岡山出張【13】(2023/09/18)

下津井電鉄児島駅跡:


2023/09/18

起床は6:30。なかなか健康的だw
岡山滞在も早い?ものでもう4日目となった。今日は帰京する日なので帰りの新幹線の時間までが自由時間。
新幹線の時間は20:01発。家に着く頃には日付をまたいでしまうが、時間足らなくなるよりはいいだろうということで遅めの便にした。

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レンタカーは9時に昨日と同じ店で借りる手配をしてある。ホテルをチェックアウトしてレンタカー屋へ。借りた車はニッサンデイズだった。

さて本日は岡山の西の方を散策してみようと思っている。基本的にはほぼ保存車両探訪の旅である。最初は1991年に廃線となった下津井電鉄にまつわるスポットを訪ねてみたい。

2014年の正月に下津井駅跡地に訪問して下津井みなと電車保存会が保存している車両の写真を撮影したが、この時は正月の訪問だったこともあってひと気がなく敷地内に立ち入ることが出来なかった。で、今回何気なくグーグルマップをグリグリしていたら係員が扉を開けて中を見学させてくれたというコメントを見かけた。中に立ち入るチャンスがあるなら2100形を間近に写してみたい。と言うことで再訪することにした次第。

ちなみに前回訪問時は児島駅跡や鷲羽山ホテルの敷地に保存されている車両を見逃していたので、今回合わせてチェックしてみようと思う。

 

岡山市街から国道30号線をひたすら南下し玉野に向かい、そこから海沿いに進んで児島に入るコースを辿ってみることにした。宇野~児島間の国道430号は海岸沿いを走るところが多く左手側に多島海が広がる景色の良い道だった。

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児島に入って程なく下津井電鉄の児島駅跡に到着。駅前と言ってもご覧のとおりロータリーがあるわけでもなく街中のちょっとしたショッピングモールくらいの感じで佇んでいる。流石ナロー私鉄。

この駅はJRの児島駅からは700mほど離れている。なので営業していた当時もJR線と接続していなかった。瀬戸大橋線がこの駅に接続するルートで開業するか、下津井電鉄がメリーベル号を新調する予算でJR児島駅まで延伸するかしていたら、もしかしたら違う展開になっていた気もするが、結果的に廃線となってしまった。

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建物の中はホームが残っているが、駅事務室などは撤去されており当時の名残はあまり感じられなかった。

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ホームは建物を抜けた先まで続いていたが、ここは路線廃止後に整備されたものかもしれない。

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その途中に営業中だったころのものと思しき色がかすれた駅名標が立っていた。ということはこの辺まではホームが伸びていたのかもしれない。

 

写真を撮影していたら奥の方から手押し車を押した老婆が歩いてくるのが見えた。自分の脇を通り過ぎる時、おはようございますと挨拶された。努めてにこやかに挨拶を返すと問わず語りで語りが始まった。

老婆は児島はとても住みやすくていい所だと何度も繰り返していた。気候もいいし三菱関連の仕事がいっぱいあるから食うに困らないそうだ。このご時世でも三菱関連の仕事っていっぱいあるのだろうか。まぁ確かに、児島の北にある水島の辺りには三菱関連の工場が広がっているので、選ばなければ確かに仕事には困らないかもしれない。

いつも街中で老人に話しかけられると面白い話が聞けそうな気がしてワクワクするのだが、その一方で老人は大抵話が長いので話の腰を折らないように気を使っていると、散策の時間が減ってしまうような気がして不安になる。そういう複雑な思いが脳裏を掠めながら会話をしているのでなんだか腰を据えて話が聞けない自分がいる。もっと泰然としていたいものだ。

幸い?この老婆はほどなく散歩の続きをするため去って行った。自分もこれ以上この駅で見るものはなさそうだったので先に進むことに。

 

鷲羽山第二展望台と下電ホテルの保存車:


そのまま海岸沿いを南下し鷲羽山スカイラインへ。少し登っていくと鷲羽山第二展望台を案内する看板が出ていたのでちょっと寄り道。山の上とは思えない広大な駐車場の一角に車を置いて遊歩道を登ると展望台に着いた。

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瀬戸大橋を一望できる展望台、もちろん塩飽(しわく)の島々も一望できる。

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左手側に釜島、中央が松島。右側に延びる瀬戸大橋の橋脚の下に櫃石岩黒与島の各島、やや沖合に浮かんでいるのが小与島。その向こうは四国香川県。よく見ると讃岐富士の愛称で知られる飯野山の姿も見える。

櫃石、岩黒、与島の各島は2014年の年初に訪ね歩いた

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櫃石島の集落の辺りをズームで撮影。コンパクトデジカメでもここまでズームで寄せることが出来るんだから大したものである。
9年前にこの島の中を散策していたのだなと思うと感慨もひとしおだ。

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森の影に半分隠れているが中央屋や右側に映っている緑色の歩道橋も歩いた記憶がある。左に見切れてしまっているが、山の上に立つ建物がホテル櫃石の廃墟である。

ひとしきり景色を堪能して先に進む。

 

鷲羽山スカイラインをさらに進むと鷲羽山下電ホテルがある。ホテルはだいぶくたびれてしまっているが現役で営業中である。その道路沿いに下津井電鉄の車両が保存展示されている。

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ホカフ9という貨車と、

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クハ24。屋根付きの場所に手厚く保存されている割に保存状態があまりよくない。車体はサビが浮き、一部のガラスや尾灯が壊されてしまって無残だ。

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室内も運転台の椅子はもはやボロボロである。
乗降扉まで階段が設置されているが扉は施錠されていて内部のチェックは窓越しにしか出来なかった。

 

下津井駅跡と小さなてつどう館:


ホテルにある保存車両はこれだけで、それ以外に取り立てて見るものもなさそうなので先に進んだ。

山を下りて少し進むと下津井駅跡の広場に車両が置かれているのが見えてきた。前回来た時とはだいぶ配置が変わっている。

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駅のすぐ横に下津井小さなてつどう館という建物が見えた。その駐車場にボランティアのようなベストを着た人が4人ほどたむろしていたので館内の見学と車両の見学の可否を尋ねた所、館内の見学は大丈夫だが、車庫の方は保存会の人ではないので分からないと言われた。とりあえずてつどう館の方から覗いてみることにした。

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館内には下津井電鉄のあらましに関する情報や写真が種々展示されていた。特に写真は貴重な写真ばかりで興味深く拝見させてもらった。

 

それから車両が保存されている敷地の方に行ってみたら、やはり前回と変わらず人の気配がなく門扉も固く閉ざされていた。特に連絡先が書かれているということもなかったので、多分偶然ここに誰かがいれば中を見させて貰える、位の話だったのだろう。

折角ここまで来たのでまた敷地外からだが車両の撮影に勤しんだ。ただ前回訪問時と比べ車両の手入れが進んでいる。と言っても9年かけてここまでちまちま進めた、というよりは維持していく中で傷んだ車両の修復に合わせて色が塗り替えられたのかもしれない。

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一番手前に停められていたのがクハ5とホジ3。塗装ががらりと変わっていた。元々はこんな明るい色合いの電車だったのか。

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それからモハ103。こちらはまだ修復中であるらしくまだ傷みが残っている箇所も一部あるが、遠目にはだいぶ綺麗に仕上がってきている。以前と比べて赤色が明るくなってオレンジに近い色になっていた。本来はこんな色だったのだろうか。

この車両の相方になっていたのが鷲羽山下電ホテルに保存されているクハ24である。

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そして一番奥の方に停められているのがモハ1001。こちらの赤色は随分ビビットだ。

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気になるメリーベル号こと2100形だが、意図してかせずか車両の前の方にバスの廃車体が置かれていてよく見えない状態になっていた。

そこで敷地の周りを一周して他の場所から狙えないか散歩してみることにした。

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少しし進んだ所にある駐車場から車両が見えたが、温室の柱に邪魔されてイマイチである。

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そのままぐるりと回って敷地の裏側にある駐車場の所まで来たらそこそこ見通しの良い場所があった。
と言うことでこれ以上深追いすることも出来なさそうなので、下電の見学はこれにて終了。

Posted by gen_charly