岡山出張【14】(2023/09/18)

水島臨海鉄道の車庫:


次に向かう先は笠岡である。笠岡でかつて営業していた井笠鉄道の車両が周辺の3カ所に保存展示されているというのでそれを見に行こうと思う。と、その前に下津井から少し北上したところに水島地区がある。例の児島の老婆が語っていた三菱自動車の工場がある水島である。

で、そこへの貨物輸送ならびに地域交通を担っている水島臨海鉄道と言う鉄道路線があるのだが、このところ車両の入れ替えがあって前回の訪問時からラインナップが変化している。という訳で先にそちらから見に行ってみようと考えているのだが、水島臨海鉄道の車庫は終点の三菱自工前から奥に進んだ引き込み線の辺りにあって駅ホームからの撮影が出来ない。航空写真で見た感じだと車庫は道路沿いに位置しており、柵越しに撮影が出来そうではあるのだが、その道が工場に隣接しており一般車が通行できるのかどうかがよく分からない。進入できてもトラックが激しく往来する道路だったりしたら路駐も難しい気がする。

まぁとりあえず現地で判断しよう、ということで国道430号を進み水島臨海鉄道の線路を渡った辺りで左に入ってみる。この道が上述の工場に隣接している道なのだが特に進入を制限するものはなかった。そして今日が祝日であるせいかトラックの姿もほとんどなかった。ということは路駐しても大丈夫かもしれない。

三菱自工前駅を通過して引き込み線に沿って進んでいくと大きな高架橋が頭上を通過しているところがある。その辺りに路駐している乗用車の姿が見えたので自分もその近くに車を停めた。先に停まっていた車には中に人が乗っていて昼休憩中のようだった。自分が車を停めた場所は車庫からも見通しが利くのでここなら多分大丈夫だろう。

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道路と車庫を隔てる柵越しに覗くと、いるいる。水島臨海鉄道が自社発注した車両に交じって国鉄の車両が見える。
が、これ以上ズームで寄せることが出来なかった。

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何故かというと気温が高すぎて空気が揺らいでいるからだ。車両のアウトラインがノンタンみたいになってしまう。。。w
一応、キハ30や37が止まっているのが見える。これらは我らが千葉県は久留里線で廃車になった車両である。岡山の地で再活躍することになるとは。ちなみにキハ38も同時に譲渡されているのだが、本線走行中なのか車庫にはその姿が見当たらなかった。

という訳で若干微妙な写真となってしまったが、元々撮影が成功できるかどうか分からなかったので写真が撮れただけで割と満足である。

 

岩屋展望台:


折角海岸線に近いエリアにいるので、笠岡までの道のりも出来るだけ海沿いとなる道を通って行ってみようと思った。調べてみると県道47号がそれにあたるようで、水島からだと水玉ブリッジラインと言う道で里見川を渡った所に入口となる交差点があるらしい。ということで地図をチェックしながら進んで行ったら里見川西詰と県道47号の交差点と思っていた場所は立体交差になっていて曲がることが出来なかった。

仕方ないのでリカバリしようと適当な所で左折したのだが、その道は幅の狭い集落内の道で、そのくせやたらと対向車が来るのですれ違いに難儀させられる羽目になった。

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その狭隘部分を抜けてどうにか県道47号に合流したが、この道もセンターラインのない1.5車線の道であまりペースが上がらなかった。

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沙美海岸を過ぎると突き出た小半島を越える。そこに岩屋展望台と言うのが見えたので小休止を兼ねて寄り道。
展望台から水島諸島の島々を一望することが出来た。

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中央付近に見える島が六口島、右側が大杓島。背後に見えるのは塩飽諸島の本島

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こちらはパノラマで撮影した写真。左奥が広島、中央手前が手島、その右にあるふたこぶの小さな島が小手島でその背後に見えているのが高見島。小手島の右にあるのが佐柳島、そして右端で見切れているのが真鍋島と言った具合だ。ひとつひとつ行ってみたい島ばかりである。

しかし瀬戸内に来るとついパノラマ写真を撮りたくなる。多島海の風景に満足を得て先へ進む。

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寄島地区まで来るとラウンドアバウト方式の交差点があった。写真のとおりロータリー状になった交差点で、全ての車がロータリーを左まわりするため信号がなくとも右直事故が発生しないというメリットがある。

ちなみに左折すると寄島(三郎島)へ行くことができる・・・と言っても間の海は干拓されて既に陸続きになってしまっているので素通り。

 

その先、いよいよ笠岡市街地に入りナビの案内で入江橋という橋を渡った。その手前の堤防道路みたいなところからいい感じのしまなみが見えたのでちょっと車を停めて撮影してみた。

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中央の高い山が神島、手前の小さくこんもりした島が小殿州(こどんす)、そして左端に見切れているのが大島とそれぞれ名前がついているが神島と大島は本土と地続きである。

笠岡は江戸時代から湾や入り江をひたすら干拓し続けてきた街なんだそうだ。地図で見るとやや内陸に位置する笠岡の市街地の辺りまで細長い湾が深く切れ込んでいるが、この辺りは元々広い湾があったのだそうだ。江戸時代から延々と干拓が進められた結果、笠岡に面する湾は船の航行に必要な程度の幅を残して埋め立てられ、神島や大島も地続きの島となったということだ。

 

さて、笠岡と言えば今自分が訪ね歩こうとしている井笠鉄道の保存車両たちよりも遥かに有名なものがある。それはカブトガニだ。笠岡市沖の海は天然記念物であるカブトガニの生息地となっているのだ。この生き物の存在を知ったのは小学生の頃だったか、ジャポニカ学習帳の巻末付録で見たのが最初だと思う。4億年前からその姿を変えていない生きた化石であるというようなことが書かれていて、同じ時期に知ったシーラカンスとともに一度見てみたいと思っていた。

シーラカンスはなかなか目にする機会に恵まれないが、カブトガニは15年くらい前に台北の中華屋の水槽で泳いでいるのを見かけている。
ただ流石に中華屋の水槽なのでその生態などを観察することは出来なかった。

で、今まさに国内きってのカブトガニ生息地にいる訳だ。市内にはカブトガニ博物館という施設もあって生態などを学ぶことが出来るらしい。ここまで来たからには是非とも見に行ってみたい、ということで先にカブトガニ博物館を見に行くことにした。井笠鉄道の車両を期待されている方(いるのかな?)、もう少しお待ちください。

Posted by gen_charly