奄美皆既日食観測ツアー【19】(2009/07/22)
高千穂湯:
15時過ぎに目を覚ました。ぼちぼち風呂に行ってみるか。
風呂の準備を済ませてねぐらを出た。外の通りはいつの間にか路面が濡れていて寝ている間に一雨あったようだ。雨が降ったせいか気温が下がり過ごしやすい風が吹いている。
まずレンタカーを返却するためにガソリンスタンドで給油。リッター142円、やっぱり島のガソリンは高い。。。それからレンタカーを返却し、その足で銭湯へ向けてブラブラと歩く。
教えて貰った銭湯のうち1つは高千穂湯という店。それほど古い外観ではないが、かといって真新しいというほどでもない微妙な建物である。
暖簾を潜ると下駄箱の先に番台がある。そこに座っていたおばさんが自分の顔を見るなりちょっと困った顔で、今満員なのよ~といった。この時間で満員とは。。。じゃあ少し待たせてもらいますねと伝えて休憩室で待機。
ほどなく1人出てきたので、おばさんにいま1人出て行ったから入れますかね?と聞くと、自分で確認してくれと言われた。なんともいい加減なものだ。番台の脇から浴室を覗くと湯舟は埋まっているが洗い場は空いている感じだ。先に体を洗っていればそのうち空くだろうと思い、料金を払って中に入ろうとした時、番台の脇に貴重品は番台に預けてくださいと書かれているのを見つけた。それではと背負っていたリュックを降ろし、おばさんに預けて中に入った。果たして脱衣場のロッカーは全て鍵が外され、ロックのかからなくなった扉がだらしなく半開きになっていた。確かにこれじゃ貴重品は置いておけないわ。
空いているロッカーに脱いだ服を突っこんで浴室に入る。空いている洗い場に腰掛けてシャワーをひねったらお湯が殆ど出ない。下のカランもチョロチョロと力ない。どうやら給湯が追いついていないらしい。とりあえず手桶にお湯を汲んで体を流す。だがチョロチョロとしか出ないので桶にお湯を張るだけで凄く時間がかかってしまう。
それでも体を洗わない事には湯舟に入れないので洗髪を済ませてシャワーの水栓をひねる。が、お湯はシャワーヘッドからだらしなく垂れ落ちるのみ。シャワーヘッドは壁に固定されているので、頭をヘッドの近く、即ち壁際まで寄せないとお湯がかからない。なんか、背中にダニがたかったネコみたいにもぞもぞと不自然な動きをして泡を流す羽目に。
今度は体を洗う。が、給湯がこんな状態なので諦めて湯船からお湯を汲んで流した。頭を流すのに湯舟のお湯は使いたくないが体ならまぁ仕方なしである。。。
そんな具合で四苦八苦している自分の横で学生が、お湯が出ねーとかなんとか騒ぎながら水を浴びている。体を流した後シャワーの栓を締めずに湯舟に戻ってしまい水が流れっぱなし。。。ちったぁ周りを見ろ。とりあえず自分がその栓を閉じる。
体を流している間に誰か上がっていってくれることを期待していたのだが、全く誰も出て行く気配がなく湯船に入る余地がない。よく見ると1か所だけ空いている所がある。そこだ、と思ってすかさず陣取る。が、そこは電気風呂だった。ピリピリと電流が流れて体を温めるどころではない。だから空いていたのか。。。
数分ほどして4人くらいで来ていたグループが風呂から上がって出て行った。それでようやく湯船が空いた。場所を移動し足を伸ばす。銭湯のお湯にしてはかなり温い。お湯を温める力も追い付いてないのだろうか。
そうしてようやく足を伸ばしてゆっくり浸かり始めたのもつかの間、急に番台に預けた荷物のことが気になり始めた。リュックを預けた時、おばさんは自分の顔をちゃんと見ていなかった気がする。もしかしたら荷物と持ち主の紐づけがちゃんとできていないのではないか。うっかり他の人が自分のリュックを持って行ってしまったらどうしよう、あの中には借り物のデジカメが入っているので紛失だけは何としても避けなければならない。
冷静に考えればこんなところで他人のリュックを持ち去った所でリスクしかない気がするが、考えれば考えるほど猛烈な不安に襲われて、結局いてもたってもいられずに風呂を上がった。のんびり浸かる予定だった銭湯は僅か数分で終了となった。
急いで着替えて番台で預けたリュックを出して貰った。おばさんの足元は客から預かった10個ほどのバッグで埋め尽くされていた。えーと、、、どれだっけ?と言いながら足元に置かれた荷物を探し始めた。やっぱり荷物と持ち主の紐づけが出来ていなかった。黒いリュックですと伝えると、ゴソゴソやりながら引っ張り出してきたのは別の人の黒いリュック。それを指さして自分のですって言っちゃえばあっさり持ち帰れてしまう。そんなことでいいのか。。。?
更にひとしきり探してようやくもうひとつのリュックを取り出してきた。それです、それが私のです。といって無事回収できた。
足を伸ばしてのんびり湯船につかるつもりで来たのに、結局大してゆっくりできなかった。なんだか坂本衛氏の秘湯ツアーみたいだなと思った。これだったら、らんど★まぁ~くのシャワーで十分じゃないか。。。
おがみ山公園への道のり:
銭湯にいたのは待ち時間も込みで30分くらいだった。まだ日が暮れるまでもう少し時間がありそうだったので近所にあるおがみ山公園に散歩をしに行ってみた。
おがみ山公園は名瀬の市街地の南にある街の裏山的存在の丘である。山頂が展望台になっているそうだ。
公園まではブラブラ歩いた。その途中こんな看板を見つけた。自分が関東の人間だから敏感に反応しているだけなのは分かっているが、なんというか、斬新な形容詞だなと思ったw沖縄の漫湖もそうだが、標準語を知らないわけでもあるまいに、誰か止める人はいなかったのだろうか。
色々ぶっちぎっている民家があった。壁に漢字で何か文字が書かれている。読めないので中国語だろうか。その壁には種々キャラクターが描かれている。特に版権に煩いことで知られる会社のキャラクターも写真には見えない位置に描かれていた。クレームが入らなければよいが。
名瀬小学校の脇を抜けると小川に沿った遊歩道に出た。水は涸れているがシダ植物が生い茂って奄美っぽい感じがする。
その遊歩道に沿って少し進むと、おがみ山へ登る遊歩道が分岐する。