奄美皆既日食観測ツアー【4】(2009/07)

旅の手配(帰りのフェリーの手配編):


ということで週が明けて月曜日の22日。この日は平日だが自分の職場は2交代制の職場なのでシフトをチェンジしてもらって万全の態勢を整えた。遅番の出勤時刻は11時なので通勤時間を考えると10時がタイムリミットとなる。

一方カミさんは交代制のない部署なので朝から仕事に行かなければならず、今回は協力を仰げなかった。どうにか自力で手配しないと。

電話機の前に張り付いてコールするも、案の定予約受付開始時間になった途端に発信規制メッセージが流れた。
それでもめげずにひたすらリダイヤルを繰り返す。面白いのは、その発信規制メッセージがNTTによるものとソフトバンクテレコムによるものの2種類あってランダムに切り替わるのだ。我が家はマイライン系の契約をしていないのだが我が家からマリックスラインのコールセンターまでの間の回線はその時その時でランダムに経路が変わっているようだ。


しかしまぁ一向に繋がる気配がない。マリックスラインの窓口回線はいったい何回線あるのだろう?
そうこうしているうちに時間はあっという間にタイムリミットに近づいていく。だが、全く状況が変わらない。もうタイムリミットギリギリだがここで諦めたら奄美から帰って来られなくなる。仕方ないので今日は遅刻することにした。

それから30分ほど過ぎたころようやく窓口に繋がった。奄美大島行きの・・・まで言ったところで窓口のオペレーター氏から、

「申し訳ありません、鹿児島行きの便は全て満席となりまして、キャンセル待ちの募集も全て終了したところです。」

マジかー!やられた・・・。なんか散々待たされた挙句、ようやく繋がったと思ったら売り切れって。フェリーなんだから定員は数百人単位だろうし、もう少し繋がる余地があってもいいんじゃないの?という気もする。ここまで頑張って手配をしたのに最後の一手でしくじってしまった落胆と、遅刻確定なのにその決意が無駄になってしまった腹立だしさとで、つい、

「あの~、こちら東京からかけてるんですけど、地域によって繋がりやすさの違いとかありませんか?」

と、思わず八つ当たり気味の質問を投げてしまった。そんなの窓口の人間が知っている筈がない。窓口のオペレーター氏は明らかに動揺している様子で、

「いや・・・、今日の・・・着信状況を見てる限り・・・では、全国各地から・・・繋がって・・・いるよう・・・ですので、・・・どこの場所が繋がりやすい・・・とかそういうこと・・・は、なさそうですが・・・。」

クレーム顧客と思われてしまったらしく、途端に口調がたどたどしくなってしまった。
すまん。。。こういう混雑時に難癖つける客がいるのはコールセンターあるあるだ。自分もかつてコールセンター勤務をしていたことがあるので会話相手の声のトーンとかそういったものに敏感に反応してしまう。ちょっと苛立ちもあったとはいえ言葉選びを間違えてしまった。


まぁいずれにしても、このままはいそうですかと電話を切るのは勿体ないので、もう少し情報収集しておくことに。オペレーター氏が言っていたキャンセル待ちも締め切りという話。通常、申し込みが定員に達していた場合でも、キャンセルが出る可能性があるのでキャンセル待ちを募集する。といっても申込者全員がキャンセルするなんてことはないのでキャンセル待ちもある程度の人数に制限する。

それでもキャンセルなんてそうそう出ないのでその待ちの人たちが全員キャンセルチケットにあずかれる訳ではない。そのキャンセル待ち申し込みが全て終了したということは、つまり自分がこの船に乗れる可能性はほぼゼロということである。あとは想定以上にキャンセルが生じていることを祈って現地へ行き、当日キャンセルの枠に滑り込むか。いやいや、流石にそれは無謀すぎる。それでしくじったらどうするというのか。

とはいえ、まだほかに手段があるかもしれない今の段階で旅行をキャンセルするのは、まだちょっと早計である気がする。といってもズルズルと引き伸ばしていたらキャンセル料が発生する時期に入ってしまうので、どこかで決断をしなければならない。とりあえず今確保している奄美行きの席のキャンセル期限について確認してみたところ、出港直前まで特にキャンセル料は発生しないそうだ。ただし他にもキャンセル待ちをしている人が多数いるのでキャンセルする場合は必ず窓口に連絡してほしいとのこと。

他案として日程をずらして帰るということが挙げられる。鹿児島ー奄美ー那覇間を運行するフェリーは今回問い合わせをしているマリックスラインの他にマルエーフェリーという会社の船も運行している。双方の便は1日ごとに交代なので明日マルエーフェリーに電話してそちらの便を手配する方法が考えられる。ただしその場合、夏季休暇とは別に追加で有休を取得する必要があるし、奄美滞在中の宿泊先についても考慮する必要がある。そんな休み方など到底認めて貰えない気がするし、奄美での宿泊先探しはこれまでの手配状況の困難を考えると絶望的である。

だとすると実質的にはもうゲームオーバーか。結局あまり有用な情報は得られなかったが、ダメもとでそのほかの手段がないか聞いてみた。

「そうですね、例えば那覇行きの便にご乗船いただいて、那覇を経由してお帰りになる方もいらっしゃいます。」

ん?そうか!そういう手もあるのか。つい鹿児島に戻ることばかり考えていたが、那覇に抜けて一筆書きのように帰ることも確かに可能だ。
とりあえずオペレーター氏にお礼を言って慌てて支度を整えて出勤した。結果1時間の遅刻。。。


旅の手配(那覇便を手配する編):


で、職場に着いて仕事をしたかというとさにあらず(仕事しろ)。那覇経由で戻る場合どのようなプランになるのかが全く分からなかったのでまずはそれを調べなければならない。仕事はとりあえず後回しにして調査の時間にした。

まずは奄美ー那覇間の便の時刻を調べる。すると奄美を朝5:00に出港して、那覇に16:00に到着となる。つまり日食を見た後だと翌朝の出港となるので予約開始は明日である。

続いて那覇ー羽田間の空路のチェック。那覇に着いたのはいいが飛行機に乗れずにもう1泊となったら意味がない。調べてみるとこの船が那覇に到着する以降(空港までの移動時間や、チェックインに要する時間も加味したうえ)であと2便出発する便があるようだ。最終便となる20:50の便を見るとまだ早割の残席も残っている。正規チケットと比べて早割は割引額が大きいのでここはぜひ活用したいところだが、肝心の那覇行きのフェリーは明日にならないと予約できない。

もし明日電話して今日のようにキャンセル待ちも残ってませんなんてことになったら、飛行機もキャンセルしなければならないが早割は予約時点から50%のキャンセル料が発生する。これまでの予約手配のままならなさを思うと、同じように手配に失敗した人が那覇便になだれ込んでくるのは時間の問題と思われる。押さえるなら今しかない。だが手配にしくじった時のキャンセル料は痛い。。。

暫くモニターの前で思い悩んだ。多少のリスクを負わないとこのイベントへの参加資格がないというのなら、このくらいのリスクは甘受しよう。とはいえ万単位のキャンセル料はやっぱりインパクトあるよなぁ。。。気持ちが揺れ動いたが結局購入ボタンをクリックした。右手に力が入って疲れたw


そして来る23日。奄美から那覇へのフェリーのチケットの手配である。もちろん今日も自分1人。カミさんを送り出した後、8:30の少し前に電話の前で戦闘配置に就く。

懲りずに8:29にちょっとフライングしてコールしてみた。ら、呼び出し音が鳴った。これはもしや瞬殺パターンか?と期待に胸を膨らませて相手が電話に出るのを待つ。が、なかなか電話を取ってくれない。コールは鳴るけど窓口が電話を取らないときは交換機の待ち呼と呼ばれるバッファーエリアに繋がっている可能性がある。回線は空いているんだけどコールを取れるオペレーターがいないときにそうなったりする。まだ業務開始前だから誰も電話を取らないのだろう。じゃあこのまま開始時間になれば一番乗りで申し込みが出来る。

その読みどおり十数回のコールの後電話が繋がった。よし!・・・と思ったら何故か営業時間外の応答メッセージが流れた。え?これだけ待たせてメッセージ応答ってどうなってるの!?

受話器を置いてすぐにリダイヤルをしたが、8:30を過ぎていてもう通話中になってしまった。。。
その数回後、再び呼び出し音がなった。が、待っているとやはり時間外メッセージが流れた。受付開始時間過ぎているのに時間外メッセージとはこれ如何に?

その後は発信規制メッセージに切り替わって暫くその状態が続いたが、昨日と違うのはそうした発信規制メッセージの合間に時々話中音に切り替わることだった。ということは発信規制値のギリギリ辺りを行ったり来たりしているということでコール総数は昨日よりも少ないのかもしれない。

そうこうしているうちに再び出社のためのタイムリミットが近づいてきた。どうする?このまま続行したらまた遅刻だ。流石に2日連続の遅刻は社会人としてまずい。。。あともう1回くらいならチャレンジできるかな、というのを繰り返してじりじりと時間が無くなっていく。

もう本当のリミットまであと5分という所でコールが繋がった。すぐさま那覇行きの便の申し込みをすると幸い空席を確保することが出来た。ただしこちらも臨時席だそうだ。だがことここに至っては四の五の言っていられない。確保できただけ御の字である。

まぁ、那覇行きは日中の便なので居心地が悪かったらデッキで時間を潰すことも可能だろう。ともかく席の確保が無事に済んだのでこれで奄美へ日食を観測しに行けることが確定した。

その後速攻で着替えて急ぎ足で職場に向かったら始業時間にギリ間に合った。神の存在を信じたねw

Posted by gen_charly