弟の結婚式【1】(2009/03/19)
結婚を機に700万画素クラスのデジカメ(カシオ EX-Z750)を買った。これまでの300万画素クラスのカメラとは全然違う高画質で高精細な写真が撮影できるようになり、ついでにメモリカードも256MBの物を奮発したのでメモリ残量を気にすることなく自由に撮影することができるようになった。それが嬉しくてここ最近はどこへ行くにもデジカメを持ち出してあれこれ撮影している。その流れで一昨年あたりから撮り鉄趣味が再燃してあちこち撮り歩くようになった。
そうした中、金沢に住む弟がこの度めでたく結婚することになり式に招待された。これまで金沢へ出かけたことは何度か有ったが、丁度自分が撮り鉄を封印していた時期だったので北陸地方の鉄道写真はあまり撮影していない。
北陸3県(富山・石川・福井)には意外に多くの私鉄路線が存在している。だが、数十年前まではその倍以上の路線があった。私鉄王国と言ってもよいほど津々浦々に路線を巡らせてそれぞれ地域輸送を担っていた。
だが、ご他聞に漏れずモータリゼーションのあおりをモロに食らって徐々に路線を縮小してきた過去がある。特に石川県内は惨憺たる状態である。一方、福井や富山は街の規模が路線維持に丁度良かったのか割と現在まで生き残っている路線が多い・・・、となれば式の出席にかこつけて北陸の私鉄を撮り貯めたいと考えることは自然の摂理であるw
富山県の鉄道は昨年にちょっとしたドライブをした折に撮影して回ったのだが、福井の鉄道路線はこれまで全くのノーマークである。だが福井の鉄道路線もなかなかの個性派揃いである。そろそろ車両更新の時期にさしかかりつつあるようなので、古い世代の車両が引退する前に撮り集めて置きたい所だ。
式は3月21日の土曜日に行われるがこの日は3連休の中日である。流石に20日は弟たちも翌日の準備でバタバタしているだろうし、自分らも何かあればヘルプに加勢しなければならなくなるかもしれないのでこの日はフリーにしておきたい。ということで19日に有休を取得して鉄道の撮影をして回ってから弟の家へとなだれ込むプランにした。
身内の冠婚葬祭の話を書いても面白くないのでエントリタイトルは「弟の結婚式」だがメインは撮り鉄の旅である。
福井鉄道:
2009/03/19
自宅から福井までの移動についてはバッサリ省略。粛々と移動したのみでこれと言った特記事項もはなかったので。
ということでやってきたのは、福井県越前市の武生(たけふ)地区。この街には福井と武生を結んでいる福井鉄道という私鉄路線がある。
福井鉄道の車庫は西武生駅に隣接しているそうなので真っすぐやって来た。
駅周辺は道が狭く駐車に難儀しそうな気がしたので少し離れた所に停めてそこから歩いて西武生駅に向かった。
ら、そこに建っていたのがこの駅舎である。すごい。ここだけ昭和の初めで時間が止まっているかのようだ。しかもこの裏に福井鉄道の本社があるというのだ。自社のおひざ元なのに新しい建物に建て替えずにいるのだから強烈な愛着があるのか、あるいは相当な財政難か。
訪問の翌年ソフトバンクのCMでこの駅が登場した。CMを見て、あ、西武生だ!とすぐに気づいたが、ネットでロケ地を確認してみたら北府(きたご)駅で撮影と出ていた。随分雰囲気の似ている駅もあるものだなぁ、と思いつつ北府駅はどこにあるのだろうと更に深堀りしたら、撮影の少し前に西武生駅から北府駅に駅名を変更していたことが分かった。
武生も容易には読めない地名だが、北府はその上を行く難読駅名だ。分かりやすい方向へ名称変更するならともかく、難読な方向へ変更するのが面白い。武蔵野線の北府中と空目しない事を祈るw
それはさておき、駅の周辺を散策しつつ留置されている車両を見て回った。
福井鉄道は鉄道線がメインとなっているが、福井市内に一部路面区間が存在する。双方を直通している都合上、一般的な鉄道車両の他に路面電車タイプの車両も保有している。
こちらは元名古屋市営地下鉄1200形の600形。元々3扉の車両だったが真ん中の扉は埋められて2扉になっている。更に路面区間にはプラットホームがないので乗り降り用のステップが増設されている。
この車両は譲渡された時点で既に随分と古い車両だったが、都市部の大手私鉄車両は年々大型化しており、手ごろなサイズの車両がもうあまり残っていない。中小私鉄は自社で車両を新造する余裕がなく、大手私鉄から中古車を譲受して走らせていることが多いのだが、近年は置き換えられる車両も大型であることが多い。だが、中小私鉄においてそうした大型車両は需要面や車両限界などの都合で入線できないケースが多々あり、比較的小型の車両を使用している銀座線や名古屋市営地下鉄の車両の人気が高い。
こちらは路面電車タイプの車両で770形。元名鉄の車両で名鉄時代の車両形式をそのまま引き継いでいる。
他にも何枚か写したが、一番のお目当てである200形は見かけなかった。この車両は福井鉄道が自社発注したオリジナル車両で車齢的にそろそろ引退の声も聞こえてきそうな感じだ。なので今回是非ゲットしておきたいのだが、停まっていないということは本線走行中か。
それならここから1駅の場所にある福武線の始発駅である武生新(たけふしん)駅に停まっていないだろうか。武生新駅までは大して距離も離れていないようだったので歩いて行ってみることにした。行って停まっていなかったら諦めである。
しかし、武生新駅という駅名もなかなか奇妙だ。既にある駅から離れた所に新しく駅を作る場合、大抵「新〇〇」とすることが多いが、この駅は新を後ろにつけている。更には福井側の始発駅も福井新駅である。強いこだわりを感じる駅名だが、その割に武生新駅は後に改称されて今では越前武生駅を名乗っている。
※2025年リライトにあたり駅名を確認したら、現在はたけふ新駅と再び名称が変更されていた。こだわりがあるんだかないんだか。。。
その道すがら元名古屋市営地下鉄1200形の610形が留置されていた。こちらは2両編成になっている。
そしてお目当ての200形は武生新駅最寄りの留置線に停まっていた。
この車両は2車体連接構造になっている。2両で台車が3つしかないことに注目。前面のデザインは昭和中期頃のスッキリとしたものになっているが、乗降扉がプレスドアになっているあたりは設計の古さを感じる部分である。
さらに歩いてホーム脇まで行くと、こちらには別の塗分けの200形が停車していた。いっぺんに見られて満足。