬吠駅。バブルの頃に洒落た駅舎へ建て替えてイメージアップを図ったのだが、残念ながら周囲の風景とマッチしているとは言い難い。そしてやはり海から近い場所なので傷むのが早い。だが銚子電鉄はそもそも経営が低調なので修繕が行き届いていない。おまけに駅前の広場に古い電車の廃車体なんかを置いちゃったものだから、ますますみすぼらしくなってしまっている。。。
で、その廃車体を見に来た訳だ。駅前に並んで置かれている廃車体は銚子電鉄500形と相模鉄道モニ2000形。500形はかつて上田電鉄から譲渡され本線上を走っていた車両だが、モニ2000形はここに設置するために購入したものなので銚子電鉄線を走行したことはない。
どちらも床下機器は全て外され車体だけが置かれているので保存車両という観点でいえばあまり評価できない。まぁ保存鉄道というよりは廃車体の有効活用として置いているだけのようだ。駅舎と同様手入れが悪いので傷みが進んでいる。
とはいっても朽ちるに任せると言うほど放置している訳でもなく、多少の手入れはなされている。500形の方は観光案内所となっていて一応はちゃんと活用されている。まぁ、この見た目からも分かるとおり、貴重な鉄道遺産を保護していこうという気概はあまり感じられないが。。。
ホームに行ってみるとほどなく1000形がやって来た。鉄子の旅塗装と呼ばれる塗り分けの車両だが、営業中の車両にしては随分とひどい有様だ。前回見かけたのは2008年だが、その時から一度も洗車していないのではないかというようなすすけ具合である。
それから少ししてもう1本やって来た。こちらも鉄子の旅塗装と負けず劣らずひどい有様。この2両は元々日立電鉄が営団地下鉄から2000形車両を買い集めて自社線内の車両入れ替えのために改造したものの、諸般の都合で注文流れになってしまった分を銚子電鉄が買い取ったという噂がある。
それから車で移動し、2人をヒゲタ醤油の工場で下ろしてから最寄りの仲ノ町駅へやってきた。
ここに銚子電鉄の車庫がある。見学は入場券を購入することで許可して貰うことができる。
前回は本線上を行き来していた800形は今日は留置線で休憩中だった。
この車両は元々単行用ではないので反対側は貫通式で運転台が増設されいる。
デキ3。なんと色が塗り替えられていた。以前は黒一色の武骨な機械と言う感じだったが、レトロ感あるかわいらしい印象になった。確か車籍のない機関車だったと思うが塗り直したということは車籍を復活させたのだろうか。
真横から見るとこんな感じ。かわいらしい。とにかく動かすのに必要な最低限の機能だけで鉄道車両を組み立てるとこうなるのだろうか。
で、その背後に繋がれている緑色の電車がつい先日銚子電鉄のニューカマーとして仲間入りした2000形2001+2501。
銚子電鉄にくる前は伊予鉄道の800系だった車両だが、元を辿れば京王の2010系である。
なんと2両編成である。単行車両ばかりだった銚子電鉄において初めての2両編成だが、どう考えても輸送力過剰だと思う。
とはいえ、近年路面電車以外で単行で行き来している電車も殆どなくなってしまったので、これしか選択肢がなかったのだろう。
訪問時はまだ営業運転を開始する前で車両の整備中だった。古い車両だが綺麗に塗られてピカピカである。これが数年後に上の1000形のようになってしまうのかと思うとなんだか切ない。
自分が訪問後、ちょっとして無事に銚子電鉄デビューを果たした。ところが営業運転に入ってすぐ、冷房を使うと変電所の電源が足らなくなることが判明し冷房を切って運転していた。折角の冷房車なのに色々と難しいものがあるものだ。
そして隣の線に留置されていたのが2000形2002+2502。こちらももちろん伊予鉄道の800系だ。
これらの2編成は伊予鉄道では822+852、823+853で編成を組んでいた。遡って調べてみたらほぼ日本一周ツアーの時に両方とも撮影していた。
822+852
823+853
そうか。君たちだったか。10年ぶりの再会である。写真のとおり車両の前後で形状が異なっている。貫通扉が付いている側の前面は伊予鉄道へ譲渡する際に後から取り付けられた運転台なのだが、なぜか京王5000系に酷似している。それはそうと、銚子電鉄には前後のデザインが異なる車両の割合が多い。
そして最後は700形。この車両も前後非対称だ。
こちらも扉が開放された状態で休憩中だった。まだ廃車とはなっていないが車両の状態はかなり悪い。営業中の車両であるにもかかわらず正面は所々サビが浮いて塗装が剥がれている。
反対の面は雨どいが脱落しかかっている。もう間もなく引退だから今更直してもね、ということかもしれないがちょっと無残である。
撮影を終了してカミさんに連絡したら2人も丁度見学を終えたところだった。見学の記念に卓上サイズの醤油を1本貰ったと言って喜んでいた。